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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論387」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第7号(2003.7.25発行)「団塊世代を狙え」8~※名称等は当時、一部文章省略

Ⅳ団塊世代マーケティングのポイント

1.リマーケティングした上で団塊世代マーケティングを考える

ティップネスがクラブをリマーケティングして進む方向を再修正~明確化したように、まずより広いマーケティングークラブの集客から定着までの仕組み作りーを行い、その中にこの狭いマーケティング、即ち団塊世代マーケティングをどう位置づけるかを確認してから、取り組むことが大事である。

団塊世代だけのフィットネスクラブが成立するはずもないが、くれぐれもマーケティング・マイオピア(近視眼)に陥らないように注意すべきである。

2.予め受け入れ可能な状態にしておく

前項とやや重複するが、クラブ全体のリマーケティングを行うことにより、明確化したクラブ像に近づけるべく顧客受け入れのシステム・態勢をきちんと整えてから団塊世代マーケティングに取り組まなければいけない。

ザ・ビッグスポーツのO部長は、「この問題を解決せずに(団塊世代マーケティングには)取り組めない」として、次の3点を挙げている。

1つ目は、客単価の問題である。

団塊世代は若者らと異なり、あまり衝動的な購買行動を取らないため、会員種別をよく吟味してから入会する。

この時、正会員より価格の低い会員種別を色々と持ちすぎていたり、その料金を安く設定し過ぎたりしていると、客単価の低下を招いてしまい、利益の一部を逸失してしまうことになりかねない。

だから会員種別と料金を予め適正化しておく必要がある。

2つ目は、会員層が高齢化していく問題である。

クラブはやはり若い層と中高年層がバランスよく在籍していることが理想である。

年齢的にには50歳代でも団塊世代は精神的に若くありたいと思っているため、高齢者ばかりのクラブでトレーニングしたいと思わない。

むしろ若年層と一緒にトレーニングしたいと思う人の方が圧倒的に多いはずである。

だから、会員種別やプログラム内容、内装、BGMなどについては、若年層や若さ感を意識してクリエイトする必要がある。

3つ目は、クレーマーの問題である。

この問題が最も大きい。

クラブマナー徹底の責務はクラブスタッフ側にあるが、どうしてもクラブが年を重ねるうちに「声の大きいお客様」に運営内容が引きずられてしまい、結果的に「普通のお客様」へのサービスのクオリティが落ちてしまうことがある。

原因となるクレーマーは団塊世代女性に多い。

クラブによっては、圧力団体化して、正常なクラブ運営に支障をきたすこともある。

だから、クラブはクレーマーが生まれないようなカルチャーをオープン当初から着々と築き上げるよう努力しなければいけない。

また、そうなりかけたクラブは急ぎ正常化するための行動を取らなければならない。

~ここまで~

前提として、受け入れ態勢を整えることから始める必要があるという記事の主張はもっともだと思います。

ただ単に、例えばシニア会員などの会員種別を用意するだけで、サービス自体が元と変わらないのであれば、それは安い会員種別を作ったに過ぎないことになります。

当時もそうであったように、現在は後期高齢者に突入するタイミングですので、より対象がフィットネスを継続しやすい環境を整えなければ、恐らく参加はして頂けないでしょう。

それは介護領域という話ではなく、フィットネスとしてどう受け入れていくかを考えるということです。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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