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「新しい選択肢を見つけるために。」稲墻聡一郎さん セルフマネジメントセッション

こんにちは、First Penguins 運営サポートの「おくあや」です。

オンラインコーチングコミュニティ「First Penguins」では、月ごとのテーマに沿ってプログラムを展開しています。コミュニティがスタートした4月は、自分を知り活かすための基盤となる「セルフマネジメント」がテーマでした。

そこで4月16日は稲墻聡一郎(いながきそういちろう)さんをゲストにお迎えし、Zoomで「セルフマネジメントセッション」を開講いただきました。今回のnoteではその模様をダイジェストで!お届けいたします。

▼稲墻 聡一郎さん プロフィール

図1

Transform LLC: Co-Founder and Partner
https://transform-your-world.com/
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大手IT企業、ベンチャー企業役員を経て2011年に起業。
2015年~2017年まで、米国のPeter. F. Drucker School of Management(通称:ドラッカー・スクール)の経営者向け修士プログラムに留学。
2018年1月、同大学院の准教授であり、セルフマネジメント理論の第一人者でもあるジェレミー・ハンター博士、および同大学院卒業生の藤田 勝利と一緒に、「Self Management」「Executive Mind」「Transition」をベースにしたマネジメントプログラムを提供する会社 Transform を設立。
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企業・NPO法人・社会起業家をはじめ、社会人向けにマネジメント/イノベーションプログラム・コンサルティング・コーチングを実施。


講座の前に…事前課題

講座を受ける前に、まずはこちらの著書を事前に各自で読みました。

さらにFirst PenguinsのSlack上では、さまざまな問いかけに各自が答えを投稿することで、自分の現在の状態に意識を向けていきました。

▼Slack上でメンバーから出てきた言葉(要約・抜粋)

Q. 自分が自分にかけている制限は何ですか?
A. 
・「普通こうするだろう」みたいな考えで動きがち。
・丁寧にやらねば!
・自分はこんなもんだ、これ以上は無理だ、というバーを勝手に設けてしまっている。
・まだまだ優秀じゃない。世に出るにはもっと成長してから。
・自分の好きな事をするのに誰かを巻き込んでよいのか、誰か(何か)にしわ寄せが来ていないか。
・可愛くあってはいけない。

↑ そうなんですね。その制限、気づかぬうちに自分に課しちゃっていたのでしょうか。

Q. 新しい選択肢を生み出すために、どんなことをしていますか?
A. 

・普段選びがちなことをまずは選ばないようにする。
・自分の今の行動を今一度考える。ルーティンか?チャレンジしてるか?
・出来ないかもしれないけど、出来なくても良いやって挑戦してみる。
・価値観の違う人と話す。
・妄想を人に話してみる。
・妄想を具体的に考えて色々調べてみる。
・本屋に行って自分にない視点・切り口の本を仕入れる。
・行ったことのない場所に行く。
・身の回りのことを疑問視する。
・必要な機能を考える(=手法は何でもOK!)

↑ ふむふむ、ちょっと良い感じ?


思考の癖・偏りに気づこう

さて、講座当日です。

まずは「思考の癖・偏りに気づく」ためのアイデア出しワークを行いました。その結果、メンバーそれぞれが「常識の壁」「発想の偏り」「思考の癖」を持っていることを発見。

一つのアイデアパターンに固執してしまった!別の人は、逆にアイデアの数を出すためにもっと自由に書いていたのに!

という感想も飛び出しました。

稲墻さん曰く、

誰がやっても思考の偏りはあるものであり、それ自体は良いものでも悪いものでもありません。誰もが自分の『箱』の中に入っています。しかし、意図的に自分の傾向を客観視し『箱』に気づけば、自ら箱を出て、視点をズラして違う発想ができるようになります。
まずは、『自分はいつもこの部分を見ていないな』という傾向を知ることが必須のプロセス。そのうえで違う方法を生み出せるようになります。

とのこと。なるほどなるほど…?


自分は何を認識できているのか、いないのか

人は、特定の瞬間に五感が吸収する情報のうち、認識できる情報量はごくごくわずか。自分が吸収した情報のすべてを検討して次の行動を決めているわけではなく、無意識のうちに脳が一部の情報を組み立てて思考をつくり、行動を選んでいるのだそう。多くの時間を脳による「オートパイロット」状態、無意識の状態で過ごしています。

さらに人は、「自分は何かに集中している」と思っていても、頭の中でさまざまなことが思い浮かんび、意識が彷徨ってしまいます。一旦彷徨ってしまった意識を集中状態まで戻すには、20〜30分ほどの時間が掛かるのです。

稲墻さん曰く、

集中する時間の割合を増やすことは不可能。しかし、彷徨っていることに気づき、意識を戻すことはできます。
いま現在に起きていることに無自覚だと、人は同じ行動パターンを繰り返すことになります。今までと違う結果を得たいのであれば、今までと違う行動をする・新しい選択肢を生み出す必要がある。新しい選択肢のヒントは、『いま現在に起きていること』にあります。

とのこと。だから、その瞬間瞬間の自分の状態に気づく、意識を向けることは大切なんですね。

…ということで、一定の状況を思い浮かべ、自分の心・身体に何が起こるかを観察するワークをやってみることに。そのワークを通して出てきた感想には、

ワクワク楽しいときは「次は何しよう?」といくらでもと思い浮かぶけれど、嫌だと感じると全然思い浮かばなかった

というものがありました。

確かに、ポジティブなときとネガティブなときでは、思考の創造性に大きな差が出ますよね。もしかして、これまで出してきた結果は、そのときどきの自分の状態によって左右されてきたのかもしれません。自分の状態を認識することは、「次に上手くいく」ための再現性に繋がりそうです!

