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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論755」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第31号(2007.7.25発行)「世界の動き~フィットネスフランチャイズが繁栄を続ける理由」1~※名称等は当時、一部文章省略

フィットネスフランチャイズ拡大の勢いには衰える兆しが見えない。
その強みの最大の源はビジネスモデルにある。
本誌(クラブビジネスインターナショナル)では過去4年間に渡り、フィットネスフランチャイズの絶え間ない成長をレポートし続けてきた。
「アントレプレナー」誌(米国のベンチャー関連専門誌)の「2007年度版フランチャイズ企業トップ500」には実に15ものフィットネスフランチャイズがエントリーしており、業種別の数という点では、外食産業に次ぐ勢いである。
独立系リサーチ会社のフランデータ社によれば、全米のフランチャイズビジネスの成長率は、全業種平均で年率20%程度であるが、フィットネスセクターに限って言えば、過去5年間で実に144%もの成長を続けている。

衰える兆しが見えないこの勢いの源泉はどこにあるのだろうか。
「ザ・フランチャイズ・ハンドブック」編集者のマイケル・J・マクダーモット氏によれば、それはこのビジネスがベビーブーマー世代を主要なターゲットとしていることにあるという。
「ベビーブーマー世代のマーケットに対する影響力は強大です。鼠が蛇に飲み込まれると、その鼠が蛇の体内に下りていく様が外から見てもはっきりと分かりますが、この世代もある市場に取り込まれると、その市場全体にはっきりと見て取れる影響を与えるのです。ここ数年、フィットネス市場には多種多様な業態が生まれてきていますが、それはフィットネス志向の強いベビーブーマー世代の洗礼を受けた結果です」と氏は語る。
現在、ベビーブーマー世代の間では、フィットネスの重要性や効用についての理解が浸透しつつあり、それにつれてクラブへの入会率も高まる一方である。
さらに一度フィットネスの世界に足を踏み入れると、それぞれのニーズや嗜好にあった様々な選択肢が用意されているために、ますますフィットネスにのめり込んでいくのである。
こうした連鎖は、ベビーブーマー世代だけでなくキッズ、女性、シニア、トップアスリート、リハビリ患者といった各セグメントで起きており、その全ての層に対してそれをターゲットとしたフランチャイズが出現してきている。
「1980年代半ば、米国民のフィットネスクラブの利用率は2%程度でした。
現在はその数字が16%まで上昇しており、2020年には40%前後になると予想されています。そしてこの伸びの大部分がベビーブーマー世代から来ると想定されます」とエニタイムフィットネス社社長のジェフ・クリンガー氏は語る。

~ここまで~

日本発のフィットネス系フランチャイズビジネスは、これまでごく少数であり、またそれらのチェーンの広がりも限定的になっているのが現状です。

その状況と比較して、記事当時の米国フィットネスフランチャイズの活況は目を見張るものがあり、だからこそ1980年代半ばの参加率2%から20年程度で16%にまで急上昇したと言えます。

国内フィットネス参加率は、1980年代後半のバブル期には米国と遜色ない状況であった為、その後の開きには改めて愕然とするものがあります。
「2020年には40%前後に~」という発言は盛りすぎであるものの、パンデミック前に米国では約20%に到達しており、同時期に4%を超え、喜んでいた業界関係者の意識とは雲泥の差があると言えるでしょう。

お読みいただきありがとうございました。

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