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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論801」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第36号(2008.5.25発行)「独立系クラブが成功するために必要なことーMAC CEOティム・ロード氏に聞く」5~※名称等は当時、一部文章省略

ー日本ではフィットネスクラブを代替する競合サービスがたくさん出てきている上、特に若年女性層の購買行動が変化してきています。アメリカではどうですか。マーケットがこうした状況になったとしたらどう対応しますか?

ティム:そうした状況はアメリカ国内でもいくつかのエリアで実際に起こりました。
特に都心部周辺のエリアで起こりました。
都市型の総合フィットネスクラブの近くにブティック型のヨガ・ピラティススタジオなどが複数出店した際に、総合フィットネスクラブから特に女性の顧客が離れていきました。
ですが、こうした状況に対応する方法はあります。
若年女性層は主に次のことを求めています。
いずれか、または全てに対応するというのが解決法です。
若年女性層はきれいで清潔感のあるクラブを求めます。
また魅力的なグループエクササイズプログラムやマインド&ボディクラスを求めます。
そうした魅力的なプログラムやクラスを提供するには、そこに優れたリーダーがいなくてはいけないということです。
さらに、チャイルドケアも必要になるでしょう。
そうすることで若年主婦層まで来ていただけることになります。

ー日本のクラブはこうした状況に変化対応するためにビジネスモデルを再構築する必要があるでしょうか?

ティム:はい。
今までと同じことをして違う成果を求めるというのはナンセンスです。
再構築するに当たっていくつか考えるべきことがあります。
まず1つ目は、本当に若年女性層はみなさんのクラブにとって必要なのでしょうか。
もし若年女性層が必要というのなら、その層が戻るために何をしたらいいかを考えることです。
退会してしまった若年女性層や今まさに退会しようと退会届を出している若年女性層に質問したことはありますか。
「このまま会員であることを継続したり、友人を連れてきてもらうためにこのクラブはどうしたらいいでしょうか?」と問うべきです。
そして先ほど挙げたような若年女性層が求めていることを1つひとつ解決していくことです。
またもう1つ考えることがあるとすれば、若年女性層のセグメントを代替するようなセグメントが他にないかと考えることです。
例えばシニア層や夫婦、家族、子どものスクールといったセグメントです。
MACも一時、若年層が減少してしまった時期がありましたが、私たちが良かったのは、それに代わるセグメントとして、フィットネス初心者や一度クラブを辞めてまたクラブに戻ってきた方に対するサービスに長けていたということです。
ですからそこをさらに強める策に出ました。
施設を拡張して、ライフスタイルセンターを設けるなどの手を打ったのです。
おそらく再構築が必要になった時、各クラブでその対応方法は異なるはずです。
クラブ毎に立地も強みも、可能性のありどころも違うでしょうから個別に考えなくてはいけません。

~ここまで~

「今までと同じことをして違う成果を求めるというのはナンセンス」という言葉は、アバター近藤が好きな名著「7つの習慣」でも近しい文言で記載されており、常に念頭に置いておくべき教訓だと考えます。

フィットネス業界は特に、前年同月の内容をそのまま焼き写したような施策を続けるクラブが多く、それでいてマーケットの反応が悪いなど外部環境のせいにする傾向が大いにあります。

パンデミックは、その点で、強制的に今までの延長線上での思考がNGであることを伝えてくれたと受け止め、自クラブの可能性のありどころを個別に追求していく姿勢が大事だと思います。

お読みいただきありがとうございました。

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