7月21日(木):人が資源になるかは見方次第
昨日はトカイナカでの人を起点にしたインバウンド事例とフィットネスクラブを紐付けた話をしましたが、本日もその続きをもう少しばかり。
インバウンドにおける一般的な観光資源は前述した歴史や文化的な有形・無形資産をはじめ、自然や特産品、食といったもので考えがちなように、フィットネスクラブにおいても従来からある商品力は立地、施設(設備)、料金のハード中心、それ以外はアイテムやプログラムのソフト要素で考えられてきました。
それはそれで今なお活かし方はありますが、いすみ市のような「人を商品にする」「人が人を呼ぶ」との考え方は、自社が標榜するところの「トレーナーが価値創造の源泉」と位置付ける考え方と重なり、人へフォーカスすることの妥当性を再確認できた気がします。
その一方で人へフォーカスをしようとすると、フィットネス業界ではそれに対してネガティブな見方をする方々がいまだに少なくないはずです。
何事にも常にメリット、デメリットの二面性があるために当然ながらデメリットの側面があることは否定しませんが、反対にそれを上回るぐらいの大きなメリットがあることもまた事実です。
デメリット、ネガティブな見方として比較的多く挙がるケースは属人的、再現性に欠ける、非効率などでしょうか。
いずれもある一面においてはそうかもしれませんが、見方を変えればそれらを裏返すこともできると思っています。
属人的ではなく標準化、再現性をもって効率的に、というのは「いつでも、どこでも、誰にでも」できるチェーンオペレーションと同義であり、最大公約数のニーズに応えることと言えますが、それは既視感でいっぱいです。
属人的で再現性がないというのは、裏を返せば「いま、ここで、その人にしかできないこと」でもあって、人との接点やそこでの経験価値、その固有性にこそ意味や価値が帯びる面もあります。
そのことを考えれば個性ある人間にフォーカスすることが必ずしもマイナスではないですね。
関連して再現性についてのポイントは「再現性を狭義の再現性で捉えるのか、広義の再現性で捉えるのか」、その違いだと思っています。
どこにもでも同じものがあって、それが同じように受けられる狭義の再現性だけを価値だと考えるなら、これは従来の域を脱しません。
でも属人的なサービスであっても、その固有性や人間的なやり取りという、より広義な枠組みで物事を捉え、仮に提供者側のスタッフが入れ替わったとしても、新しい人のもとで従来とは少し違った形になりつつも、人にフォーカスをした運営を続けるという観点で捉えれば、ここに再現性も出てきます。
その他、効率性に関しても同様に捉え方の問題だと思っていて「何に対しての効率か」でしょう。
売上や利益に対しての効率でいえば、人にフォーカスをして手間暇を掛けることは非効率かもしれません。
でも、そこにしかない価値をつくることやお客様との関係性を築いていくこと、それによって生じる充足感のようなものを大切にしようと考えれば、大変だし苦労はあるけれども決して非効率ではありませんね。
むしろ歳月を重ねていくなかでの伸びシロ、積み上げができるのもまた人がいてこその産物であって、長期の視点でみればメリットのほうが大きいだろうと感じます。
そんなこんなで私たちはトレーナーを基軸にした運営をさらに突き進めていこうと思います。
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