「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論286」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌(元々はクラブマネジメント誌としてスタート)のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~クラブマネジメント通巻第38号(2002.1.25発行)「パーソナルトレーニング」11~※名称等は当時、一部文章省略
(2)パーソナルトレーナーの採用基準、職務支援策を決める
⑤スタッフの定着化
一度スタッフを採用したら、いかに定着して貰うかということが、重要な課題になります。
というのも新しいスタッフを探して再び教育していくというのには、大変な労力とお金が掛かるからです。
適切な人を採用していれば、通常はスタッフの定着化はそれほど問題にはなりません。
私は採用する際、強くトレーナーになりたいと望む人、人を助けたいと思う人、そのことを喜びに思う人、なおかつ儲けたいと思う人を採用します。
お金に動機付けられている人でないと、完全歩合制のもとに働き続けるというのは難しいと思います。
私は健康保険や有給休暇など福利厚生面を充実させることが大事だと思っています。
なぜならアメリカのクラブ経営企業でそれをしているところがまだ少ないからです。
私は1人ひとりにフルタイムでその職に就いて、絶対に成功して欲しいと思っているのです。
目標をパーソナルトレーナーと共有することによって、チームとして何をしなければいけないかを一緒に考え、達成していこうとすることも大切なことです。
そしてもう1つ、スタッフの定着化に大切なこととして、そのスタッフが上げた成果を適切に評価するということもあります。
6ヶ月に1度の頻度で評価をしていますが、その時点で各々のパーソナルトレーナーに次はどのような目標を持っているか訊くようにしています。
多くの場合、教育的な目標を含みます。
例えば「次の6ヶ月でこういう知識を獲得する」というように。
~ここまで~
記事の中で、「人を助けたいと思う人、そのことを喜びに思う人、なおかつ儲けたいと思う人を採用します」とありますが、これはなかなか難しい条件のようにアバター近藤は思います。
米国では、自分の身は自分で守るしかないというハイリスクハイリターンの世界を一般的に受け入れる素地がある一方で、日本だと「人を助けたいと思う人」=「儲けたいと思う人」があまり繋がらない傾向にあると考えます。
前者はどちらかと言うと犠牲的な精神で競争環境自体を好まず、また後者は自分自身の利益追求心が強く、昔ながらの日本的なコーチ、指導者のような立場を好むからです。
そこはやはり単純な米国式採用・育成システムは導入できないわけであり、かつてのサッカー・オシムジャパンで語られたような日本化が欠かせないように思えます。
本日もお読みいただきありがとうございます。
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