「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論634」
皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第20号(2005.9.25発行)「クレームから逃げるな(商業アドバイザー・小柳剛照)」2~※名称等は当時、一部文章省略
クレーム多発産業
でも、消費者自身に原因がある場合でも、メーカーに原因がある場合でも、クレームの対象とされるのはクリーニング店です。
それならクリーニング店は、それらの事態も考えての対応が必要と分かります。
顧客の持ち込んだ衣類は、顧客の目の前で、かぎ裂きの有無やしみの位置を確認する。
木綿に皮革をあしらった衣類は、縫い目をほどいて別々にクリーニングし、完了後に再び縫い直す。
そうすればクレーム発生はなく、手間暇かけたサービスが、消費者に大きな満足感を提供することができるでしょう。
そういうクリーニング店なら、料金のダンピング競争に巻き込まれることなく、顧客の心を掴むことができるのです。
クレームは宝の山
「クリーンサワ」(和歌山市)は「クレームは宝の山」と考え、クレームと向き合うことで、顧客満足レベルを向上させてきました。
クリーニングは普通、近くの店を利用するもの。
でもこの店は、遠方の顧客も多いのです。
この地から引っ越ししても、洗濯物を宅配便で依頼する顧客も少なくありません。
この事実が、クリーニングの実力とサービスレベルを、如実に物語っています。
クレームに徹底的に対処し、クレームの元を取り除くこと。
そしてその先に、他社にはない高品質を創造すること。
それにより、値引きをせず、他社より高い料金でも、支持されるクリーニング店になったのでした。
お気に入りの一着を安心して任せられる店なら、顧客にとって料金差は問題でないのです。
さて、ドライクリーニングの弱点は、衣類から落ちた汚れが、洗浄中にまた衣類に付着する「再汚染」。
洗濯の宿命と思われていた、この課題に対して、クリーンサワは「グリーンドライ」という方法を開発しました。
洗浄液の流れを一方通行にすることで、衣類の汚れをきれいに落とし、洗浄時間が短縮され、しかも排水が外部に一滴も出さないという画期的なアイデアです。
クレームに正面から向き合ってきたからこそ、クレームの元を断ち切る。
クリーニングの革命とも呼べる方法が生まれたのでしょう。
~ここまで~
当社運営クラブは、トレーナーと顧客との距離が近く、関係性が深いことで、一般的なクラブと比較してクレームは非常に少ない状況です。
ただその分、個別対応が必要であり、どちらかと言うと本質的なトレーニング指導面において常に課題が発生し、正面から向き合う必要があると言えます。
もちろん、そのような課題はトレーナー冥利に尽きますので、精神衛生上の悪影響は少ないですが、応えていくことのキツさは変わらないとも言えます。
その意味で記事のように、逃げずに向き合う姿勢というのがやはり大事になってくるでしょう。
お読みいただきありがとうございました。
宜しければサポートお願い致します!