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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論555」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第15号(2004.11.25発行)「アクアエクササイズの今」2~※名称等は当時、一部文章省略

プレコリオの採用

まず、インストラクター不足やインストラクターの経験不足を補うものとして注目されるのが、プレコリオのプログラムである。
プレコリオプログラムはスタジオでの「ボディパンプ」や「パワーラッシュ」などのように、予め音楽と振り付けが構成されたもの(「プレ」は「事前に」、「コリオ」は「振り付け」の意)。
集客力と知識を備えたインストラクターが音楽や動きを選び、一つのプログラムとして構成する。
それをインストラクターが共有することで高い品質を維持することができる。

通常3ヶ月程度のサイクルで新しいプログラムが創出され、認定インストラクターに届けられる。
インストラクターはそれを習得して、自身の指導力と演出力を付加することで、クラスが提供できることになる。
水中での運動は陸上での運動と比較しても動きの選択や構成が難しい。
全ての動きに水の抵抗が掛かるため、当然速い動きは取れず、身体のバランスも取りにくい。
逆に水が持つ様々な特性を最大限に利用できる動きを選択し、無理なく気持ちよく動けるように構成していくには、多くの知識と経験が必要となる。
プログラム構成が難しい分、プレコリオによるプログラム提供は、有効なものとなる。

特徴や目的を明確に打ち出すプログラムの開発

新たな参加者層や開拓に向けて各クラブで取り組みが進められているのがアクアエクササイズの分類の見直しと、より特徴や目的を明確にしたアクアエクササイズの開発である。
従来から定番となっている「アクアビクス」などダンス系のプログラムに加えて、中高年層を広く惹き付けるきっかけとなった「アクアウォーキング」や手にミットを付けて行うエクササイズなどは全て有酸素系の運動に分類され、提供スタイルが似ていることから同じ参加者層にアピールするに留まっていた。
そこで、近年はアクアプログラムの分類を見直し、「カーディオ(有酸素)系」「レジスタンス(筋力トレーニング)系」「リカバリー(姿勢改善/リラクゼーション)系」と分類して見直したり、各プログラムの目的を明確にすることで、新たな魅力を打ち出し、新しい参加者層を開拓しようとしている。
例えば、近年ジムやスタジオのプログラムとして人気のコアトレーニングクラスや、若年層女性に人気のヨガやピラティスの要素を取り入れた、男性も親しみやすいマーシャル系の動きを採り入れたクラスなどがある。
また、中高年層でもこれまでアクアエクササイズに参加していない人にもメディカルの要素を採り入れたり、五十肩やその他の中高年層が抱える悩みに、より安全かつ的確に応えるプログラムとその提供方法が開発されてきている。
また、アクアエクササイズ用ギアも様々に開発されており、ギアを活用することで特徴や目的への効果が出しやすくなる。

~ここまで~

アクアエクササイズもプレコリオ化が主流になることで、人手不足をこの20年、なんとか解消してきたと言えます。
それはクラブ社員やアルバイトスタッフが、プログラムを担えるようになったからです。

ただ、前回触れたように様々な点でレッスン環境が厳しいため、体力消耗が激しく、レッスン後の勤務に悪影響を及ぼしたり、酷い場合は膝を痛めたりしたスタッフもおりました。

スタッフだからやむを得ず引き受けたというケースもあったことから、なり手の問題は今後、益々増えていくと予想されます。

お読みいただきありがとうございました。

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