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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論607」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第18号(2005.5.25発行)「クラブビジネスインターナショナル・世界の動き」3~※名称等は当時、一部文章省略

実践において
ホーランド氏の方法論は、「支持、信頼、奨励、動機を生み出す戦略」を意味する言葉の頭文字を取ってSYS-TEMと名付けられ、受け継がれている。
具体的には定例会議、ワークショップ、目標設定やチーム構築、セールス手法などのトピックでのディスカッション、及びDTGのトレーナーが常に最先端の情報をクライアントに提供できるように構築された独特のプログラム「プラットフォームチャレンジ」などが含まれる。

「プラットフォームチャレンジ」の目指すものは、フィットネスや栄養学に関するあらゆる質問に対し、DTGのトレーナーはその時点で最も妥当とされている1つの答えを共通して提供することだとホーランド氏は言う。
それは例え誰に質問されても、あるいはどのトレーナーが質問されてもだ。
「もし、あるコーチが最新の研究や自らの経験を通して、従来使っていた答えやメソッドを修正したり、破棄したり、あるいは調整したりする必要があると確信したならば、その根拠となるデータを伴ってDTGスタッフに論議を提することができます。そして既存の教義となっているプラットフォームに挑戦することができます。」
もしそこで大多数のコーチがそれに同意すれば、新しい項目がこの教義に追加されることになる。

プラットフォームは次のような5原則から成り立っている。
1.長期的な成功は、依存関係を長引かせるのではなく、自己依存を確立した時、初めて達成される。
2.モチベーションを触発するものは、変化を認知して貰うことである。
3.新陳代謝が、新しい自然な均衡状態に達するには、少なくとも1年を必要とする。
4.体脂肪率を低く維持するためには、カーディオ、ストレングス、水分摂取、栄養管理の4つを実行しなければならない。
5.「コーチングコンティナム」を受けている人は、通常のパーソナルトレーニングを受けている人よりも優れた成果を継続的に達成する。

最後の原則にある「コーチングコンティナム」とは、所謂「バディシステム」で、これはDCCが大きな収益を上げるうえで重要なものとなっている。
パーソナルトレーニングを継続的に受けているクライアントに、トレーナーは似たレベルの他のメンバーを引き合わせ、一緒にトレーニングすることを提案する。
ホーランド氏は、こうしたアレンジをすることで、メンバーの興味やモチベーションを高く保ち、相互作用や満足度を高めることができると話す。
そして両者を「次のレベル」に引き上げられることになるという。
トレーナーの満足度も高められる。
コンティナムセッションでも会員はワン・オン・ワンのトレーニングと同じ金額を支払う。
つまりトレーナーは、1セッションにつき通常6300円の売り上げのところを、12600円売り上げることができることになる。
ホーランド氏は「クライアントは違うメンバーと一緒にトレーニングすることで、以前よりも多くのことを得られます。ですから金額を割り引く必要はないと考えられます。」と言う。

DCCの原理原則である、メンバーとスタッフへの感謝と尊重は、最高のトレーナーを惹き付け、鼓舞させるものとなっている。
ホーランド氏は言う。
「我々の最大の強みは、まさにトレーナーそのものです。健康の提供者として優れた触媒ーエネルギーの変換機ーであろうとすることへのトレーナー1人ひとりの情熱と強いコミットメントが、クライアントの身体的変換を助けるのです。」

同社のビジネスモデルは、DCCの収益性や将来性も高めている。
同社は既に3店舗目の出店を決め、さらに4店舗目の出店も決めかけている。
ホーランド氏は「2020年末までに20の市場においてマーケットリーダーになりたいと考えています。」と今後の抱負を語っている。

~ここまで~

「プラットフォームチャレンジ」の仕組みは実に良くできていると思います。
この仕組みが循環することで、顧客への提供価値が常にブラッシュアップされるとともに、トレーナー自身も成長し、また新メソッドが採用されないことに対する不満も取り除くことができるからです。

この記事からは、当社も考えているトレーナーオリエンテッドの経営姿勢がとても伝わり、成功裡に運営されていたことに大いに納得します。

お読みいただきありがとうございました。

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