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肩こりラボ×Fit Boxingコラム「パソコン作業で気をつけること」

日常生活を送る上で、ちょっとした体の不調を感じる方も多いと思います。
この解消のために「Fit Boxing」シリーズをお使いいただいているという声をよくいただきます。

そこで、「ストレッチ動画」「機能解剖学に基づいた体の使い方動画」でもお世話になっている『肩こりラボ』の鴻崎先生に、

体に負荷をかけない生活を送るためには?

をシーン別でコラム形式で教えていただきました。

これから数回に渡り更新いたしますので、「Fit Boxing」シリーズのプレイと併せて、是非お役立てください。

第1回目は「パソコン作業で気をつけること」です。

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パソコン作業で気をつけること

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こんにちは、肩こりラボの鴻崎国臣です。

今回は「パソコン作業で気をつけること」をお伝えいたします。
これから在宅ワーク用にデスクや椅子の購入を検討されている方にも読んでいただきたい内容となっております。
会社でのデスクワークはもちろん、在宅ワークのお役にたてますと幸いです。

まず、パソコン作業で気をつけることは大きく3点です。

①机と椅子の高さ
②姿勢
③ディスプレイ、キーボードの置き方

一つずつ解説していきますね。

①机と椅子の高さについて

【人間工学に基づいた机と椅子を決める上でのPoint】
適切な椅子の高さ
・まずは足裏全体が床に接地していることです。
深く座り、骨盤を立てた状態できちんと足裏全体が床に着いているかどうかを確認しましょう。接地が困難な場合は、足元に足置き台などの高さの出るものを入れてみてください。
適切な机の高さ
・座った時に、机に手を置いた肘の角度が約90°になる高さです。

机と椅子はデスクワークにおいて欠かせないものです。この2つのうち、ひとつでも体に適していなかったり、アンバランスな状態ですと、体に負担がかかってしまいます。「デスクワーク中の姿勢に気を付けましょう」というアドバイスを受けることは多々あるかと思います。しかし姿勢云々以前に、作業を行う机と椅子が適切な状態となっているかどうかというのは非常に重要です。いくら正しい姿勢をとっていても、机や椅子が適していなければ、負担は大きくなってしまいます。

体を椅子や机に合わせるのではなく、体に合わせて、椅子や机を適切な状態に調整することが大切ですね。高さ調節が可能な椅子にするだけでなく、少し割高ではありますが、最近は昇降式の机もありますので選択肢のひとつに加えてみても良いかもしれません。

②姿勢について

【機能解剖学に基づいたデスクワークに適した座位姿勢のPoint】
重心の位置
・重心は思ったよりも、やや前にすると良いです。椅子にしっかりと深く座り、太もものつけ根あたりに体重をのせます。その際、頑張って骨盤を立てるようにするのではなく、太ももに乗る意識で座り、結果的に骨盤が立つ状態になるのが理想的です。重心がお尻になる「仙骨座り」や「坐骨座り」ではなく、重心が太ももになる「太もも座り」としましょう。

上半身の意識
・胸を斜め上前方に出します。背中の筋肉(背中部分の脊柱起立筋や多裂筋)を使い、背中を伸ばすイメージです。過度に胸を張ろうとすると、肩すぼめの状態になり、かえって僧帽筋を緊張させてしまいます。また、骨盤を過度に前傾させると、腰痛につながってしまうので、あくまでも背中をつかって、胸を前に出すことを意識するようにしてください。

猫背で丸まっている状態(仙骨座り)や、骨盤を無理に立てて力ませながら背すじをピンと伸ばしている状態(坐骨座り)は、負担が大きくなります。特に解剖学上負担のかかりやすい首肩や腰には負担が集中しやすいです。不良姿勢で作業を行うことにより、首・肩・腰の筋肉の過緊張につながり、こりや痛みの原因となってしまいます。
姿勢は、猫背のようにダラっと丸まっている状態だけではなく、たとえ真っ直ぐだとしても過度に力ませながら維持している状態は、デスクワークをする姿勢として適切ではありません。丸まっていないということは重要なのですが、それに加えて、重心がどこにあるか、そして体をどこの筋肉で支えているかという点が大切なのです。

