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4月20日(水):フィットネスクラブ・マネジメント技能検定 インターミディエイト第4章解説⑦

現在は「フィットネスクラブマネジメント公式テキスト」の最新版「Vol3」のインターミディエイト(中級)、第4章「営業管理」についての解説を進めています。

前回は1節の「販売管理」の営業施策のマネジメントに関連したKPIなどに触れましたが、今回は週次マネジメントのポイントを解説します。

まず週次のマネジメントを機能させるための1週目~4週目までの週次マネジメントのサイクルは次のように説明しました。

1週目:前月の検証・当月の目標、営業施策の進捗、着地見込
2週目:当月の営業施策の進捗、着地見込
3週目:当月の営業施策の進捗、着地見込・次月の計画と着地見込
4週目:当月の着地見込・次月の目標、営業施策、着地見込

この毎週のなかで前回取り上げた各種KPIを確認していくわけですが、その際の基本的な考え方について言及しているのが以下のテキストの文面です。

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この週次のマネジメントにおいてポイントとなるのは進捗の確認から改善行動までを一連の流れで行い、適切にPDCAサイクル、(「PLAN:計画」⇒「DO:実行」⇒「CHECK:確認」、「ACTION:改善」)を回していくことにある。

クラブでは事前の計画に基づいて各種営業施策に取り組んでいるものの、それが正しく現場のなかで実行されなければ結果にならないし、必ずしも計画通りに上手く進むとは限らない。

そのため、できるだけ細かいサイクルで進捗確認する必要がある。

この時、「確認」だけでは不十分で、進捗が順調であれば「そのまま続行」の指示をする必要があり、反対に進捗が悪ければ「取り組み内容」を修正しなければならない。

この「進捗確認と修正」の連続が目標達成には欠かせない。

イレギュラーに早く気付き、早く修正することで後手にならず、意図して結果をつくることができる。

また週次会議で進捗の確認や修正をするにあたり、責任の所在と具体的行動を明確にすることが重要になる。

「誰が」「いつまでに」「何をする」かが曖昧なままだと、その多くは上手く進まない。

そのため、支配人は会議内で発生したタスクに対して、これらを明確にして指示を行い、その取り組みや進捗を次週の週次会議で確認をしていく。

(中略)

また月次の目標に対してマネジメントするにあたっては、進捗から修正を行うなかで「当月」の目標達成に向けて行動していくのが基本となる。

ただ、進捗が思わしくないまま営業日数が経過していくこともある。

このとき、月の後半に向かうにしたがって残りの営業日数が少なくなり、当月の目標達成に向けたリカバリーは難しくなる。

仮に当月で目標が未達になりそうな場合、次に考えるべきは「次月」の目標を修正して、当月のマイナス分を次月のなかでリカバリーするような計画を立てることである。

支配人は「単月」の結果だけで物事を考えるのではなく、「累計」での目標達成の観点を持ち、マネジメントしていくのが大切になる。

クラブの規模が大きくなるほどマネジメント項目は増えるため、支配人は達成手段だけではなく、クラブ内での優先順位や役割配置も考えていく必要がある。

支配人が管理する「店舗全体のPDCAサイクル」と、スタッフが管理する「担当業務のPDCAサイクル」の2つを整合的に組み合わせ、それらを上手く機能させて目標達成に向けたマネジメントができると良いだろう。

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まずはテキスト内でも記載をされているように各営業施策、ならびにクラブ全体でPDCAを機能させていく必要があります。

そのなかでまず確認すべきは実行の確認、計画に基づいてやるべきことができているか、という観点です。

実行なしには結果にならないうえ、やり切らないことにはそもそもの計画の正当性も確認ができないためです。

経験上、想定していた結果が得られていないケースの7割ほどはこの実行度に問題があるので、そこを掘り下げていくのが大事だと思います。

続いて意図して結果を出すには進捗に応じた修正、つまりプロセスをコントロールするわけですが、そのためにはテキストでも触れているように「イレギュラーに早く気付き、早く修正すること」が大切になってきます。

では、イレギュラーの有無をどう察知するか、ですね。

こちらは単なる個人の主観ではマネジメントが属人的になってしまうので、定量的な指標を使って進捗に応じて着地推定をしていくことがひとつです。

例えば入会なら、これまで過去1年分の日次ごとの入会の進捗率(月末での最終的な入会者数を100%とした場合のそれまでの日次での進捗率)をクラブで出しておくことで、そこからの推定が可能です。

具体的には「着地推定=入会の実績÷進捗率(ピッチ率)」に当てはめて計算をします。

仮に月の1週である7日段階で入会者数の「実績が12名」、クラブの直近1年における7日段階の「ピッチ率が20%」だった場合、先の式に当てはめて計算をすると、これは「60名」という着地推定です。

もし、この月の入会目標が80名であった場合、7日段階でこのまま進んでいけば月末での着地は60名、つまり目標に対してマイナス20名で終わってしまうことが想定されます。

月末まで営業して蓋を開けてみたら60名で終わり、結果として目標に対して20名の未達に終わるのと、1週目の7日段階で定量的に着地推定をしてイレギュラーに気づくのとでは、その後の改善に向けたマネジメントが大きく変わってきます。

だからこそ前述したピッチ率のような指標を用いて定量的に進捗に応じた着地推定をしつつ、その内容に応じた舵取りをしていくことが重要です。

月次の目標に対する一連のマネジメントではテキストでも言及しているようにまずは「当月」の目標達成に向けて行動していくのが基本です。

しかしながら、月の後半に向かうにしたがって残りの営業日数が少なくなり、当月の目標達成に向けたリカバリーは難しくなるので、その次に考えるべきは「次月」の目標を修正して、当月のマイナス分を次月のなかでリカバリーするように計画を修正していくことです。

このように「週」のマネジメントを通じて「月」の目標達成に取り組みながらも、「単月」の結果だけで物事を考えるのではなく、「累計」での目標達成の観点を持ちながらマネジメントしていくのが大切になってきます。


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