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10月24日(月):コロナのパンデミックから認知症パンデミックへ

昨日は香川県の調査で小学4年生と中学1年生の1割が脂質異常だったことや、体脂肪と内臓脂肪の体積量がそれぞれ独立して認知機能低下への危険因子であることに触れました。

そしてコロナ禍では多くの人が活動量の低下を招いて体重増加の傾向にあるから、誰もが運動をしたほうが良い時代になった旨を記したと思います。

こうした体重増加とは別にコロナ禍でのひとつの問題として最近になってクローズアップされてきたのが「脳」です。

コロナ禍と認知症との関連で言えば、人との関与が少なくなることで認知機能が低下する点はこれまでも様々なところで指摘をされています。

実際に此度のコロナ禍においても過度な自粛による健康二次被害として報告された事例が幾つもありました。

認知症疾患医療センター長の方が著者である書籍「認知症パンデミック」では、現場で生じている事実をもとにコロナによって認知症が進んでしまう状況への警鐘を鳴らしています。

分かりやすい例でいうと軽度認知症(MCI)から認知症への移行について、書籍内では具体的な数字でそれが示されていました。

通常、MCIから認知症への平均的な進行率は1年で15%とされています。

そうしたなか、著者の認知症疾患医療センターではコロナ以前の2017〜2019年までの2年間は進行率が平均以下の7.9%だったそうです。

それに対してコロナが絡んでくる2019〜2020年になると、その進行率が一気に22.9%まで跳ね上がっています。

さらに2020〜2021年における進行率は29.6%にまで上昇しています。

コロナ以前の進行率である7.9%と直近の29.6%を比較すれば、ゆうに3倍以上に膨れ上がっていることから、その違いは歴然です。

著者の認知症疾患医療センターでは、もともとMCIから認知症への進行率が平均の半分程度に低かった前提があり、そうしたサポートや患者の方でもこれだけの変化だったわけです。

もともとが平均的な進行率の施設をはじめ、さらにはMCIであることすら自覚・認識できておらず十分なケアがなされていない人であるならば、その進行率はもっと大きなものになってしまっている懸念があります。

それだけにこうした数字を見ると現在進行形で認知症が広がっている状況は理解ができるはずです。

適度な運動・栄養・休養、そして人との接点など、年齢を重ねた方々ほど健康習慣を大事にしてほしいと思います。


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