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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論882」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第45号(2009.11.25発行)「ファンクショナルトレーニング仕様のジム、広がる兆しーパワープレートなど専門的なマシンを使ったトレーニングに脚光」1~※名称等は当時、一部文章省略

ジム仕様が変わってきている。
顧客がトレーニングの価値を実感し、自らモチベーションを高めていけるようなジムを作ろうとする企業が増えてきている。
特徴はカウンセリングした後、ファンクショナルトレーニングを勧めるシステムをとるところにある。
パワープレートやファンクショナルトレーナーなどの専門的なマシンを設置し、個人にフィットしたパーソナルトレーニングを提案し、顧客に成果を提供している。

広がりを見せるファンクショナルトレーニング

今、日本のクラブのジムが変化し始めている。
ウェイトスタック方式のガイドレールマシンを設置し、セルフ方式でのトレーニングをサポートするジムオペレーションから、一部またはすべてのトレーニングにファンクショナルトレーニングを取り入れるジムオペレーションへと変わりつつある。
欧米では既に5年ほど前からそうした流れが顕著になっているが、日本でもようやくその流れが現れ始めてきている。

R-body project代表で全米アスレティックトレーナーのS氏によるファンクショナルトレーニングとは、「人間が行うどの動作・スポーツにも共通するファンクショナル(機能的)な動きを向上させるトレーニング」のことをいう。
それは「主に1.重力、2.共同と分離、3.キネティックチェーン、4.3面運動、5.力の吸収と力の発揮の5つが相互に関わり合いながら作用する」(同氏)と考えられている。

このファンクショナルトレーニングを効果的、効率的に行うためのマシンの1つにパワープレートがある。
前出のS氏は、「ファンクショナル動作を向上させるためのトレーニングは常に重力に耐えられる動作に注目し、エキセントリックな筋活動を実施するべきでしょう」と語っているが、重力加速度により全身の筋肉を効果的に作用させることができるパワープレート、まさにそれをするのに最も相応しいマシンといえよう。
ファンクショナルトレーニングは、当初はトレーニングやリハビリに用いられていたが、それは今、一般生活者にも広がりを見せてきている。

~ここまで~

「ファンクショナルトレーニング」という言葉が、業界内で聞かれるようになったこの時期からの数年間は、各社、ファンクショナルエリアを拡充するなど前面的に押し出した期間といえます。

パワープレートも、資金力のある大手クラブや専門ジムなどで見られるようになったものの、個人的な印象としては、その機能を上手く活かせなかったと感じております。

ファンクショナルエリアもパワープレートも導入初期は、物珍しさもあり、それなりの利用があったかもしれませんが、徐々に減っていき、何だかんだで有酸素マシンやウェイトマシンに回帰してしまったという結果です。

その大きな理由は、やはり一般生活者にとっての分かりづらさがあったのではないかということです。
この辺りは、良いものが必ず売れるとは限らないという商売共通の悩みでもあり、ユニバーサル化するためのブレークスルーが得られなかったと歴史的に現時点では評価されると思います。                                                                                                                                                                                                                 

お読みいただきありがとうございました。

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