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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論376」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第6号(2003.5.25発行)「クラブ・プログラムのハイブリッド化」1~※名称等は当時、一部文章省略

米国クラブは近年フィットネス以外にもマッサージやスパ(フェイシャル、ネイルサービス他)など数多くのサービスの選択肢を用意して広い顧客層にアピールしようとしている。

また、グループエクササイズも様々な要素を組み合わせて、これまでにない多様なエクササイズが1つのクラスで楽しめるようになってきている。

ますます広がりを見せる顧客層に対応しようと特に中高級クラブでこうした動きが顕著になってきている。

多くの選択肢を提供

数年前、街にはジムがあり、スパがあり、その間には何もなかった。

しかし近年、この両者のあり方が接近し、完全に統合したケースも多く見られるようになってきている。

中高級クラブの中でも革新的なクラブの多くは、マシンやトレッドミルだけでなく、マッサージやヨガ、ピラティス、ヘアサロン、カイロプラクティックなど多くの選択肢を揃えてきている。

クラブがこのように選択肢を広げる理由の一つは、単純にこれが儲かるからである。

インターナショナルスパ協会によると米国のスパ業界の市場規模は1999年から2001年の2年間で2倍になり、現在は年間100億ドル(1兆2,000億円)に達しているという。

そしてスパ業界の顧客層の属性とフィットネスクラブに通う層の属性はかなり重なっているという。

「フィットネスクラブに入会することに価値を感じる人と同じ人がスパサービスにもかなりのお金を遣うことが分かっています。」と話すのは、ノースカロライナ州パルスアスレティッククラブのマーケティングディレクター、スーザン・セルクマン氏である。

同氏はこうした市場調査の結果を受けて、フェイシャルとボディマッサージサービスをクラブに導入した。

クラブが選択肢を広げる2つ目の理由は、これがより広い顧客層にアピールするからである。

年齢の高い層、またはあまり運動に慣れていない層は、様々な方法で自分の身体をケアしようとする。

こうした層に対してはエクササイズだけでは、そのニーズに充分応えることができない。

ACE(アメリカエクササイズカウンシル)のスポークスマンであるグレゴリー・フローツ氏は現在のクラブについて「もはやクラブは筋肉を鍛える、30日間で痩せるといった場ではないのです。人々が普段自分ではやらない特別なケアをする場所になっているのです。」と話している。

~ここまで~

前職時代の超大型クラブ(1,500坪)では、スパ(エステ)サービスを委託で実施しておりましたが、その企業が単独で出店しても達成できない売上を記録していたと思います。

それは、フィットネスクラブに通う層の属性が、今でもある程度、経済的に余裕がある人が多い、女性比率・中高年比率が高いといったことが影響していると考えられます。

翻ってパンデミック下で在籍者が2~3割減った状況において、同様に絶対顧客数も落ち込む中、人件費等のランニングコストを上回る売上を確保できているかは大いに心配されるところです。

このような蜜月関係も本業が成立しているからこそ継続できると言えます。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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