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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論357」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第5号(2003.3.25発行)「バブル崩壊後のクラブ業界」6~※名称等は当時、一部文章省略

大手4社の経営状況と将来計画

コナミスポーツ

業界最大手のコナミスポーツは、過去5年間成長を続けており、その強さは際立っている。

だが、そんなコナミスポーツでさえも、他の多くの企業と同様、このところは既存店の収益力が低下してきている。

2002年3月期の対前年比既存店売上高(単体)は99.7%であったが、それは2002年9月期には(対前年同期比)93.5%となっている。

ただ同社は変化対応力に優れており、一層高付加価値のサービスを提供するための下記の諸策をスピーディーに打つことで収益性の回復を図ろうとしている。

①接客技術の向上

②ブランド戦略の徹底

③年代別マーケティングの実施

④コンテンツビジネスの推進

⑤施設ネットワーク拡大のメリット追求

また、同社はこれまで通り積極的に新規出店し続けていくことでも売り上げの拡大を図っていく。

同社は2002年に策定した「中期経営方針」の中で、「重要施策」として次の4つの策を打ち出している。

①施設展開ーM&Aなどを活用して積極的に出店を行う。その上で全国77万人(2002年5月時点)という会員数を活かしたサービスを拡充していく。

②人材活用ー報酬制度や研修体制を整備・構築する

③サービス展開ーパーソナルトレーナー制度、サプリメントメンバーシップ、メディカルフィットネスを導入する

④IT活用ーIT化により会員サービスの向上と経営スピードのアップ・効率化を図る。

2003年1月コナミスポーツの親会社であるコナミは保有するコナミスポーツ株をすべてコナミスポーツライフ(コナミの100%子会社)に譲渡し、機器・施設事業とクラブ運営事業を一体化させ効率的な組織運営を行うことを目指している。

売上高業界トップの地位は暫く続きそうである。

~ここまで~

売上高の面では長らくトップの地位を続けてきた同社は、ここ20年、率直に言って業界トップ企業としての華々しい活躍は出来ていなかったと傍からは見えました。

まず、利益率が基本的に低く、赤字年度もかなりあり、効果的な事業経営が出来ていたのか評価が難しいところです。

一般的にどの業界でもトップと2位以下の業績差は大きいと言われており、2位以下が苦しくても、トップは安定した売上、利益を確保しているものですが、そうはならなかったという点で業界の不安定さをある意味、示したと言えます。

また新規サービスの面でも、親会社がニチイだったピープルという社名時代は常に革新性ある内容を初めに打ち出していた一方、コナミ傘下に入ってからはそのようなことも少なくなったように思いました。

当時、人材流出もあったとも聞いていましたので、じわじわと体制の変化が残念ながら良い方向には進まなかったものと思われます。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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