【連載】この人生を生きるのに大切なこと 2

「私も連載を持ちたい!」という欲求のまま勝手に始めた月1連載。
HSP気質で、片頭痛、うつ、喘息を持病に持つ私が、生きるのに大切だと思うこと1つをテーマに、経験や考えを書いていきます。
毎月第1水曜日更新予定。

第2回 ミニマルな暮らし

前述のとおり、私には持病がある。
片頭痛、うつ、喘息。いずれもそれ単体では死なない病気である。
にも関わらず毎日の服薬、体調管理、心身のメンテナンス、疲労回復に細心の注意と多くの時間を費やす。
よって私はこれらを「社会的に死ぬ病気」だと思っている。
今の医療では「治す」ことはできない。
今できることは病気とうまく「付き合っていく」こと。
うまく付き合っていきながら、生きていく。
それが私の人生だ。

(補足)
喘息はそれ単体で死ぬこともある病気です。「喘息死」といいます。日本では毎年2000人が亡くなっているというデータもあります。ですが、あくまで私の場合は軽症・中等症であり、毎日の服薬によって発作が出にくい状態にできているため、この記事ではこのような表現にしています。

睡眠に一日の半分を使う

HSP気質ということもあり、仕事の日や外出する日は非常に疲れる。
例えば仕事の日は朝起きて仕事に行く。仕事が終わって帰宅したらもうエネルギーは残っていないので夕方3時間~4.5時間寝る。エネルギーを回復してからようやく家事。夕食、服薬、入浴、就寝。
ただこのやり方だと、疲労が大きい日は夕方寝てそのまま朝を迎えることがあり、夜の服薬ができない。それが3日も続けば喘息の調子が悪くなるので、朝まで寝てしまいそうな時は帰宅後最後の力を振り絞って夕食をとり、服薬してから布団になだれ込む。もちろん全ての家事、入浴は明日の自分任せ。自分の食事だけ自分で準備してくれるよう夫への連絡も必須だ。
かくして一日に10時間くらいは睡眠をとる。
それくらい毎日疲労がすごいということだが、睡眠のエネルギー回復効果は凄まじく、私には睡眠が必要不可欠だ。それを理解して寝かせておいてくれる夫には感謝だ。

本当はクリエイティブなことに時間を使いたい

さて、一日はあと残り半分しかない。
だが人が生きていくためには食事をしなければならないし、社会的に生きていくためには入浴、着替え、メイクなど身綺麗に整えることも必要になる。
それに付随して料理、掃除、洗濯などの家事も必要になる。
お金も必要だし、その手段として仕事に行く必要もある。
「やらねばならないこと」がたくさんありすぎるのだ。
…正直に言おう。
私は本当は執筆のようなクリエイティブなことに時間を使いたいのだ。
だが、そんな時間はない。
いや、なかった。
今の仕事は一日4.5時間労働だが、前職は7時間労働だった。
その時は毎日「やらねばならないこと」で手一杯で余裕がなく、働いていた約8年間、特に担当を持っていた3年間は家の中が荒れた。そして最後は過呼吸になり退職した。睡眠も足りていなかったし限界だったのだろう。
退職して回復に努める間、心に浮かんできたのが「書きたい」ということだった。
体力を使い切り、心はすさみ、家の中も荒れた中、自分の中にまだ表現したいという気持ちがあったんだということに驚いた。
と同時にそんな時に出てきたことこそ、「自分の本当の気持ち」なんじゃないかと思った。
私がこの人生で一番大切で大事にしたいのは愛。
私がこの人生で一番やりたいことは表現すること。
自分の真理に辿り着いて初めて、やりたいことに時間を使うためにはそれ以外のことを最小限にして、「やらねばならないこと」をなくしていこうというミニマリズムの考え方が腑に落ちた。

方法としてのミニマリズム

ミニマリズムやミニマリストについてはそれ以前から知ってはいて、家の中が荒れて片付けがしたかった私には「断捨離」と同じように思想と方法がセットになったようなものだなと思っていた。
ただ「自分にとっての最小限がどのくらいか」がまだ分からず、とにかく目の前の荒れた家の中を整えたい気持ちが強かったので、最初は「断捨離」のやましたひでこさんのムック本を参考に片付けに着手していた。
やっていくうちに「やりたいこと」が見つかって、その視点でミニマリストしぶさんやミニマリストタケルさんのYouTube動画を見ると、今に注目し、時間を生み出していく様々な方法があり、それを実践することの大切さに気付くことができた。
大まかにいうと、「断捨離」からは心地良い場所・空間・考え方の素晴らしさを学び、ミニマリズムからはやりたいことに注力するためにいらないモノ・コトを削ぎ落とし時間を作る方法や考え方を学んだ。
両方に共通して大切なのは、「自分にとって」「自分のやりたい」など「自分軸で」ものを考え行動し整えることだと思う。
実践法としてのミニマリズム。HSP気質で疲れやすく活動時間が短い私には最適で必要な思想・方法だと思う。

