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遮蔽礼讃

隠されると見たくなる、透けて見えれば想像する。

現代は何も隠されていない時代です。
近代以降、”視線”はすべてを均質化し平板化しました。

見る事によって、絵は価値を判断されます。しかし
見られない事によって価値が上がる場合もあります。

”遮蔽”です。

日本には遮蔽する建具が多くあります。
屏風(びょうぶ)・障子(しょうじ)・格子(こうし)・衝立(ついたて)
結界(けっかい)・御簾(みす)・垣(かきね)・幕(まく)・暖簾(のれん)
などです。

・御簾越しの天皇
・結界の張られた聖域
・光を通す格子と障子
・場を区切る衝立や屏風
・閉じられているが気配は感じる襖
・屋外に空間を生み出す幕
・風で揺れる暖簾

門・扉・壁・堀・なども隠して見えなくする役割ですがこちらは

”遮断”かもしれません。

日本人は”陰影”を好んだように”遮蔽”も好んだと思われます。
遮蔽され、隠され、淡い輪郭と気配を感じつつ

よく見えない事に鑑賞の価値を持っていたかもしれません。

明るくハッキリと見える鑑賞から
暗く、遮蔽され、視点をずらすと見えてくる鑑賞を体験してください。




ギャラリーイドクボンガ


ギャラリーイドクボンガ


ギャラリーイドクボンガ


2016 須崎まちかどギャラリー
『山越彼岸図屏風』白井忠俊


2016 須崎まちかどギャラリー
『繰り返す日々』白井忠俊
『ありふれた眺め』白井忠俊


2013 ART HOUSE あそうばらの谷
『どんな答えを欲していたのか忘れてしまった』白井忠俊


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