挑めタイタン「MOUNTAINS」後編
※この記事は↓の続きとなります。
こんにちは、ふじさんと申します。
今回は、「MOUNTAINS」のフルMVが出たということで、考察していきたいと思います。
…ところで、上の記事はもう読んでいただけたでしょうか。あの記事は前に、「MOUNTAINS」のUNVEILが出た時に書いたものです。
今回の記事は、先の記事で書いたことにプラスして考察していく形になりますので、必ず一度目を通しておくことをおすすめします。
まず、フィリックスの持っているりんごについてですが、これもアトラスに関係しています。
アトラスはタルタロスという奈落に幽閉されなかった代わりに、「永遠に天空を支える」という罰を受けました。
天空、つまりは世界を支えているので、当然とてつもなく重くて辛いわけです。
アトラスが「こんな仕事辛いよーやめたいよー」と思っているところに、どっかの王様に頼まれて、黄金のりんごを探しにきたへーラクレスという人がやってきます。
さて、そのへーラクレスですが、黄金のりんごがどこにあるかわからなかったので、アトラスに「りんごってどこにありますかね〜?」と聞きます。
アトラスはこれを「一旦休憩するチャンス」だと思い、「僕がりんご取ってくるので、その間天空支えといてもらえませんか?」と頼みます。
へーラクレスはこれを受け入れ、アトラスもちゃんとりんごを持ってきます。
しかし、アトラスは「もう天空背負いたくないな」と思ったため、「りんごを王様に届けてあげるので、もう少しだけ天空を背負ってください」と頼み、その間に逃げようとします。
これにはへーラクレスも「こいつこのまま逃げようとしてるな」と気づき、作戦は失敗。結局アトラスはまた天空を背負うことになりました。
…フィリックスが持っているりんごは、この話に出てくる「黄金のりんご」だと考えられます。
でも、MVだと、地球を表している鉄の塊=刑罰に腰掛けてるし、なんか楽しそうなので、苦痛とは思っていなさそうです。
それに、フィリックスが持っているりんごの方を気にするそぶりもないですね。
別に辛くないから逃れる必要もない…というところでしょうか。
ここは「重圧なんて全然辛くない」というスキズの強気な姿勢を示しているシーンなのかなと思います。
次は、時々出てくるこの迷路みたいなところについてです。
ここは正直よくわからないのですが、ギリシャ神話にも「ラビリントス(迷宮)」というのが出てくるので、それかなーみたいに思っています。適当!
ラビリントスは入ったら2度と出ることができない、とされていますが、イカロスという人物は蝋で作った翼で飛んで迷宮を脱出しています。のちに太陽で蝋が溶けて死んでしまうんですが…
この話は「イカロスの翼」として、「過信をするな、調子に乗るな」という教訓になっていますね。
さて、最後はこのドアについてです。
「HIGH VOLTAGE」と書いてあり、電流が走っているので、このドアの中にいるのは雷を操る神、「ゼウス」だと思われます。
ゼウスはオリンポス山の主神であり、タイタンをボコボコにしてタルタロスに幽閉できるほどの、圧倒的な強さを持っています。
そのゼウスですが、ドアに錠がかかっているのを見る限り、閉じ込められてしまったようです。
実際に、神話でもゼウスは一度、ある洞窟に閉じ込められています。
※より詳しく知りたい方は、Wikipediaの「アポロドロース」という項目を見てください↓
タイタンを倒し、調子に乗っていたゼウスは、いよいよブチギレられて、「テュポン」という神に戦いを挑まれます。
このテュポンという神が怖すぎて、オリンポス山の他の神々は逃げてしまうのですが、ゼウスだけは雷を使って応戦します。
そして、激戦の果てに、テュポンはゼウスの身動きを封じて洞窟にゼウスを閉じ込めてしまいます。
「調子に乗って、ボコされて、閉じ込められる」…
イカロスの翼の教訓にちょっと被ってるような感じもしますね。
また、歌詞でも「おや?」と思ったところがあったので、書いておきます。
「내 피리에 따라 Break it (僕の笛に従い壊す)」
テュポンは英語表記で「Typhon(タイホン)」と表され、「タイホン」には「警笛」の意味もあります。
「Head above the clouds, stand tall for the hell of it(雲の上に頭を置いて 面白半分に立っている)」
神話によると、テュポンはとてつもないほど大きいらしく、絵でも頭が雲を突き抜けているように描かれています。
「雲の上に頭を置いて」はまさにテュポンを示す表現と言えるのではないでしょうか。
もしかしたら、MVの冒頭、1列に並んでいるシーンは、「タイタンがオリンポス山に挑みに行くところ」ではなく「テュポンが逆襲のためゼウスを倒しに行くところ」なのかもしれません。
ちなみに…神話だとテュポンは最後「エトナ火山」という山の下敷きにされてしまいます。
オリンポス山、アトラス山脈、エトナ火山と3つあるから「MOUNTAINS」なんでしょうか…?
さて、今回はいかがでしたでしょうか。
個人的に、この曲はアトラスとテュポンをモチーフにし、「1位の重圧なんて辛くない」という強気な姿勢を示し、また「だからといって調子には乗らない、過信はしない」という慎重さを表す曲でもあるのだと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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