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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論521」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第14号(2004.9.25発行)「進化するフロントオペレーション」14~※名称等は当時、一部文章省略

2.ケーススタディ(先進的フロントオペレーション)

担当者制とITを活用してCRMを実現(SSSスポーツプラザ)

また、同システムはフィットネスエリアのシステムとも連動しているため、自分の運動履歴データの参照や、各種メッセージの参照なども指1本で可能になる。

フィットネスエリアと連動した機能は運営オペレーションの中で上手く活用している。
同社では担当者制度を導入しており、見学時の館内セールスからフィットネスのスタッフが担当、入会後6ヶ月に渡って担当者となる。
この担当者がITを徹底的に駆使して自身が担当する全てのメンバーと確実に接点が持つように工夫している。
例えば、入会時の目的として「減量」を挙げていたメンバーには、1回目の利用が終わった時点で館内ネットワークのメッセージ機能を使ってその方あてに「ダイエットプログラムの準備ができています」といったメッセージを入力しておく。
するとそのメンバーは2回目のチェックインした瞬間にこのメッセージを受け取り、ジムで待つ担当者のところにわくわくしながら向かうことになる。
また、しばらく来館がないメンバーにはスタッフ向けにメッセージが残せる機能を活用し、その方がチェックインした瞬間にフロントスタッフ用のモニターに「しばらく来館されていない方なので、来館されたら〇〇まで連絡ください」と表示されるようにしておく。
同クラブでは全スタッフがインカムマイクで情報を共有できる環境を整備していることから、このメンバーがチェックインした瞬間にフロントスタッフがすぐにインカムで担当者に連絡、久しぶりに来館した方をフロントでもフィットネスエリアでも気持ちよく手厚く迎えることができるようになる。

このシステムは、プロショップの販売促進にも活かしている。
担当者がメンバーにダイエットプログラムや筋力アップのプログラムを提供する場合、必ずといっていいほど栄養面の指導も必要となる。
担当者がフィットネスエリアでトレーニングをしながら栄養のアドバイスやサプリメントの提案をした場合、その内容をインカムや館内ネットワークでフロントスタッフに伝達、フロントでプロショップの中からその方に合うサプリメントなどをセレクトして提案するなどして販売に繋げている。

~ここまで~

ITを担当者制度と連動させてフィットネスエリアにおいて有効活用させるシステムは非常に重要だと言えます。

フリー利用を前提とする多くのクラブにとって、会員様がいつ来館されるか分からない、そして来館したとして誰がフォローするのか決まっていないという状況は網で水をすくうようなもので、着実なサービス提供にはほど遠いオペレーションとなります。

そして、その元々の弱い部分をITを使って補完するという考え方こそが、利用価値の面で王道だと思います。
多くの経営層はコスト削減を主たる目的として、導入をしたがると思いますが、会員フォローをメインにシステム設計することが、パンデミック下の先進技術活用においても大切な観点だとアバター近藤は考えます。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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