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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論639」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第21号(2005.11.25発行)「地域密着マーケティング」3~※名称等は当時、一部文章省略

3.地域密着マーケティングに対する消極的なスタンス
地域密着マーケティングを積極的に行おうとしない経営者、あるいは経営幹部の代表的な発言としては、「本業で地域貢献している」、「取り組むべきもっと重要な課題がある」、「既に取り組み済み」などといったものがある。
こうした発言に対する編集部の見解を示したい。

(1)本業で地域貢献している
「うちは本業を通じて地域貢献している」と声高々に言う経営幹部がいるが、地域に貢献していない企業は少ない。
特に地方では、会社、商店などのほとんどが地元に深く根ざして、本業を通じて地域社会の発展に寄与しているのではないだろうか。
クラブ経営企業もまたそうした企業の1つなのだ。
クラブだけが特別な存在なのではない。
コンプライアンス(法令遵守)やアカウンタビリティ(説明責任)に配慮するのはもちろんだが、より積極的に「本業」で地域貢献していくこと、そしてその姿勢を社内外に示すことで社会からの評価をもっと高めたり、地域の生活者からの共感を得ることが求められている。
例えばヨガの単体スタジオを展開する株式会社ロハスインターナショナルは、社名に「ロハス」をうたい、「NO.1ロハスカンパニーを目指します」とのビジョンを掲げ、「大切な森を守る」ことに賛同を示し、スタジオの材木は全て環境維持に配慮して育てられたシルバーパイン(北欧パイン材)を用い、またシックハウス対策を徹底しながら地域の人々の健康づくりをサポートしている。

(2)取り組むべきもっと重要な課題がある
「地域密着マーケティングよりも重要度、もしくは緊急度の高い課題があるため、それになかなか取り組めない」という経営幹部の言葉を聞くこともある。
これはトップが地域密着マーケティングを企業にとって最重要の課題として位置付けていないことに加えて、全社的にその重要度がよく認識されていないために口にされるものと想像できる。
こういう場合は、地域密着マーケティングを実践し、確かな成果を挙げている先進クラブを数件ベンチマークするなどしてその取り組み方やメリット、効果をまとめてみるとよい。
また逆にそれに取り組まないことで発生するリスクについてもまとめてみるとよい。
そしてこうしたことをトップ自らが確認し、全社員に示すことが肝心である。
「地域密着」を戦略化すれば、今忙しく取り組んでいる「仕事」が逆に減るかもしれない。

(3)既に取り組み済み
「うちはずっと地域密着でやってきているから今更やることは何もないよ」という企業トップもいることだろう。
こういう企業は確かに相当に深い取り組みをしてきているかもしれないが、長年やっているだけにその取り組む姿勢が一方向に固まっていて、その他の取り組みが甘くなっていたり、ある部分が全く抜けていたりすることがある。
例えば、地域密着を標榜し、積極的に地域の生活者の健康増進、介護予防などに繋がる動きをしている一方で、重油や塩素、アスベスト、レジオネラ菌といった環境への対策や顧客がクラブを利用するうえでの安全対策に配慮を欠くクラブもあるのではないか。

~ここまで~

「地域密着マーケティング」について、経営トップ自らが示すことの大切さは社内を概観するとよく分かります。

当然ですが、現場は内部の会員様によりフォーカスしているため、なかなか外への活動に意識が向きづらかったり、営業推進担当のアバター近藤で言えば、どうしても販促という視点でものを見ることが多いことで、長期的な活動アイデアが湧きづらいところがあります。

そのような時に会議等で、代表の伊藤さんが「地域貢献」に関する高い視座での情報提供やアイデアを示すことにより、狭くなっていた各社員の思考をスッと飛ばすことがあるからです。

つまり、これらのテーマはトップの専権事項ではありませんが、先見事項であるように思われます。

お読みいただきありがとうございました。

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