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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論182」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌(元々はクラブマネジメント誌としてスタート)のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~クラブマネジメント通巻第28号(2000.5.25発行)「予算のマネジメント」19~※名称等は当時、一部文章省略

3.予算構成の実際

(2)利益目標関連

【売上高経常利益率】タイプA 30% タイプB 20%

売上高経常利益率は、売上高に占める損益額の割合と考える。

損益額は売上高から商品原価、営業費用(ここでは本社費用は含めないことにする。企業によっては本社費を各クラブの売上高または費用額に応じて按分するクラブもある)、減価償却費、営業外費用(主に支払い金利)の総額を減じた額と考える。

先に繁盛クラブの売上高は、5~10年前のそれと比べると2割ほど低下していると記した。

しかし、クラブ(経営企業)は、この間、家賃、水道光熱費、人件費など費用構成に占める比率の高い項目を中心に効率化、適正化を進め総費用の方も2割程度圧縮させてきている。

したがって、利益率は当時と比べても変わっていない。

むしろコスト管理を徹底し、最終利益にこだわるマネジメントをすすめてきたことで、当時より率としては上向かせているクラブも多い。

こうしたクラブー主に大手チェーンクラブーの多くは、成果主義の人事制度を導入しており、支配人の評価項目の中で店舗の利益額を最重要視している。

このことも利益率の向上を後押ししている。

だが、個店の売上高経常利益率や利益額を支配人の評価に結び付け、同一企業の他店の支配人とこの数値で単純に比較、評価するとなると、それが不公正であることは明らかである。

支配人の力量だけではどうにもコントロールできない要素ー施設開発に関連する諸費用項目などーがあるからである。

支配人のマネジメント力が及ぶ貢献利益、つまり売上高から管理可能費を減じた額で評価するなどして、公正化を図らなければならない。

予算のマネジメントで最も重要なものが利益目標の追求であることは周知のことと思うが、それを実現するために経営幹部は店舗の損益のマネジメントという視点だけを持っていればよいのかというと、当然違う。

別の角度、というよりもあらゆる角度からクラブの、あるいは企業の、財務的状況を睨んでいなければ経営を誤ることになる。

投下資本利益率や総資本経常利益率など資本や資金の面からもチェックするマクロの眼もあわせ持っていなければならない。

~ここまで~

上記の売上高経常利益率をパンデミック前に達成できていたクラブ自体、恐らく少なかったと思われます。

そしてパンデミックにより、在籍者数をおよそ30%前後、減らしたことで単純計算すれば、ほとんどのクラブが赤字転落したということになります。

総合型クラブ、ジムスタ型クラブは建物賃借・維持関連の固定費が元々かかる業態である為、コスト削減にも限界があります。

そのような環境下で、さらに人件費を削るか人材育成に投資をして提供価値を高める方向に行くかは、今後の浮沈を握るカギとなるでしょう。

オンラインではなく、クラブに敢えて通うことの意味を真剣に考える必要があると思います。

本日もお読みいただきありがとうございます。


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