あるいは、

まったく同じ状況について考えたときでも、自分と他の人では、置かれている環境によって捉え方・感情がまったく違った

といった感想も。それって、いま現在に起きていることを、自分が感じているのとは別の感じ方ができる可能性もある…ってことですね!?

稲墻さんによると、

『自分の状態・環境が今こうだから、選択肢・行動・結果が制限されている』と認識できれば、別の選択肢を取ることもできるようになります。

とのこと。なるほど、意識を向け、気づくことの重要性を実感します…!


体を動かすことは、なぜ大事?

と、ここで、みんなで少し運動!Zoomの画面の前で足踏みやストレッチを約3分!

運動してみてどう感じましたか?との問いには、

・スッキリした、気持ちいい!
・ポカポカしてきた
・肩が凝っていたんだなと自覚した
・頭が軽くなった
・こんなことでハーハーするのかと思ったけど、自分にもできた!

との答えが続々。ちょっぴり動くだけでも、血の巡りがよくなるのを感じられるものですね〜。

こうやってほんの少し体を動かすことで、集中状態が上がり、自分のパフォーマンスは変えられたりします。しかし多くの人は、仕事中はできない・日中にはそんな時間がない、と勝手に思い込み、体を動かす選択肢を無くしている。

と、稲墻さん。おぉっと!こんなところにも選択肢があった!

45〜60分に1回はストレッチ、90〜120分に1回は3〜5分程度の運動(散歩や腿上げなど、体の血流をまわすもの)がオススメなのだそうです。その時間を、日常の中で戦略的に作りましょう!

スッキリしていると、自分の状態を認識しやすい。感情の揺れ動きや、自分の体にどんな反応があるのか、思い浮かんだことについて認識できます。

なるほど〜。体を動かすことも、自分の状態を認識することにつながるんですね。


感情に目を向けよう

さらに「自分の感情」に目を向けるため、最近感じた感情を書き起こすワークも行いました。

ポジティブな感情をたくさん書いたメンバーもいれば、ネガティブな感情をたくさん書いたメンバーもちらほら。もしかして、ネガティブな感情ばかり感じているのは良くないのかしら?とちょっと不安に…!

しかし稲墻さん曰く、

感情は勝手に湧き出てくるものなので、この感情を持ってはいけないとかいうことはない。良い・悪いはない。ただし、何かしらの情報がついてくるものです。自分が感じている感情の背景に何があるのか、どれぐらいエネルギー量があるのかを認識するのが大切です。

とのこと。

とはいえ、ネガティブな感情を持ち続けるのは、自分が望む結果を生み出しにくくなる。どうすればその感情をシフトできるのか、自分なりの方法を知っておく必要があります。その一つが、運動。そのほか、睡眠・食事など、体に直接アプローチすることだったりします。

なるほど…。では、運動したり何らか気分転換をして、ずっとやる気を出せば、頑張り続けることができるのでしょうか!?

人はエネルギー量の多い感情でい続けると、必ず枯渇します。人には回復・休息が必要です。でも『頑張らなきゃいけない』という思い込みによって『回復・休息』という選択肢を失い、心身を壊してしまう人たちがいます。やはり自分のリズムを作ること、自分の感情をチェックすること、シフトのしかたを持っておくことを知っていただきたい。

そうか…感情は自分のネガ・ポジ状態だけでなく、エネルギーの状態をチェックするためのセンサーでもあるんですね。

そして、最後にみんなで、ふぅーっとゆっくり、深呼吸。


チェックアウト

チェックアウトでは、セッションを通した学びや気づきについてシェアしました。

▼チェックアウトでみんなから出てきた言葉(要約)

ものごとの感じ方は自分が作り出しているに過ぎないけれど、自分が感じたことを「正解」だと思いがち。家族であっても感じ方は違うはずなんだなと気づいた。
最後の深呼吸で気づきがあった。これまではスマホやテレビなど刺激に対して何か思うことしかしておらず、自分の内面の声を聞く瞬間が日常になかったことに気づいた。
エネルギーがなくてネガティブな感情のとき、無理矢理エネルギーを高めようとしていた。まずは穏やかな感情状態になることが大切だと気づいた。
会議などしていると思考の狭まりを感じることがあった。けれど今日、運動や呼吸などを取り入れてみると、「余裕」ができた。人の意見をフラットに聞けるし、自分の意見を言いやすくなる感じがした。
感情をシフトさせる方法は運動や睡眠だ、と知ることができたのが大きい。感情は感情でコントロールするものだと思っていた。今後、定期的なストレッチなどを楽しみながら取り入れたい。
思考の癖がまだまだたくさんある。自分の気持ちや体をリセットするタイミングをもっと作っていきたい。
マインドフルネスは「無になる」ことだと思っていたが、本を読んでみると全然違う。日常の中でも「その瞬間の感情を自覚する」ことができるんだなと感じた。
意識できていることの少なさに衝撃を受けたが、ワークの中で、ほんのちょっとでも意識を変えれば行動も変わってくることを実感した。自分の心持ちによって良い方向になるのであれば、常にアンテナを張っていきたいなと思った。


セッションを通して、頭で理解するだけではなく、「腹落ちした」「実感した」何かを「感じた」といった言葉がたくさん出てきました。みんな、身体や感情への解像度が少しアップしたようです。この感覚を忘れずに、日常のセルフマネジメントに活かしていきましょう!

稲墻聡一郎さん、ありがとうございました!


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