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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論379」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第6号(2003.5.25発行)「スイミング部門の外部委託について」2~※名称等は当時、一部文章省略

読者から寄せられたフィットネスビジネスに関する経営・運営上の問題や疑問に対して、業界識者に解決のヒントを聞く本コーナー。

第2回目のテーマはスイミング部門の外部委託について。

Answer

中嶋良一氏(株式会社フィットネスマネジメント代表取締役)が、3つの選択肢を挙げ、各々を検討した上で、ご自身の考える結論を示してくれた。

まず、いくつかの解決策を検討してみます。

1)自社直営

確かに難しい問題はあります。

しかし、これを自社で解決していくのが中長期的には最も妥当と思います。

まず、総合クラブとしてしか生き残れず、そのためには何でもやってもらうしかないことをスタッフらに分かってもらうことが大事になります。

フィットネスもやりたいスタッフはいるはず。

意識変革の出来ない頭の固い者は去ってもらうしかありません。

スキルが高い主婦パートなども継続性が高く戦力化できます。

スタッフルームを1つにすることも意思疎通を図る上で大切です。

総合クラブの運営には、1つのクラブコンセプトを全員が共有し、統一的、一体的に取り組むことが不可欠です。

スイミングプログラムもますます重要になるので、苦労しても直営にし原則として全員がスイミングもフィットネスも出来るようにするのがベターと考えます。

2)外注

外注すると通常、委託料(月会費×30%程度)が歩合になるので、委託側と利害が対立する局面が出てきます。

例えば、昔なら15時から18時くらいはアイドルタイムだったが、最近は中高年のアクア系のエクササイズへのニーズが高く、幼児、学童会員を増やしたいスイミング受託側とフィットネス会員を増やしたいクラブ側の利害が対立し、レーンを奪い合うことになりかねません。

3)廃止

マーケットリサーチの結果、フィットネス会員のみで損益分岐点を超え、競合しているクラブに大人のみのクラブがないような場合にはスイミングスクールをやめる大胆な策も考えられます。

しかし、本件では1,000名の会員がおり、無視できない収益源なので廃止は得策ではないと思われます。

結論として、苦労してでも社員の意識変革を成し遂げ、直営を続けた方がクラブの運営力の向上の点からも良いと思います。

どうしても外注する場合には、上記の弊害に注意し、実績があり信頼のおける委託先にすべきでしょう。

大切なことは、顧客サービスレベルを落とすようなコストダウンはしてはいけないということです。

~ここまで~

アバター近藤も施策としては、1)自社直営を続けることが得策だと考えますが、相談者がリスクを避けたがる安全志向の持ち主であることが文面から読み取れるため、改革を実行することは難しいと思いました。

そこで、相談者に人事権があるようでしたら、行動力のある若手リーダーを部下にして改革全般を任せる、もし相談者に人事権がないということであれば、その上司が同様に若手リーダーを抜擢しつつ、その相談者には安定感が求められる職務を任せるといった組織改編を進言するでしょう。

改革を成し遂げるには、何をするかも大事ですが、誰(リーダー)がするかが一番問われると考えます。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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