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【調査】今年最後は和歌山へ

私が研究対象としている単生類は魚類の体表や鰓に寄生しています。そのため、調査の第一歩は魚を取りに行くことから始めます。魚を取る方法ですが、釣りと購入の2つが主流です。どちらの方法も利点と欠点があります。購入は、確実に魚が一定数入手できますが、食用の魚しか手に入れられません。一方、釣りは食用以外の魚も手に入れることができますが、釣れない時もあります。今日は、購入という方法で検査魚類を採集してきたので紹介します。寄生虫に興味がなくても、魚に興味を持ってもらえればと思います。

浜のうたせ


浜のうたせ』というのは、有田箕島漁業協直営のマーケットになります。https://hamano-utase.com/
漁協直営なので、魚が安く手に入ります。カツオタチウオマダイなど季節によって異なりますが、旬の魚がそろっています。今日は、魚以外にもイカがたくさんありました。他にも、みかん梅干し野菜などの地元の食材がとても安く売られています。いつも、知り合いの京都大学の学生と一緒に行くのですが、私が検査する魚の精算をしている間に、野菜や果物を購入しています。
食堂もあって、そこでは海鮮料理も食べられるようです。同行する学生といつか行こうと言っているのですが、その機会はまだ先のようです。

浜のうたせ

魚ガチャ


私たちがこの場所を気に入っている理由としましては、いろんな魚があることです。漁獲量が少なく流通しないような魚をとても安く購入できます。中には、南方の魚深層に生息する魚が売られています。これを私たちは『魚ガチャ』といって、いつも楽しみにしています。その一方で、有名な魚は十分な量が用意されているので、とても良いです。今年は、カマスを追っていたので秋には月に2回くらい行きました

魚ガチャ


今日の結果は?


以前、よく通っていた鮮魚店のおじさんに、「兄ちゃんよう来るけど、うちの魚やっぱりエエんか?」と聞かれたことがあります。しかし、「はい。いつもたくさん寄生虫がとれて助かっています。」とは言えず、困ります。私が研究している寄生虫は、人間には無害で、むしろ新鮮さの証拠なのですが、寄生虫がいるというのは印象を悪くしてしまいます。これまでこの浜のうたせで購入した魚をかなり検査しましたが、人間に害を与えるような寄生虫は出てきませんでした。また、お願いすれば、店の方がさばいてくれるので、安全です。
ちなみに、今日は“ミシマオコゼ, サヨリ,マナガツオ,イサキ,エイ”を購入しました。ミシマオコゼは4匹で250円ととてもお買い得でしたが、エイ(150円)以外はよい魚なので、結構いい値段になりました。検査の結果は、上記の理由と研究の途中なので詳細は秘密ですが、サヨリからは有名なウオノエさんがでてきました。

今日の結果

調査(研究)の副産物


多様な魚(寄生虫も)に出会えるのは、調査の楽しみの一つですが、もう一つ“美味しい”という楽しみがあります。調査に行った先の定食屋で食べる魚料理や検査が終わったあとの魚はとても美味しいです。なんと言っても、寄生虫がいる“かもしれない”ほど新鮮な魚をその日のうちに食べるので、スーパーで購入した魚とは比較になりません。また、地元の魚は同じ魚でも味が違います。私も、北海道のホッケとサケ高知のカツオを食べた時はショックでした。私の地元のマダイ(明石)を超えるタイは食べたことはありません。
今回の調査の成果としては、ミシマオコゼの唐揚げが食べられることでしょうか?

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上の写真は過去の調査の後です。食べるまでが調査です。いろんな地域で各地方の大学に進学した元生徒と協力を受けながら進めています。(2020年以降は感染症対策を行い、宣言等に従ってます。)

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