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【DAY2(10/22)速報】 『三陸水産イノベーションサミット』2日目

水産イノベ/DAY2

本日は、オンライン・オフラインのハイブリッドでの開催となるため、初日と同じ緊張感を保ったまま2日目が始まりました!

〈第1部〉
トークセッション③「水産業×DX」

本日のトップバッターは、水産業のDX化によって革新的な方法で水産業を盛り上げているITベンチャー企業の、アンデックス(株)代表取締役 三嶋順氏、(株)ライトハウス代表取締役 新藤克貴氏が登壇されました。
アンデックス(株)は、宮城県にある松島湾周辺海域で牡蠣と海苔の養殖を対象に、「ICTブイ」という水温や塩分濃度などのデータを測定できる特殊なブイを用いたサービスを展開しています。
一方、福岡県福岡市に会社を置く(株)ライトハウスは、まき網漁などのチームで漁を行う方々をターゲットに、「ISANA」という船団内で漁労機器のデータをリアルタイムに共有できるサービスを展開しています。

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まず最初にこのトークセッションを通して大きく感じたことは、対照的な点が多かったお二人だったのですが、事業に対する強い想いという点に関しては共通点が多く、意気投合されているのが印象的でした。
求められる技術は?という質問に対して「熱い気持ちと熱い仲間があれば大丈夫!」と文字通り熱く話す三嶋氏と、「水産業は特に予想外のことが多く起きるから、お客様からの声を聞きながら改善していく姿勢が大切。」と終始冷静に話す新藤氏の姿がとても対照的に見えました。

ただ、お二人とも現場にある様々な課題を解決するために、漁師さんに寄り添ってどこをどう改善して欲しいのか?ということを日々ヒアリングしサービスをブラッシュアップしている、そして将来水産業がどうなっていくべきかという議論でも意見が重なる点が多くありました。
新しいサービスを導入する際、ITという言葉を聞いて拒絶されてしまうこともあると思いますが、それでもこの課題を解決したい!という強い気持ちを持っているお二人。今後、どのような革新的なサービスを作って水産業を盛り上げいくのかとても楽しみです。


トークセッション④「BtoCへの変換で見えてきた課題と希望」

震災から立ち上がり、事業形態をBtoBからBtoCへ大きく変換したことで数多くのヒット商品を生み出している、末永海産(株)代表取締役 末永寛太氏、(株)斉吉商店 専務取締役 斉藤和枝氏が登壇されました。
末永海産(株)は、宮城県石巻市で獲れた牡蠣や帆立、ホヤなどの加工食品を販売しています。そして去年、(第59回)農林水産祭の水産部門において”漁師の潮煮3種セット”が「内閣総理大臣賞」を受賞しました。
気仙沼にある(株)斉吉商店は、”金のさんま”が人気で、全国からお取り寄せをするファンの方が多くいます。また、「鼎・斉吉(かなえ・さいきち)」という気仙沼で獲れた魚を食べられる店舗も構えています。
末永海産(株)は震災後から大きく舵を切って小売業をスタートさせ、(株)斉吉商店は震災前から卸売をやめて独自商品の開発を行っていました。

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興味深く感じたのは、BtoCへ変換するきっかけがどちらも『従業員を守るため』という理由だったことです。
末永氏は、「震災前は量販店向けの出荷をメインに行っていたが、それだと良いものを良いうちに出荷する作業が大半だったため、休みもなく原料状況に左右される経営だった。」と話します。従業員の方への負担がかなり大きく、先代の時にその状況を改善したかったが出来ませんでした。
「モノを作っている人たちが幸せであったり誇りを持っていないと、商品に愛情が無いと、買う人に商品を通して伝わってしまう。」末永氏はこのような想いが強くあったため、震災をきっかけにもう売上が戻らなくても、以前の会社から事業形態を変えました。
同じように(株)斉吉商店も、従業員の負担を考え形態を変えて、そして震災後は全面的に小売でやっていくと意気込んで再スタートを切ったのです。

ただ、それからのストーリーにおいて両社で大きな違いがありました。
末永氏は「あまり売れなかった時期は無かった。」と言うほど、最初の段階から比較的順調だったそうです。
一方で斎藤氏は、「最初は全然売れなかった。物産展に出店しても、他のお店の3分の1も売れなかった。」と話し、続けて「でもこのような経験があるから、私たちはそもそも商品は簡単に売れない。」という考えが根底にあり続けているそうです。
また、「何回も打席に立つ。下手でも良いから、お客様に届けることを意識してきた。」と話し、悔しい経験を経てこのような想いを持っているからこそ、それから数多くのヒット商品を生み出し、ファンの方々を虜にしているのだと感じました。

InstagramのURL
末永海産(株):https://www.instagram.com/hitakamino_kuni/?hl=ja
(株)斉吉商店:https://www.instagram.com/saikichi_syouten/


〈第2部〉副業兼業マッチング「ギョソモン!」・成果報告②

(株)おのざき4代目取締役 小野崎雄一氏、副業兼業者の神谷哲治氏、石川舞氏が登壇されました。
自社にもともとあるホームページをブラッシュアップしてもらいたい、という小野崎氏の要望のもと、神谷氏と石川氏を含めた5人のチームで動いているそうです。
神谷氏は「5人という人数を聞いて驚いた。関係構築に時間がかかって大変そうだと思ったが、蓋を開けてみるとそんなことはなかった。」と、実際はチームメンバーの方々と役割分担をして順調に進んでいると話してくれました。
副業兼業を取り入れるか考えている会社に対して小野崎氏は「自社にない知見やノウハウを持っている人が来てくれるので、やらないのはもったいない。しかも、普通ならもっと金額がかかるところを、ギョソモン!では魚払いのため経済的にありがたい。」と、会社側の視点からリアルなご意見をいただきました。

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〈第3部〉水産業特化型インターン・成果報告②

盛信冷凍庫(株)取締役営業部長 臼井俊文氏、インターン生の西崎真弘さん、菊池由夏さんが登壇されました。
インターン生を受け入れたことでどんな変化があったのか?という質問に対して、臼井さんは「社員のみんなはわすが1ヶ月で作った成果物に対して驚いていたし、若手社員への良い刺激となった。」と話し、このインターンが従業員の方々のモチベーションアップにも繋がっていました。

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就活に漠然と不安を持っていた菊池さんは「このインターンを通して純粋にやりたいことを突き詰めた方が、結果的に近道なんじゃないかと考え方が変わった。」と前向きに視野が広がったと話してくれました。
そして大学で水産業について学んでいる西崎さんは「座学では分からなかったことを多く学ぶことができ、モチベーションが上がった。」とこの水産業特化型インターンによって、将来の水産業を担うフィッシャーマンの後押しをすることができたのだと感じました。


明日でとうとう三陸水産イノベーションサミットも最終日となります。
引き続き明日も、ここでしか聞けない貴重なお話をたくさん聞くことができますし、
アーカイブもありますのでぜひチェックしてみてください!!

『三陸水産イノベーションサミット』
10/21(木)・10/22(金)・10/23(土) 18:05〜21:05
視聴申し込みURL:
https://forms.gle/zemPDwewS6QAHpj26


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