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#重陽(菊慈童・枕慈童)

陰陽の世界では偶数が陰、奇数が陽とされ
奇数で最大の数字、9が重なる9月9日は重陽と呼ばれます
長寿のお祝いなどあるし
ちなんだお菓子もあります

1月1日
3月3日
5月5日
7月7日
なんか行事ありますもんね。

京都祇園祭の山鉾には「菊水鉾」というのがあり
ちなむお菓子もあると
昨日、お稽古のお菓子に「したたり」を用意して
お茶の先生が教えてくださいました

・むかし、中国の王が、釈尊から授かったお経を枕の中に納めて大切にしていた
・王は「慈童」という名の童子をいたく寵愛していた
・あるとき彼が誤ってその枕をまたいだ
・群臣が集まって協議した結果、死罪一等を減じて遠流に処すこととなった
・そこは鳥も鳴かず、虎や狼がたくさんいる高山
・ふびんにおもった王は、かの経の一部をひそかに慈童に与えた
・毎日唱えるよう言われたがもしや忘れてはならない
・経文を菊の下葉に書きつけて、その露を飲んでいた
慈童はいつしか仙人と化し、800年経ても美しい童子のままで年月を過ごしていた

この話を初めて聞いたのは
9月のお茶のお稽古で「着せ綿」というお菓子を先生から
いただいた時です
菊の朝露で体を清めると長生きする、ということから
露を吸う綿が、菊の花にのったさまを現したお菓子です
前述の「したたり」は、菊の露のことです。

いまなら
慈童の、菊のようなけがれのなさ
かわいい慈童を手放すことの王のかなしさ
慈童のこれからを憂いて、できるかぎりの手を尽くそうとする
王の気持ちが痛いほど伝わります

「菊慈童」「枕慈童」として、能楽にあり
原典は太平記にあるそうです
「菊の契り」は男性の同性愛のことを意味しています

「両性具有の美」は、
男色考の本です
自然に発生した同性愛を
両性具有の思想にまで高めるか
ただ一過性の経験に終わるのか
あれこれを書いてあって
男性の同性愛が太古からあったし
普通のことでしたよ~
でも、受け入れがたい方もいて
まあ、いろいろあるのよね~~~
と、なんだかほがらかなおおらかな雰囲気に見えます

白洲正子さんのことは
この本がきっかけで初めて知ったような次第なのですが
この本、すごくおもしろいです。
私はとても好きです。

ほんとうに信頼する人と
心がつながっていることを実感するなら
体がつながるのは至極当然のように思います
そういった関係性を男女じゃないと、とか
凸凹じゃないと、とか
決めつける方がおかしいと思う

太古にはもっと
自由な信頼の形があったのです
いまは不自由極まりないですね。

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