★パフェ語り★ ストーリーのあるスイーツ。デニーズ社員さん優秀過ぎ。

最近、デニーズのパフェにはまっています。この2020年秋の「シャインマスカット」のパフェは、本当に極上でした。

パフェって、上から下に結構長い時間をかけて食べていくという、「時系列」がある珍しいデザートですよね。

ある意味、ストーリーがあります。

それも、のぺっとした一本道なストーリーではなく、途中で隣り合う具材と一緒に食べたり、或いは敢えて偏って掘り進めたりと、ある程度の自由度もあるという楽しさもあるように思います。

今年の秋の「シャインマスカットパフェ」は、そのストーリーがとても秀逸でした。

まず、最上層にある大量のマスカットと生クリームでゴージャスな気分を味わった後、第二層（生クリームの山の下層）でバニラアイス、マスカルポーネクリーム、そしてマスカットのクリームをすくいながら、マスカットといっしょに食べ遊びます。

そのさらに下には、薄味のマスカット風味のジュレの層がありますが、これが薄味でちょっと物足りない……。のですが、そのジュレは上層の多種類のアイスやクリームと合わせて楽しむことが想定されてるんですよね。

それで「なるほど」と思いながら、クリームでちょっと重くなった舌の甘ったるさを、軽くてさっぱりして甘さのジュレで洗い落としつつ、上層との繋がりをキープしつつ楽しみます。

そして、そんな感じでジュレの味わい方に集中してると……スプーンがコツコツと何かにあたります。

なんだこれ？

と、思った瞬間に、その固いと思っていた「何か」はもろくも「パリ！」と割れ、その下の空洞にスプーンが貫通していきます。

ホワイトチョコレートの円盤がはまってたんですね。嬉しい驚きです。

この、ホワイトチョコと、この上に乗っていた冷たいジュレやクリームを合わせて食べるのがまた何とも美味しい……！

口の中も低温なおかげで、チョコの油脂が口の中ですぐに溶けずなくならない。 この不思議な感覚が楽しいです。これには一本とられました。

そしてこの空洞には、またシャインマスカットが入っており、最上層からの再開にまた嬉しい驚きが。このサッパリな甘さで、口が少しリフレッシュです。「へーっ」って感じです。

……ほんとにもう憎らしい。 完璧なストーリー仕立ての演出です。

そしてさらにその下にはもう一枚ホワイトチョコ円盤がはまっており、その下は最下層。またジュレとバニラアイスが詰まっています。

今度はもう心得たもので、このホワイトチョコと冷たいバニラで濃厚な甘さと舌ざわりを味わってフィニッシュです。

甘さの種類や密度でうまく緩急をつけつつ、途中で何度かビックリまで入れてくれて、見事な流れを堪能できました。

このシャインマスカットパフェ、材料やレシピもさることながら、この盛り付けの組み立てを考えた人にこそ最大の賛辞を贈りたいですね。天才だと思います。（期間中に5回も食べてしまいました）

それで、11月現在。ゴディバのパフェをやっているわけですが……。 なんかこう、盛り付けに芸が無くて残念に思いました。

チョコの美味しさをいろんな角度で味わわせてくれているのはわかるし、個々は美味しいのですが、色々あるだけで、緩急やビックリ、ていうかストーリーが希薄に感じます。

ただただ甘い。

あと、このバナナのあしらいはどうかなと思いました。バナナって、これが入ったらもう「チョコバナナパフェ」になっちゃうくらいの存在感がありますよね。

でも切る厚さを、今の半分の薄さにしたら、チョコのインパクトが勝ってまた変わってたようにも思います。そういうバナナチョコパフェを食べたことがありますが、そうすることでバナナがチョコアイスやクリームと絡み、バナナの(良い意味での）青臭さがだいぶ軽減されてたような。

中層の、シャリシャリしたチョコシリアルの部分は、上から流れ込んだチョコクリームと一緒に食べることで、美味しくも楽しかったです。ここは大評価な部分でした。

でも、そこからは何の起伏も無く食べ進んで、盛り上がり無く終了…。

最後にいつもデニーズで使ってるチェリーでも入れておいてくれればよかったのに。食べ進みに際しての起承転結が無い。なんとも残念です。

……というわけで、シャインマスカットパフェが良過ぎたせいでもありますが、2020年冬のゴディバのパフェは、ずいぶんとがっかりでした。

有名なパティシエ監修らしいですが、少なくとも盛り付けについてはシャインマスカットパフェ作ったデニーズの社員さんに大敗退だと思います。

とはいえ、いつも季節ごとに色々なパフェを出してくれているデニーズさんは大好きなカフェレストランです！  また食べに行かせてもらいます。

次の季節パフェはまた、デニーズオリジナルのが食べたいな。