4月27日(水):異業種の歩行へのアプローチ
最近は異業種での姿勢へのアプローチ、とりわけ歩行に対して介入しようとする動きが目立ちます。
例えば資生堂では「美しい基本動作」を探る研究を進めていて、スタートアップ企業と協業しています。
具体的には加速度などを図るスマートシューズを履き、歩く姿をスマートフォンで撮影・分析して結果をもとに資生堂の専門アドバイザーがより美しい歩行になるよう助言をする、というものです。
またミズノでは来店客に最適なシューズを提案するための観点から、歩行能力を測定するサービスを開始したといいます。
こちらは膝や足首にマーカーを付けてもらったうえで専用のカメラで撮影し、歩き方のタイプを診断して、それに応じてシューズをおすすめ流れです。
この歩行診断は現在のところ2店舗のみでの実施ですが、他店舗での展開も計画しているとのことです。
いずれにも共通するのは「デジタルの活用」と「付帯サービス」としての実施ですね。
前者のデジタル技術の活用によって測定や分析は非常に容易になったので、これまでアナログで属人的にやっていたものをサービス化しやすくなったほか、より多くの企業がそれを担えるようになっていくのは間違いないでしょう。
また後者の部分は資生堂なら中核価値である「美」と紐づけたアプローチになるし、メーカーであるミズノであればシューズや各種スポーツ用品への入口、意味づけとしての付帯サービスになっています。
前述したように多くの企業が測定・分析を担いやすくなったからこそ、それぞれの文脈のなかでそれが展開される形です。
一方でデジタルの活用によって測定・分析とパターンに基づく助言までは容易になったものの、その先で実際に改善にまで結び付けられるかどうかは別の次元であって、これはトレーナーであれば理解ができるところでしょう。
トレーナーの皆さまには釈迦に説法ですが歩き方に何らかの癖、問題が見受けられるのはそうなってしまう原因があるからで、そこを取り除かずに歩き方の指導だけをしても十分な改善と定着にはつながにくいですね。
その意味ではトレーナーが果たしていくべき領域はこうした部分にも広がっていると感じます。
ボディメイクや痛みの改善など従来からのニーズへの問題解決はもちろんですが、デジタル技術なども積極活用しながら歩き方を改善していくことだって大きな提供価値にはなりえます。
従来の枠組みだけに留まらず周縁にあるニーズにも目を向けて、それらを積極的に拾い上げながら活躍の場を広げてほしいと思っています。
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