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7月2日(日):「自然資本経営」と「社会的共通資本」

昨日は日経産業新聞の記事に出ていた「自然資本経営」に端を発して宇沢弘文の「社会的共通資本」にも触れましたが、本日はこの続きをもう少しばかり。

同氏が提唱した社会的共通資本は「すべての人びとが、ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力のある社会の安定的な維持を可能にする自然環境と社会的装置のこと」を指します。

社会的共通資本は具体的に自然環境(大気、水、森林、河川など)、社会的インフラ(道路、交通機関、上下水道など)、制度資本(教育、医療、金融など)という3つに区分けがなされています。

これらを市場原理だけに委ねて経済最優先になったり、国家によって官僚的に支配されるなど、利潤追求の対象になっていくことで、人々が本来は享受できるはずの市民的権利が損なわれ、持続可能性が失われていく点を危惧してのことです。

それゆえ前述した自然環境や社会的インフラ、教育や医療などの制度資本を社会全体にとっての共通の財産と位置づけていくべきでないか、との考え方になります。

同氏のこうした概念が提唱されたのは今から30年ほど前ですが、そこから社会は安定性を欠いて混迷の度合いが深まっているのは確かな気がします。

それだけに先のような考え方に少しずつ光が当たり、理解が広がっていった面はあるでしょう。

冒頭に触れた自然資本経営は、先の社会的共通資本のなかの1つである自然環境の部分を切り出したような形です。

まずはこのような面から理解が理解が広がり、実装に向けた模索が始まっていけば良いと思います。

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