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筋肉痛が出ないとトレーニング効果がないはちょっと違う!

「筋肉痛にならなかったからトレーニング効果が無かった」って思っていませんか?トレーニングで筋肉痛を追い求めることはやめましょう!
炎症したい!って言っているのと同じです!

1.結論

トレーニングやり終えた後に筋肉痛が起こらなかったとき、そのトレーニングは効果が無かったからダメだ…、と思っている方がいますが、筋肉を大きくしたり筋力を強くしたりするときに筋肉痛は必要ではないです。

トレーニング経験の少ない方がしっかりとトレーニングをしたり、慣れない動きのトレーニングをした時に筋肉痛が起こることはごく自然なことです。しかし、筋肉痛は炎症の一種なので、追い求めるものではありません。

筋肉痛が起こらなくても、正しいフォームでしっかりと負荷をかけることができていれば筋肉はちゃんと成長してくれます。

筋肉痛を追い求めすぎて、筋肉がひどく傷ついた場合、筋肉が溶けてしまう「横紋筋融解症」になるケースも考えられるので注意しましょう!

2.筋肉痛が生じる理由

筋トレやエクササイズを行ってきた方は、筋肉痛を経験したことはもちろんあると思います。筋肉痛になることは決して悪いことではありません。

今までにトレーニングの経験が無かった人がしっかりとトレーニングをしたとき、1~3日後に筋肉痛が起こったかと思います。

また、トレーニング経験者でも慣れない動きのトレーニングや、体験したことのない重さや回数でトレーニングを行ったときも、筋肉痛が起こったかと思います。

筋肉痛の原因は「乳酸が体内に溜まっているから」と言われていましたが、筋肉痛の原因は乳酸ではありません。

いわゆる筋肉痛とは「遅発性筋肉痛(DOMS)」のことであり、トレーニング後36~48時間と、遅い時間経過で痛みや不快感がピークになると言われています。

そして、トレーニングによって生じた乳酸は筋肉中で酸化されて除去されたり、肝臓で代謝されて除去されたりして、トレーニング後30分で乳酸は消失するため、乳酸は筋肉痛の原因ではありません。

主な原因は、腱や靱帯などの結合組織と言われるものの損傷と、筋肉の小さな損傷が組み合わさったとき、痛みを誘発させる炎症物質が放出されることが筋肉痛の原因だと考えられています。

そして、この腱や靱帯、筋肉の小さな損傷によって引き起こされた筋肉痛は、エキセントリック収縮の動作を行ったときに起きます。

エキセントリック収縮とは「筋肉が伸びながら縮んでいる状態」とよく言われます。

例えば、ダンベルなどの重りを持って、ゆっくりと肘を伸ばしながら降ろしていく動作は力こぶがエキセントリック収縮を起こしています。

スクワットでは、ゆっくりとしゃがんでいるときに太もも前の筋肉がエキセントリック収縮を起こしています。

よって、筋肉痛を起こそうと思えば「エキセントリック収縮」にポイントを当てれば起きやすくなります。

しかし、トレーニング経験を積むにつれて筋肉は成長して適応するので、筋肉痛は起きにくくなってきますし、痛みの程度も小さくなってきます。

もし筋肉の成長に筋肉痛が必要だとすれば、トレーニングを週一回で行って激しい筋肉痛に襲われている人の方が、週3~4日のトレーニングで、たまにしか筋肉痛が起こらない人よりも筋肉が成長していて大きいということになります。

しかし実際には、強い痛みの筋肉痛があまり起きることのない週3~5日のトレーニングを行っているボディコンテスト選手や、重量挙げの選手たちの方が、体が大きく筋力も強いです。

さらに、トレーニング上級者の方でも自重スクワットを100回以上するような、普段慣れていない動作を行うと筋肉痛は起きますが、普段扱っている重量よりもはるかに軽いので、筋力が強くなることは考えられないでしょう。
これも、筋力を強くするときに筋肉痛が必要ではない理由の1つです。

また、筋肉の部位によっても筋肉痛が起こるかどうかに違いがあります。
脚(大腿四頭筋)や力こぶ(上腕二頭筋)の筋肉は筋肉痛を起こしやすいですが、肩(三角筋)筋肉が筋肉痛を起こすことはかなり稀です。

しかし、肩のトレーニングをしっかりとしている方は筋肉痛が起きなくても、大きく筋肉が成長しています。

3.トレーニングをする目的は何か?

皆さんがトレーニングをする目的は、ダイエットのため・身体を大きくしたい・ヒップアップしたい・精神的に強くなりたいなどが主な理由だと思います。

しかし、初心者からトレーニング始めたときは激しい筋肉痛に襲われますが、経験を重ねるにつれて筋肉痛が起こらなくなったとき、「筋肉痛が出てないからトレーニングの効果が無かった。」と勘違いをします。

そして、最初は見た目を変えるためにトレーニングをしていたのに、いつからか「筋肉痛になること」がトレーニングの目的にすり替わってしまっていると思います。

筋肉痛は炎症の一種です。筋肉痛を追い求めることは、炎症を追い求めていることと同じです。筋肉痛が1週間以上続く場合はひどいものであり、病的な炎症が筋肉で起きています。

最悪、筋肉が溶ける「横紋筋融解症」になってしまうので注意しましょう!

4.まとめ

初心者の方や、慣れない動きやトレーニング種目を行ったとき、筋肉痛が起こるのは自然なことです。筋肉痛が起こったら効果があったのだと実感できるから嬉しいという気持ちも、ポジティブな考えなので否定はしません。

しかし、身体を変えるためにトレーニングしていたはずが、気づいたら筋肉痛になることが目的になっていれば注意です!

痛みの強い筋肉痛を追い求めることはやめましょう!

そして、筋肉の成長や筋力アップに筋肉痛は必要ではなく、炎症であるということを理解しておきましょう!

【参考文献】
・ Delayed onset muscle soreness: Treatment strategies and performance factors.
Sports Medicine


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