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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論434」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第9号(2003.11.25発行)「定着志向のクラブづくり」3~※名称等は当時、一部文章省略

1.会員数を増やす原理と鍵

(2)会員定着の現状とその鍵

入会初月度の利用回数が、その後の定着を占う確かな指標になっているということを示したグラフがあります。

このグラフによると、4回未満しか利用していない会員は、ほぼ100%1年半以内に辞めてしまいます。

これに比べて12回以上参加している会員は1年半以内に辞める可能性がおよそ半分になっています。

つまり、このデータからは初月度に利用すればするだけ、辞めにくくなるという傾向があることが分かるわけです。

先ほどの入会金を頂くことと合わせて、この入会初月度に出来るだけ多く利用して頂くことで、定着可能性がぐんと高まるということが分かります。

つまり、入会初月度に出来るだけ利用して頂けるようなサポートを提供することが大事ということです。

さて、ここで定着率の良いクラブに比べて、そうでないクラブがどれくらい損をしているかということを検証してみるとしましょう。

皆さんも自分のクラブの数字で算出してみてください。

まず1年前の会員数に、この1年間の入会者を加えて、そこから現時点の会員数を差し引いてみて下さい。

1年間に退会された方の数が出ますね。

仮に1年間に1,000名の方がお辞めになられていたとしましょう。

月会費単価が8,000円として、もう10ヶ月長く在籍していて下さったとすると、8,000万円になります。

付帯収入比率が少なめに見て、売上高比10%のクラブであるとすると、8,888万円になります。

さらに、これらの会員の一部がクラブのサービスに大変に満足し、紹介入会が連鎖的に得られていたとすると、楽に1億円を超える収入があることになります。

コストがそれほど変わらないとするならば、定着率の悪いクラブはこの1億円を超える額を損しているということになるわけです。

さらに言えば、不満足感を抱き、お辞めになられた会員が悪い口コミをしたことにより入会しなくなった会員まで含めれば、この損はもっと大きくなります。

信じられないかもしれませんが、これが現実です。

仮に損を半分と見積もったとしても5,000万円を超えます。

これはとても大きい金額です。

退会者を出すことは、大きな損失になっているということを改めて認識して欲しいのです。

~ここまで~

当社クラブは、「習慣化」をキーコンセプトとして運営しておりますが、記事の内容は、これに関連しているのではないかと考えられます。

「初めが肝心」という使い慣れた言葉の通り、入会初期に低利用であった場合、その後、急に利用が増えることは人間心理・人間行動として考えにくいということです。

もちろん、入会初期に意気込んで利用回数が多くても、息切れして利用が減っていき退会に繋がることもあり得ますが、そこに適切なトレーナーの介入があれば、継続可能性はやはり高いということですね。

つまり、入会時オリエンテーションしか実施せず、後はほったらかしの状態であれば、記事にある悪い方のクラブになること必然ということです。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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