どこよりも早い第五回WBC結果予想(プールB)
第五回WBCプールBは東京にて行われる。いつも通りの東京ドーム。
東京ラウンドについては7月28日に詳細な開催日程が発表された。それは以下の公式サイトから。
参加国は日本、韓国、オーストラリア、中国、そして予選からの勝ち上がり国。前回の記事同様に勝ち上がりはブラジルと仮定する。三月九日から五日間に渡って一次ラウンド東京プールは行われるが、焦点はやはり開催国の日本が勝ち上がれるか。第一回からベスト4以上の成績を残しているものの、優勝からは回を追うごとに遠ざかっている日本が、第五回で復活できるのだろうか。
手始めにそれぞれ各国の戦力を見ていく。
世界ランク3位・韓国
侍ジャパン最大のライバルと長年言われているのがこの韓国。第二回WBC準優勝国でありながら、第四回大会では自国開催の利も生かせず敗戦。強豪オランダとダークホースイスラエルに敗戦し、グループリーグを通過出来なかった。今大会こそはとリベンジに燃えているだろう。
韓国一番の注目選手はサンディエゴ・パドレスに所属する金河成。体格で劣るアジア系内野手が軒並み苦労する中、金河成は去年今年と活躍して見せた。MLBのスピードに対応できる守備力とここ一番で発揮される打撃力。コンテンダーの中で必要戦力となっている。MLB所属選手のWBC参加が今大会かなり前向きなこともあり、金河成は参加出来るだろうし、東京でそのプレーを見てみたい。前回大会苦戦した理由の一つにメジャー組打者の不参加もあげられるだろうから、今の野球界の動きは韓国には追い風になるだろう。他にもMLBにはパイレーツの朴孝俊、レイズの崔志萬がいる。韓国人メジャーリーガーは一時期と比べると数は減ったが、崔志萬レベルで活躍できる選手はそう多くはないし、参加すれば立派な補強になる。
ついでに言えばロッキーズのコナー・ジョーの召集もありうるし、レッドソックスのロブ・レフスナイダーも当然代表資格がある。KBOプレイヤー中心のチーム構成になることは間違いないが、国内組を支える海外組の召集に期待したい。
そもそも、韓国というチームは弱くはない。ストライクゾーンの関係などで、打高リーグだった時期もあったがその期間がうまく作用していると感じる。金河成が4年総額2800万ドルの契約を結べたのもKBOの打力が認められている証左。秋信守が活躍して以降、多くの韓国人メジャーリーガーが誕生しているが、それぞれパワーで世界と戦えることを証明した(姜正浩は惜しいことをした)。ストライクゾーン内のボールをマン振りする事は練習していなければ難しいところ。打者育成という点ではNPBよりもKBOの方が育つ土壌があるだろう。
ここまでMLB組を見ていったがKBOにも注目株がいる。東京オリンピックで代表だった選手が2023WBCも基本的には核となる事が予想されるので、数人名前を出したい。20代前半の選手も多く召集されたオリンピック韓国代表だが、世界を見据えられる選手が二人いる。KTウィズの姜白虎とキウムの李政厚である。二人ともバットコントロールに優れ、長打力にも期待ができる。年齢も若く数年後海外移籍をしていても不思議ではない。特に李政厚に関しては2022年度も安定した活躍を見せており、OPSも950を上回っている。既に韓国ではやることがなくなっているかもしれない。
ここまで長々と韓国は打てる、強いと書いているがではなぜ前回大会のWBCで大敗したか。それは偏に3試合で15失点した投手陣に尽きる。韓国は先発の育成に苦心している。傑出度としては、カージナルスでも投げていた金廣鉉(SSG)やメジャーリーガー柳賢振(TOR)が第五回WBCでは軸となるだろうが、最低でも四人は揃えたい先発のタレントは揃っていない印象。梁玹種(起亜)も含めて左腕ブランドは確固たるものがあるが、枚数がいないと勝ち抜けないだろう。東京オリンピックでも不祥事はあったもののべテラン選手の選出も多く、呉昇桓(サムスン)に頼り続けていた国際戦の歴史だった。2017WBCでの圧倒的なピッチングも東京五輪での絶望的なピッチングもどちらも記憶に新しい呉昇桓だが今年で40歳。2023年の春に韓国投手陣はどこまで成長できているだろうか。
WBCでは一時グループ敗退、オリンピックでも四位ともう後がない韓国野球。そんな中でこんな記事を目にした。
2009以降韓国とWBCをやっていなかったとは驚いた。すっかり失念していたが2013WBCも韓国は敗退していたようだ。これは2023でなんとかするしかなさそう。上記の記事に付随しているヤフコメはかなり日本寄りになっているが、それは間違い。一発勝負である以上日本が負ける可能性は十分にあるし、日本戦に合わせてくる相手に対応しなければならない。
