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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論309」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第2号(2002.9.25発行)「News&Trends(World):病院付帯型フィットネス施設の経営が危ない」2~※名称等は当時、一部文章省略

人件費に関しても病院付帯型施設は年間1,200万円ほど同規模の民間クラブを上回っているという。

よくあるケースが、スタッフを配置しすぎていることである。

クラブの従業員がお互いの分野を知るための研修などを行い、人件費が重複するばかりでなく、仕事の効率も悪い。

守られた環境の中で働くことで、モチベーションが高まらず、各スタッフの生産性が低い場合が多い。

病院の複雑な規制やガイドラインによるコスト増も少なくない。

病院は人件費が施設運営上の最も大きなコストであることから、かえって人件費を割り当て過ぎてしまうと分析する人もいる。

それでいて、マーケティングや顧客サービス、再投資への予算は驚くほど低いという。

病院は収益上、一般の保険会社やHMOに頼る部分が大きい。

そのため病院の経営者は保険会社や医師たちとは強い関係ができるが、一般の生活者とはそれが希薄になることになる。

つまり、本来メンバーが顧客でなければならないところが、病院にとっての顧客は医師や保険会社になってしまっているのである。

その結果、生活者に対するマーケティングや顧客サービス、コストコントロール、再投資へのニーズの把握に疎くなる。

目的の違いも病院が民間クラブのように経営できていない理由となっている。

病院はフィットネス施設を付帯することで、地域への広報的な役割を期待したり、紹介者を得るためのもの、付帯収入を得るためのものといった存在として捉えている。

つまり、あくまで付帯施設としか捉えていない。

さらに、病院付帯型施設は、民間クラブが不公平だと感じる多くのメリットを享受していることも経営の甘さを助長している。

税金の控除、強力なメディカル関係のコネクション、地域での影響力、保険業者との関係、効率的な購買システム、資金調達のしやすさなど、多くのメリットが、経営の非効率さを紛らわしてしまう。

ある民間クラブ経営者は次のように指摘する。

「病院付帯型施設の赤字は誰かが埋めなければならず、会費の値上げ、医療費の値上げ、税金の値上げなど、全て生活者への負担を強いるものとなってしまいます。病院は、こうしたリスクを回避し、強みを最大化するために、民間クラブの経営に経験を持つリーダーと手を組むべきです。そうすることで病院の専門性とフィットネス企業の開発力や経営力を最大に活かすことができるのです。」

~ここまで~

以前、メディカルフィットネス関連のクラブに勤めている知り合いと話をしたことがある中で、日本においてもあくまで病院の付帯施設といった視点で見られていることが多いと聞きました。

つまり、病院が上でフィットネスは下という考えのもと、医療用語で詰められ、横柄な態度で接するといったことが起こっているようです。

恐らくそのような関係性では、いつまでも話が噛み合うことはなく、クラブ側も積極的な運営施策を打つことが出来ないと想定されます。

そのような話を聞くにつけ、医療とフィットネスの融合は難易度として、非常に高いという認識がやはり必要であるとアバター近藤は考えます。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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