見出し画像

「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論580」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第17号(2005.3.25発行)「米国メディカルフィットネス事情(ドクターが教える、ドクターと組む方法)」1~※名称等は当時、一部文章省略

クリニックにはクラブに通っていない86%の生活者も訪れる。
そこでのドクターの一言は生活者に大きな影響を与える。
クラブは、多くの人々が運動を始め、持続する上で大きな力を持つドクターの力を借りない手はない。
ハーバードメディカルスクールのエドワード・M・フィリップス博士が、クラブがどのようにすればドクターと組めるのか、その秘訣を伝授する。

現在、アメリカは「運動が不足しがちなライフスタイル」と「体重過多」という2つの問題に直面している。
その解決のために、クラブオーナーは自分1人で戦う必要はない。
クラブはメディカルコミュニティ、とりわけドクターと手を組むべきである。
こうした提携関係は、様々なベネフィットをもたらすはずだ。
クラブオーナーにとっては、肥満や生活習慣病を抱える人に、アクセスできるチャンスが増えることになる。
また、ドクターにとってもどのような運動を患者に指導すればいいかについて理解が深まるようになる。
このような協力体制は非常に効果が高く、かつ有望である。
しかし残念なことに現実ではこうした提携関係はまだ非常に少ない。
私はドクターとして、他のドクターらがクラブと業務提携することに二の足を踏んでいることも知っている。
しかし、クラブオーナーはドクターがその一歩を踏み出してくるのを待っている必要はない。
積極的に協力体制が取れるよう働きかけ、相乗効果を追求すべきである。

患者と対峙する

理想を言えば、全てのドクターはそれぞれの患者に対して定期的な運動プログラムに参加することを奨励すべきである。
少なくとも、運動が不足しているライフスタイルの危険性について、もっと患者に話すべきである。
そうでなければ、ドクターらは運動不足でいることの危険性を暗黙のうちに了承していると解釈されても仕方がない。
例えば、1日に2箱の煙草を吸う愛煙家に対して禁煙するよう明確にアドバイスしなければ、その患者は「ドクターは煙草を止めるように言わなかった」と言って吸い続けるだろう。
運動に関しても同じである。

そうだとしても実際にはドクターらは患者に対して運動に関するカウンセリングをすることをためらう傾向にある。
その理由として考えられるのは、①トレーニングに関する知識や資料、経験を持ち合わせておらず、患者にカウンセリングをするには準備不足だと感じていること、②自分自身のフィットネスレベルが低く、それを改善する時間も持てていないこと、③カウンセリングをしてもあまりお金にならないこと、④カウンセリングに対する努力は結局、非生産的なものでしかないという先入観、などがある。
要するにドクターらは、自分が患者に運動するよう促しても、それが有効であるとは思えないのである。

しかし、ある研究はその考えが事実と反していることを指摘する。
ロードアイランド州ブラウン大学の精神医学と人間行動学の教授であるビー・H・マーカス博士の研究によると、ドクターが患者に対して運動をするよう、ほんの少しでもアドバイスすれば、確実な効果を患者に生み出すことができると断言している。
ドクターの言葉は即座に患者に身体的活動の改善を促すことができるのである。

■アクションプラン
・地域で患者に運動を勧めることに理解がある「チャンピオン」ドクターを探す
・フィットネスの価値を認識してくれているドクターをスポンサーして、地元のドクター向けセミナーを開催し、患者に対する運動の効用や運動処方についてレクチャーして貰う
・上記のようなレクチャーを地元の病院の総会や、あるいはクラブのレストランで夕食会を催すなどして多くのドクターに参加して貰えるようアレンジする
・患者がクリニックの待合室で読めるような運動の効能を分かりやすく記したパンフレットやチラシを準備してドクターに提供する

~ここまで~

日本国内においても、ドクターとフィットネスの提携関係は現在まで、非常に限られているのが実際のところだと思います。

大型総合クラブを経営する企業にいた際、隣接する大きな病院との連携を模索した時期もありましたが、結局は双方の熱意がそこまで伴わず、頓挫した経験があります。

昨年12月に大和店が新設移転した時も、同じビルに歯科医院が入っていたので、挨拶も兼ねて優待券をお渡ししたところ、あまり関心を持っているようには見えませんでした。

日本では、欧米と比較して医療と運動が明確に分化されている印象があり、クラブの近くにチャンピオンドクターはいればなあと叶わぬ期待を思わずしてしまいます。

お読みいただきありがとうございました。

※株式会社フィットネスビズは現在、社員募集中です。詳細はコチラ↓ 

宜しければサポートお願い致します!