世界ランク10位・オーストラリア
二チーム目はオーストラリア。本戦では3月12日に日本戦が予定されている。2004年アテネ五輪で当時阪神に所属していたウィリアムスを擁して日本の前に立ちはだかった国とのイメージもあるだろう。
2017WBCでの日本との激闘も記憶に新しい。予選を1勝2敗で終えたオーストラリアだが、日本戦キューバ戦共にチャンスがあった。日本目線に立っても負けそうであった。2023も出てくるであろう捕手デサンミゲルには要注意。
オーストラリアには国内リーグがあるが、そのレベルは高くない。故にNPBやMLBで活躍する選手を召集したいのだが、その数も多くないのが現状だ。前回大会ではヤクルトからミッチ・デニングを召集した経緯はあるが、どうか。そんな中で是非代表で見たいのがリアム・ヘンドリクス(CWS)だ。メジャーのASレベルで活躍する中継ぎの参加が叶えば接戦勝負をモノにできる確率があがる。つまり、第四回大会のように僅差で負けていた試合を踏ん張れる確率が上がるわけだ。マイナーレベルでは数人若手の選手がプレーしているが、大物はヘンドリックス。メジャーリーガーの参加で東京ラウンドを熱くしてほしい。
世界ランク21位・中国
さて三チーム目は中国。中国は謎に包まれている。徐々に国内リーグも整備が進んでいるようだが、世界レベルには到底及んでいないのが現状だし、市場規模も小さい。2017での代表メンバーを見てみると、日本の独立リーグ高地で許桂源がプレーしたり、宮海成がPIT傘下でプレーするなど前回大会から今に至るまで少し変化があったことはうかがえた。加えて以下の記事も見つけた。
残念ながらこの選手はリタイアしてしまったようだが、中国野球も面白くなってきているのかもしれない。
そもそもイスラエルがユダヤ系アメリカ人でチームを構成したように、無理を強いれば中国系アメリカ人軍団を形成できる可能性はある。コルテン・ウォン(MIL)がその例であろうし、海外組をうまく取り入れればわからないチームかもしれない。
世界ランク1位・日本
プールBの開催国であり、一位抜け最有力、そして大会の優勝候補。オリンピック金メダル国であり、プレミア12通算14勝2敗、2019大会優勝国。WBC2006.2009と連覇し2013.2017はベスト4。ゆえに世界ランクは堂々の一位。さて、無事に一次ラウンドを通過できるだろうか?????
WBC日本代表の争点はやはり大谷翔平(LAA)だろう。投打共に世界レベルの選手が入れば、グッと勝利が近づく。これにカブスの鈴木誠也が加わればなお良し。ダルビッシュ有(SD)や澤村拓一(BOS)や菊池雄星(TOR)など有力な投手もMLBには多い。ユーティリティーでNYMマイナーの加藤豪将を加えても面白い。正直メンバー選考は読めない。栗山監督は時にチャレンジを試みる。国際戦となれば少々置きに行く気もするが、何があるかわからない。本気で勝ちに行く人選、選手一人ひとりに明確な選考理由がある選出を希望するが、こればかりはわからない。日本のスポーツは利権がガチガチに絡むせいもあってサッカー同様毎回選考にはケチがつく。NPBに危機感が無さすぎるとも言えるわけだが、これは諦めた方がよいか・・・。兎にも角にも大谷が参加するかどうか。これに尽きる。
NPBのレベルが世界と比べて、過去と比べてどの位置にいるのか不明だが、ヤクルトの村上宗隆のように当確の選手もいるし、誰がメンバーを組んでも大枠は変わらない。ヤクルト山田哲人、横浜の牧秀悟、楽天の浅村栄斗、西武山川穂高。栗山代表監督は春に向けて調子を上げられる選手を探す、と白紙であることを示してはいるものの、予想と大きな変化はないだろう。一時期松田宣浩に頼り切りだった三塁手が各球団に出てきたのはいい事なのだが、すべてのポジションにおいて球界全体で若手の底上げが出来ているとも言えなそうだ。
マイク・トラウト(LAA)が先陣を切った事で、MLBで参加ムードが高まると予想し、大谷と鈴木誠也の参加があると希望的には見たい。ただ、ダルビッシュが首を縦に振るかどうかは難しいところだし、シーズン成績の悪い菊池雄星を召集するのが最適解かはわからない。澤村については報道は少ないものの、一人いれば重宝するタイプの中継ぎなので呼んでほしい。
