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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論600」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第18号(2005.5.25発行)「米国クラブ業界のトレンド2005」3~※名称等は当時、一部文章省略

IHRSA設立に関わった一人で、この業界で30年を超える経歴を持ち、アメリカフィットネス業界の歴史と財務に知悉しているマネジメントビジョンCEOリック・カロー氏に「米国クラブ業界のトレンド」と題してセミナーを提供して頂いた。
現在カロー氏はクラブオーナーを退き、コンサルタントとして活躍。
この6年間で1300社以上のコンサルティングを手掛けている。

金融関係者が見るフィットネス業界
では次に、金融関係者の視点から業界を見てみることにしましょう。
このビジネスは定期的な収入が見込めるビジネスだと捉えています。
会員制を取っているため、定期的に収入が上がるからです。
また、市場の動きに動じないビジネスであるとも見ています。
これは先ほどお話した不況に強いビジネスであるということにも通じます。
また利益率の高いビジネスであると見ています。
また、メンテナンスは重要ですが、年あたりの再投資に必要な資本は他のビジネスに比べて少なくて済むと見られています。
現在、米国のクラブの再投資は年間売り上げの5%が平均です。
在庫がないところも魅力の一つとして見られています。
売掛金が発生しにくいビジネスであることも好ましく見られています。
また、会費外収入の伸びにも可能性が見出されています。
1点、嫌われる点としては、初期投資額が大きいということがあります。

次に金融関係者が重視する数値を見てみましょう。
この業界の市場規模は140億ドルに上っています。
2003年の市場規模の伸び率は5%でした。
2004年の既存店の売り上げの伸び率は平均2%でした。
2003年の会員数の伸びは4%でした。
利益率について米国ではEBITDA(金利・税金・償却前利益)という指標を使いますが、売り上げの平均15~20%となっています。
株式公開企業は3社で、市場は未だ細分化されており、統合の可能性が残されています。
資金調達に関しては、融資、投資がともに受けられやすい業界として見られています。
米国にはこの業界に精通した投資家がまだいないとされています。
また、業界企業に投資をした企業でイグジットに至った投資例がまだありません。
2004年の時点で非公開企業に投資している投資会社は2社となっています。
クラブ業界は金融関係者にまだ誤解されている部分が多いことも事実です。
その理由としては公開企業の1つであるバリートータルフィットネスによる要因が一つあります。

~ここまで~

金融関係者の視点を見て、米国の事例ですが、なるほどそう考えていたのだと感じました。
近年、日本国内では、異業種企業が24時間ジムを手掛ける例が増えており、本業の難易度に比べて、同様のメリットを感じているからなのかと少し理解しました。

ただ、実際のところは、パンデミック下の不況をもろに受けましたし、会員集客が上手くいったら記事のような恩恵を受けやすいという話なので、初期集客に失敗したらほぼリカバリーは不可能という側面も知っておいた方が良いでしょう。

安易に飛びついてうまい話など何れの場所にも存在しないことは肝に銘ずべきだと思います。

お読みいただきありがとうございました。

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