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ちっちゃな命

 仔猫が眠れないのも仕方がない。石鹸を泡立てた体から次々をパニックを起こしたノミが出てくる。

 その数、20匹いや30匹ぐらいいるのだろうか。私にはノミアレルギーが
あるから、慎重に作業を進める。つぶせそうなノミはつぶし、後のほとんどはぬるま湯で流す。

流したうえで60度の熱湯を排水溝に流し、ノミが元気を取り戻して排水溝から上がってこないようにしなければならない。幸い、彼女の体は白い毛に覆われていて、ノミの様子が伺える。そろそ
ろノミは居なくなった様だ。

 タオルに彼女を包むと、ドライヤーで乾かす。そして寝床に掃除機をかけ、で新しいタオルを敷くと、そっと保護猫①を戻した。程なく彼女は小さな寝息を立てて静かに眠りについた。その姿を見て私は決意した。「敷地の仔猫を救うぞ!」
 
 知人にNPO法人に繋いでもらい、電話で現状の様子を伝える。今月中には来てくれるとの事だ。ただし条件があった。捕獲した猫をリリースするにあたり、TNR(避妊、去勢手術)が終わるまでの居場所を作る事。捕獲代、TNRのお世話代等お金が必要な事を理解すること。
 
日々のお世話は自分たちで
する事を求められた。無論、ここまで来て、条件に怖じ気づいて断ることなど考えられない。そう、そんな中途半端な事、命を前にして出来る訳がない!私は自分を奮い立たせた。



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