WBCには二名、投手の入れ替え枠が存在する。ラウンドの終了時に決勝トーナメントへ向けての補強のような形で入れ替えられる制度で、登板回数に所属球団から縛りがかけられている選手に使用された。前回大会のオランダ、ケンリー・ジャンセンがこのシステムで決勝ラウンドから参加した。
日本もこれを使うことは十分に考えられる。大谷やダルビッシュとアメリカに渡ったタイミングで合流し、世界一のために準決勝と決勝を任せるというわけ。大谷翔平の疲労を考慮すれば無難な選択かもしれない。
プールB結果予想
ではそれぞれ見ていったところでプールBの予想をしていこう。
リーグ四位はブラジル、リーグ五位は中国と予想する。予選勝ち上がりは前回大会に出場していない国とはいえ、勢いもあるし侮れない。基本的にはマイナーリーガー主体で構成されるわけだし、最低限のパワーやスピードはあるわけだ。なので中国には勝つだろう。精密さという点で他の三チームには劣りそうと思い四位にした。
次に三位はオーストラリアだろう。投手陣のうち数人は日本や韓国と戦えそうだが、打撃力に課題がある。先述したようにミッチ・デニングクラスが軸を務める打線に脅威があるかどうか。接戦をしでかした日本のファンが言うのもアレだが及ばないと思う。何せ日本の打線は2013や2017よりは良化している。今回は、うまく対応出来れば点差をつけて勝ってもおかしくない。
さて歯切れの悪い順位予想だ。順位予想というのは上からさっさと決めなければならないはず。これでは江川卓の順位予想のようになってしまう。
今一度日本の日程を確認してみる。
3月9日19時~中国戦・3月10日19時~韓国戦
3月11日19時~ブラジル戦・3月12日19時~オーストラリア戦
リーグ内で唯一全日程ナイターだ。舐め腐っている。観客動員と視聴率のためには仕方がないけれども、これで韓国に負けてみろ、たまったもんじゃない。さてそんな舐め腐った日程であれ、一戦ずつ先発投手を立てる必要がある。先発投手四人でよい。佐々木朗希(ロッテ)山本由伸(オリックス)千賀滉大(ソフトバンク)今永昇太(横浜)あたりだろうか?佐々木か山本を山場の韓国戦にぶつければ、グループリーグは問題ない。
勝ち上がった場合の3月15日、16日に行われるベスト4をかけた一発勝負も中日を4日か5日取る事も可能だ。
日程を確認して一位と二位を決めようと思っていたがこう考えると一位が日本になりそうだ。仕方ない一位は日本、二位は韓国と予想しよう。
正直先述した先発投手四人が韓国打線に捕まるイメージは全く持てない。国際戦のプレッシャーは当然あって初体験となる佐々木はわからないが、それでもポテンシャルは圧倒している。
オリンピック準決勝での戦いは、5-2というスコア以上に力の差は感じた。だが、やはり心配をせざるを得ない。何せそもそも日本野球は世界と比べて遅れている。主要球場にスタットキャスト系の機器を導入したのも韓国より遅かったし、MLBへ輩出した人数は一時韓国に抜かれていた。韓国野球のレベルが低下しているのを横目に、自分たちのレベルも下がってはいないだろうか・・・。そもそも今の韓国をライバルとしているようでは、北中南米の国々とは到底勝負にならない。
日本が韓国に勝って喜んでいるようではアジアの野球レベルは下がっていく一方だ。太平洋を跨いだアジア野球圏の発展は世界野球の発展と同義。プライドや責任が今のNPBにあるのか。無ければ韓国に足元をすくわれるだろう。
侍ジャパンは常設化されて強くなったのだろうか?常設した意味はあったのか?日米野球においてNPBの外国人選手が活躍するシーンを奪っただけなのでは??真価は2023WBCでわかるだろう。一次ラウンドでは韓国を圧倒できるかがポイントだ。出来なければ危機感を持たなければならない。
どうも日本野球はネガキャンしたくなる。日本野球のことを考えるとメンヘラな彼女のような感情になってしまう。現実を見るために負けてほしい、いや絶対に勝ってほしい、そんな感情が去来する。
なぜなら「負けたらわかるだろう」と言って、アメリカドミニカプエルトリコベネズエラみたいなグループに入れられて全敗したら泣いてしまう。ファンとはそういうものなのかもしれない。もしかしてコロンビアカナダメキシコパナマでも全敗するだろうか?
プールBは残念ながら2017と組み分けに大きな変化はない。キューバが韓国に変わっただけだ。つまり日本の現在地を知る術がまた失われている。ではもうアメリカに渡るしかないのだ。何が通用して何が通用しないのか見極めるためにも、是が非でもアメリカラウンドへ行かねばならぬ。
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