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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論635」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第21号(2005.11.25発行)「子ども向けプログラム、各社展開急ぐ」1~※名称等は当時、一部文章省略

フィットネスクラブ各社が子ども向けのプログラムを再構築し、展開を急いでいる。
遊べる「場所」「時間」「仲間」が少なくなった現代の子どもたち。
クラブはこの3つの「不」を解消する新商品を研究、開発し、保護者らに提案。
少子化により1人の子に、より多くの愛情を注ぐ親の需要を捉え、さらなる成長を目指そうとしている。
スイミングブーム以来の子どもの「運動ブーム」再来か。

0~3歳向けプログラムが充実
子ども向けプログラムとして全世界に最も普及している「フィットクラブ」の日本での総代理店、東急スポーツシステム株式会社(本社渋谷)は、今年10月横浜市に直営施設「フィットクラブ嶮山」を新設。
従来から同社チェーン店他で提供していた主力の4~6歳児向けベーシックプログラム「アメージングワールド」と「ティアレス&フィアレス」と名付けられた2~3歳児向けのユニークなプログラムを導入することにした。
本格稼働に先立ち開催した体験会では、この「ティアレス&フィアレス」に予想以上の人気が集中した。
数、文字、色、形など様々な教育テーマについてカラダを動かしながら楽しく学んでいくこのクラスにはコミュニケーションやチームワークを養う要素がふんだんに取り入れられている。

同社で「フィットクラブ」を中心となって推進する開発営業部フィットクラブプロモーションチームN氏は、その結果を次のように分析している。
「今の親は子どもがより小さいうちから想像力や基礎的な知性、さらには協調性などを総合的につけさせたいと考えています。このプログラムがそうしたニーズにぴったりと合い、かつお子さまにも楽しいなと思われたからだと思います。」
同氏のことばを裏付けるように、先日ベネッセコーポレーションが行ったアンケートでは、習いもの開始年齢が低年齢化していることや、様々な習い事に関心が寄せられていることが明らかになっていた。

これまで大人の中心顧客層としていた株式会社ティップネスでも郊外店の出店の増加とともに子ども向けのプログラムのブランドを再構築している。
同社は「ティップネス・キッズメソッド」と銘打ちカリキュラム、環境、サービス、スタッフ、安全管理の視点から子どもの成長を考え、取り組んでいる。
特にスイミング系のベビー向けプログラムの充実に注力していて、それにより0歳児から乳児、キッズ、ジュニアと全年代にまんべんなく、また一貫してステップアップしていけるようにプログラムを構成できることになった。
まだ緒についたばかりだが、同社のベビークラスの参加者は直近の1年間で224名から570名へと2.5倍に増えている。
また同社ではサービス拡充の一環として、NHK教育テレビで「体操のおにいさん」として、12年間活躍してきた「ひろみちおにいさん」こと佐藤弘道氏を、ティップネス・キッズスーパーアドバイザーに迎えた。
佐藤氏は各種イベントや教室での特別インストラクターとして活躍している。
0~3歳児向けプログラムの投入に伴い、そこへの参加者が増えている背景には、親のライフスタイルの変化や最近の景気の好調さなどの影響もあるものと思われる。

~ここまで~

遊べる「場所」「時間」「仲間」が少なくなった現代の子どもたちと取り上げられた記事の時代から、現在は概ね変わらずむしろ運動機会の減少が顕著なことが直近の様々なデータから汲み取ることができます。

ただ、この時代から業界各社がキッズプログラムへ注力した結果、スイミングブームほどの広がりはなかったものの、退会率が低いことで、パンデミック下での総合型クラブの会員数を下支えした側面はあると思います。

その点では、地域の子ども達が抱える課題を解決する一助にはなっているので、一定の手堅い反応は得られるプログラム群と言えるでしょう。

お読みいただきありがとうございました。

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