正しい姿勢は、体幹の筋肉で体を支える姿勢です。ですので、どんなに正しい姿勢を意識しても、作業が長時間になれば疲労します。また、今までと違った体の使い方をするのは、簡単ではありませんので、はじめは皆うまくいかないものです。そのためサポートグッズを用いるのもよいでしょう。太もも座りをするサポートとして、クッションを太ももの上に置き、机とお腹で挟み込み、少し体重を預けるようにすると姿勢の補助になります。
※腰痛の方は、反り腰になりすぎないように注意をしながら実施し、無理のないようにしてください。

③ディスプレイ、キーボードの置き方について

【首や肩への負担を減らすパソコン操作のPoint】
デスクトップの場合
・ディスプレイを調整し、最適な高さに合わせます。ディスプレイは上端が目の高さと同じ、もしくはやや下となるようにすると良いでしょう。ディスプレイの高さ調整ができない場合は、下に何かを入れて高さを調整するようにしてください。
・キーボードの位置を最適な場所にする。キーボードは、遠すぎても、近すぎても負担となってしまいます。肘や腕を机に乗せるスペースを確保しつつ、やや自分に近づけるようにしましょう。(肘置きをがあれば、活用しましょう)

ノートパソコンの場合
・ノートパソコンも、基本はデスクトップと同じです。原則、デスクトップと同じ環境にするのが理想ですが、難しい場合は、極力それに近づけるようにします。外付けのキーボードを用い、ノートパソコン自体を台の上に載せ、ディスプレイの高さをデスクトップの時と同様の位置にし、下を向かないようにしましょう
・ノートパソコンを外部ディスプレイにつなぎ、デスクトップパソコンと同様の状態にしましょう。
・外付けキーボードや外部ディスプレイの使用が難しい場合は、ノートパソコンの下に物を入れて、パソコン自体に傾斜をつけて画面の高さを上げるようにしましょう。


ディスプレイやキーボードの位置でも首肩や腰の負担が変わります。上述した②の姿勢を意識したまま調整をしてくださいませ。
ノートパソコンは構造上、俯き姿勢になりやすく、首や肩への負担も大きくなります。
ノートパソコンを用いる方は、グッズを効果的に利用して、少しでも体の負担を軽減させるように努めていただきたいと思います。

-まとめ-


①机と椅子の高さ
☑︎足が床についた状態で、椅子と机の高さは肘が概ね90°になるように調整する。
☑︎足が浮いてしまう場合は足置き台を使用する。

②姿勢
☑︎重心は太もものつけ根、胸をすこし前に出した状態(反り腰に注意)
☑︎クッションを太ももに置き、机とお腹で挟むとサポートになる

③ディスプレイ、キーボードの置き方
☑︎ディスプレイ上端は目と同じ高さ
☑︎キーボードは体にやや近めの位置に置く(肘は90°以上)
☑︎ノートパソコンの場合は傾斜をつける、外付けのキーボードを使う、モニターに接続する


実際に試してみると、簡単に出来ることもあります。今回ご紹介した内容全てやらなくても、無理なくできることからはじめていただけたらと思います。

デスク環境の見直し、まずは出来るところから変えてみてくださいね。

参考文献
コンパクト建築設計資料集成/インテリア:日本建築学会
プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論/運動器系 第3版:医学書院


■Fit Boxingの基本姿勢をマスターし体幹を強化!
【Fit Boxing 公式:基本姿勢】痛みの予防と改善、肩こり解消、正しい体の使い方を体得。フィットボクシングの動き方を機能解剖学を基に解説


■肩こりラボとは
肩こりを専門的に扱う鍼灸マッサージ治療院。「通ってもらうためではなく、治っていただくための治療院」をモットーに、肩こりや首こりだけでなく、腰痛や膝痛・スポーツ選手のコンディショニングも行う。カスタムメイド医療の理念のもと、カウンセリングに重きを置き、患者との対話を大切にする。「肩こりに悩まされない体づくり」を追求し、個々の具合や要望を踏まえ、鍼マッサージと運動療法を組み合わせた施術を行う。根本的な改善を求めて、日本全国から患者が来院し、多数の卒業者を送り出している。
https://movementjourneys.com/

・肩こりラボYouTubeチャンネル
https://youtube.com/channel/UC4RWL8zmSaiFz_qe8j-oc-w
■鴻崎国臣先生プロフィール
自身が小学生の頃から肩こり首こりに伴う頭痛に悩まされてきたことから、「まずは自分を良くする!」と強く思い、国家資格を取得。
治療は三次元での解剖学を元に、コリに対してIDマッサージと3D鍼にて的確にアプローチ。運動療法にて負担のかかりにくい身体に変えることを治療で行っている。
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