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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論772」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第33号(2007.11.25発行)「増える、プロショップのアウトソーシング」1~※名称等は当時、一部文章省略

フィットネスクラブがこれまで自社で運営していたプロショップを専門企業にアウトソーシング(外部委託)する動きが活発化してきた。
在庫リスクが重く、人手もかかるうえ、売上、利益ともに減少傾向にあるからだ。
WEBショップ開設の動きと併せて、多くのクラブにとっては見逃せない動きといえよう。

プロショップ、自社運営の限界
これまで多くのフィットネスクラブではプロショップの売上から、売れた商品の原価を除いた粗利をあたかも「利益」とみなし、たとえ低利益でも顧客サービスの一環と考えて取り組んできていた。
ところが、近年期首に仕入れる在庫やプロショップの什器・備品に関わる費用、商品を発注~管理するスタッフの人件費などを含め、活動単位ベースで厳しく収益性をチェックするようになると、それほどの利益が出ていなかったり、場合によっては採算割れしていることが分かり、見直しを図るクラブが増えてきている。
そこで、いくつかの先進的な企業が取り組んでいるのがプロショップの運営を専門企業へアウトソーシングする方法である。
ジェイアール東日本スポーツは、今年4月スポーツ用品店「スポーツオーソリティ」を展開する株式会社メガスポーツに全事業所のプロショップの運営を委託した。
またティップネスや東急スポーツオアシスは、売上の多い都心の一部のクラブを除いてプロショップの運営をやめ、WEBショップに特化する方針を打ち出している。
既存店の入会者が減少し、利益も落ち込み、コスト構造を見直す作業が細かく進められる中、その一環としてプロショップも見直しが掛けられているのである。
プロショップを自社のみで運営することには限界がきているのではないか。

~ここまで~

プロショップに対する各企業の対応は現在もまちまちであり、自社運営を続けている企業、アウトソーシングしている企業、WEBショップに特化している企業、プロショップ自体を無くした企業にそれぞれ分かれます。
それらの対応の主眼は、方法はともかく、効率効果的に売上を挙げたい、利益を挙げたい、またはリスクを無くしたいということであり、それ自体は誰もが求める動機ではあります。

ただプロショップ運営に関して、以前から感じていたことは、クラブの運営方針との紐付けが弱く、お客様のどんな問題解決をしたいかというメッセージが乏しいという点です。
スポーツ用品専門店は、様々な顧客層への対応が求められるため、品揃えをできるだけ豊富にという思想は当然とも言えますが、比較してスペースや対象顧客も狭いクラブ内プロショップにおいては、より設計思想が問われると考えます。

以前、業界大手企業に勤務していた時代に担当した際、本部から今月はA社のプロテインを、来月はB社のプロテインをキャンペーンしなさいといった指示が飛び交っていました。
フィットネスクラブは特定顧客が週に数回、通うことを前提としたビジネスモデルであり、今月はA社のものを、翌月は効用の似通ったB社のものを勧められたら同じお客様はどのように感じるでしょうか。
この辺りの信頼関係を大切にするカルチャーがプロショップにも求められていると思います。

お読みいただきありがとうございました。

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