実践

では実際にどんなことを実践しているのか。
まず1つ目は「1日2食」。起きている時間が短いので3食摂ると体への負担が大きい。仕事がない日はいつも自然と2食になっていたため、意識的にやってみたところ、朝起きたら前日に食べたものが消化されて排泄するだけの状態になっていた。それを排泄すれば軽い体で一日をスタートさせることができる。かなりオススメ。

次は身支度、家事について。
洗濯はミニマリストさん界隈で人気のドラム式の乾燥機付きではない。なぜならデリケートな服が多いから。以前は乾燥機付きを持っていたが、そういう服には使えなかったので、壊れたら次は乾燥機能はついていないものを購入した。
洗濯洗剤は通常使わない。『洗濯マグちゃん』というマグネシウムで水をアルカリ性の水に変えて洗濯するという商品を使っている。柔軟剤も使わないので、洗濯槽汚れが抑えられて清潔。デリケート服用に『アクロン』だけ使用している。
洗濯物は畳まなくていいようハンガーにかけて乾かす。畳んでいるのはニットと下着。服の数自体少ない。この秋冬は30着ほどで過ごした。下着は4セット。手入れの必要な服は買わない。もしくは1シーズン着て手放す。
マットや敷物などの布製品が増えれば洗濯が増えるため、極力持たない。夏はいいけど冬は寒くて生きていけないので増やしたら心への負担感がすごかった。家を購入するなら床暖房ほしい。
バスタオルを使わないミニマリストさんが多いようだが、私はバスタオルで優雅に体を拭きたいので持っている。

入浴は湯船に浸かるようにしている。シャワーだけで済ますとシャワー中に自動反省会が始まり嫌な気分で風呂場を出ることになるが、湯船に浸かって瞑想することで「あぁ、嫌な気持ちを感じたんだな」とジャッジせず感じることができ、「大丈夫、何を感じてもいい」と自分を肯定することができる。入浴剤も必須だ。
気持ち良く一日を終えて、お風呂掃除はまた体が冷たくならないよう、こすり洗いはしない。『ルックプラス バスタブクレンジング』を吹きかけて流すだけで綺麗になる。

お風呂上がりには顔のお手入れをする。美顔器でお手入れするが、化粧品・メイク用品は最小限。アイブロウ、アイライン、マスカラは各1本、アイシャドウは2つしか持っていない。

料理はできる方がやる。2人とも無理なら外食かテイクアウト。皿が増えれば洗い物が増える。2人暮らしに必要な量しか持たない…ようにしているが、料理は夫もやるため、それぞれが必要なものが違う。よって少し多め。これからもう少し減らしたいし、できれば食洗器を導入したい。

家計簿はざっくりつける。Excelに自作の家計簿を作っていて、各月、食費、医療費など大まかな項目に値段だけ入力すれば合計金額が自動計算される。最終的には1年間の収支・残高が1シートで見られるようになっている。
支払いは医療費以外ほとんどがクレジットカード払い。明細アプリに情報が反映されたら家計簿を入力し、レシートは捨てる。

最後は仕事、用事について。
仕事は定時で帰る。
基本的に1日1用事。だが、仕事の日は仕事の後、1つだけ用事を入れて可。例えば仕事と通院、仕事とATMなど。
1週間に2日は外出せず「何もしない予定の日」を作る。
エネルギーが枯渇するまで活動しない。明日できることは明日やる。

自由な時間はわずかだが

物事を複雑に捉えようとしたり、用事を増やしたり、まだまだミニマルにはほど遠いのかもしれない。
それでも「本当はクリエイティブなことに時間を使いたい」気持ちがあると気付いたこと、そのために人生を前向きに進めていること、そんな自分になれたことが嬉しい。
そしてそうやって作った時間で今このnoteを書いている。
それがとても素晴らしいことだと、私は思う。

次の景色へ

2020年9月、断捨離1周目が終了した。これまでの人生37年分の持ち物の総点検。1LDKの家の中を1周するのに2年9ヶ月もかかった。
過去や物に対する執着が強くて全く手放せなかった。
物と向き合い、心と向き合い、「過去を断ち切り、未来に向かって、今を生きる」と決意した。気持ちが定まって初めて遅々として進まなかった断捨離が加速度をつけて進んでいった。
それが2020年3月だった。
それから1年経った今、また気持ちに変化があり、「絶対に手放せない」と思っていた物を手放せるかもしれないと思うようになった。
物は当時の自分ががんばった証だった。
がんばった自分を肯定したかった。
だから捨てられなかった。
だけど。がんばったけど、それと同時に苦しかったよね。
苦しみながら、よくがんばったよね。
それを認めたら、もうこの苦しさを手放していいんじゃないか。
…そう思うようになった。
物を手放すと、部屋の中が今までとは違う清々しい空気感に変わる。
手放して、そんな清々しい景色を選んでもいいんじゃないか。
次の景色へ。
断捨離はまだ途中だけど、モノもコトも考え方もよりミニマルに、自分らしく。これからが楽しみだ。

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