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健康な歯が支える、あなたの筋力、健康、そして自立した人生


皆さんは、歯の健康が全身の健康に深く関わっていることをご存知でしょうか?

島根大学の研究チームが2021年に発表した研究では、歯の状態が高齢者の筋力低下(サルコペニア)や糖尿病の発症と密接に関連していることが明らかになりました。特に、残存歯数が少なく咀嚼(そしゃく)能力が低下している人では、握力の低下や糖尿病のリスクが有意に高まることが分かったのです。

さらに注目すべき研究が、藤田保健衛生大学のリハビリテーション医学講座から報告されています。この研究では、リハビリテーション病院に入院している高齢者の実に97.4%が歯科治療を必要としており、口腔の健康状態が日常生活動作(ADL)に大きな影響を与えていることが明らかになりました。

特に重要な発見は、歯の状態が改善されることで、以下のような効果が確認されたことです:
・食事の自立度の向上
・口腔内の清潔状態の改善
・嚥下(えんげ)機能の向上
・コミュニケーション能力の改善
・全体的な日常生活動作(ADL)の改善

また、歯周病による炎症は、インスリンの感受性を低下させ、糖尿病の発症リスクを高めることも指摘されています。さらに、歯を失うことで柔らかい食べ物や糖分の多い食事に偏りがちになり、これが血糖値の急激な上昇を引き起こす可能性があります。

実は、口腔の健康は心臓病のリスクとも関連していることが研究で明らかになっています。さらに、「口腔の虚弱性」(残存歯数、咀嚼能力、摂食・嚥下の困難さを含む)は、身体の虚弱化や障害、さらには死亡リスクの予測因子となることも判明しています。

では、どうすれば健康な歯を保てるのでしょうか?アメリカ歯科医師会(ADA)は以下の対策を推奨しています:
・1日2回の丁寧な歯磨き(柔らかい毛の歯ブラシを使用)
・フッ素入り歯磨き粉の使用
・毎日の歯間フロス清掃
・定期的な歯科検診(6ヶ月に1回)
・糖分や澱粉の多い食品の制限
・水分補給は水や無糖のお茶を選ぶ

特に高齢者の方々は、歯の健康に気を配ることが重要です。歯科治療を受けることで、咀嚼機能や口腔内の衛生状態が改善され、それが食事の質の向上、栄養状態の改善、さらには全身の健康維持につながっていきます。

島根大学の矢野昌丸医師は「ゆっくり食事をし、食後の歯磨きを心がけることで、口腔の健康を通じて全身の健康を維持できる」と強調しています。また、藤田保健衛生大学の研究チームは、口腔ケアが単なる歯の健康だけでなく、リハビリテーションの効果を高め、生活の質(QOL)の向上にも貢献することを示しています。

私たちの健康な生活と自立した毎日は、実は歯の健康から始まっているのです。今日から、あなたも歯の健康により一層の注意を払ってみませんか?

#いい歯のために

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