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水道水はダメで、ミネラルウォーターの方が安全で健康にいいのか?

水分補給をするとき、水道水よりもミネラルウォーターの方が安全だし健康に良いからといって選んでいませんか?

ミネラルウォーターだから健康に良いということはなく、実は水道水の方が安全基準は高いです。

1.結論

普段の水分補給やトレーニング中の水分補給をする上で、水道水ではなくミネラルウォーターを積極的に選んで飲んでいる方はいるのではないでしょうか?

その理由として、「水道水よりミネラルウォーターの方が安全だから」・「ミネラルウォーターにはミネラルが入っているから、水道水よりも健康に良い」ということが挙げられる場合があります。

結論から言いますと、ミネラルウォーターよりも水道水の方が安全基準は高いですし、ミネラルウォーターだから健康に良いという理由は少し的外れです。

2.ミネラルウォーターとは?

ミネラルウォーターとは、地下水を原水とした容器入りの飲料水のことを示しています。

中でも、採水する地層中のミネラル分が溶けだした地下水を原水としたものを「ナチュラルミネラルウォーター」と呼び、いわゆる天然水のことを示しています。

この天然水を原水とし、沈殿・ろ過・紫外線殺菌・オゾン殺菌などの処理や、品質を安定させるためにミネラル調整が行われているものを「ミネラルウォーター」と区別されています。

3.水道水の安全基準

水道水の安全基準は、水道法によって決められており、厚生労働省が出している51項目の基準値をクリアしていないといけません。

この安全基準は世界トップクラスで、発がん性があると言われているクロロホルムの水質基準も0.06 mg/L以下であり、これは世界保健機関WHOが出している飲料水の水質ガイドライン0.3 mg/L以下よりもはるかに低い基準を定めています。

4.ミネラルウォーターの安全基準

一方、ミネラルウォーターは飲食物に分類されるため、「食品衛生法」によって安全基準が定められています。

クリアしなければいけない基準項目は、殺菌・除菌工程有りの場合は39項目、殺菌・除菌工程無しの場合は14項目となっています。

実は、このように水道水の方がミネラルウォーターよりも安全基準はとても高いのです。

ミネラルウォーターの方が絶対に安全だと思っていたら、少し考えを改めてみてもいいのではないかと思います。

5.ミネラルウォーターの健康面について

「水道水を飲むよりも、ミネラル分を含んだミネラルウォーターを飲んだ方が健康に良い」ということを耳にすることがあります。

確かにカルシウムやマグネシウムを含んでいますが、このミネラル分を入れている理由は先ほども示した通り、品質を安定させるために入れています。

飲料水としてのミネラルウォーターにするまでには、殺菌と除菌をしなければいけないので、紫外線殺菌やオゾン殺菌、加熱処理、塩素処理などが行われています。

これらの処理がほどこされた時点で、元から含まれていたミネラル分は何かしらの化学反応によって消滅してしまいます。

そして、最後に品質を安定させるために合成ミネラルが微量添加されることになりますので、これを「水道水よりミネラルが豊富で健康に良いから選んで飲む」というのは疑問です。

さらに、ミネラルウォーターに含まれているミネラル分の量は、1日の食事推奨摂取量からほど遠く、数百リットル飲まないといけないくらいほんのわずかな含有量です。

さすがに1日のミネラル分をミネラルウォーターから摂取しようなんて方はいないと思いますが、健康に良いからと言ってガブガブ飲んでいると、「水中毒」になってしまい、最悪の場合「低ナトリウム血症」を引き起こして死に至ってしまう可能性もあるので注意しましょう。

6.水道水のメリット・デメリット

水道水のメリットは、もちろんお金があまりかからないのでミネラルウォーターを選ぶよりも節約できることです。「水なんかにあまりお金はかけたくない!」というかたは、水道水を選んでもいいでしょう。

デメリットはカルキ臭いことです。水道水は消毒のためにカルキ(次亜塩素酸カルシウム)が含まれています。人によってはこのカルキの風味が気になって飲めない方もいるかと思います。

また、水道管の老朽化によるサビが衛生上良くないということも挙げられています。どうしても気になるというかたは浄水器を使用したり、ミネラルウォーターを飲みましょう。

7.ミネラルウォーターのメリット・デメリット

ミネラルウォーターのメリットは、カルキ臭くないので比較的美味しく飲めるということです。また、料理で水を使う際にも風味を邪魔することなく、美味しい料理が作れるでしょう。

デメリットはお金がかかることです。水道水は500 mLで約0.1円ほどなので、ミネラルウォーターであれば1000倍ほどコストがかかります。

あと、水道水のように塩素が含まれていないので、うがいの消毒効果が下がってしまうことが考えられます。また、氷を作るときに製氷機が雑菌で繁殖してしまうリスクもあるので、うがいや氷づくりは水道水でしましょう。

8.まとめ

今回は、日本の水道水の安全基準がとても高いことや、ミネラル分を摂るためにミネラルウォーターを選んで飲むことは少し的外れであるということをお伝えしましたが、ミネラルウォーターを飲む行為を否定しているわけではありません。

水を飲むこと自体はとても重要ですし、健康にも良いです。

水分補給をする中で、水道水を選ぶのかミネラルウォーターを選ぶのかは人それぞれの判断なので、「何となくモチベーションが上がるからミネラルウォーターを飲んでいる」という理由でも何の問題もありません。

どちらを選んで飲もうが水分補給ということに変わりはないので、金銭面や美味しさなど、それぞれの生活スタイルに合った選び方をしていきましょう。

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