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Father 全5話+後書き

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初めてのnote記事にして、筆者の一番オモイが詰まった作品。 晩秋のスターバックスからハワイまで物語が急展開する中、僕は心の奥に封印した記憶を呼び起こされる。そして最後に僕が向か…
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記事一覧

Father 第1話 過去は突然やってくる

突然、過去と再会したことがありますか? 忘れ去っていた遠い昔の思い出に。 いや、それは心の奥底に仕舞い込んだ苦い記憶かもしれません。 そんな古傷と対峙したとき、私たちは何を感じるのでしょうか? この話はある日、僕に起こった出来事です。なかなか気持ちの整理がつかず、また誰かに話す勇気がなくてずっと心の抽斗の中にしまっていました。でも先日、ある人たちから勇気をもらい、僕の話をとてもきいてもらたい気持ちなりました。ぜひ、読んでください。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

Father 第2話 Lost Paradise

「ひょっとして、コウイチ?」 「???」 「私よ、憶えてる?」 「ひょっとしてナオミ?」 「Oh my gosy!こんな偶然ってあるのね!!」 その特徴的な外見で僕はすぐに彼女のことを思い出した。昔、短い間だったが彼女と僕は一緒に暮らしていたのだ。ここでは仮に彼女をナオミと呼ぶ(ナオミ・キャンベルに少し顔が似ていたからだ)。僕は懐かしさと急な再会に戸惑いを感じながらも、胸がじんわりと暖かくなるのを感じていた。 ナオミは僕の隣の席に腰掛け話し出した。 「あんた、あの頃は肩

Father 第3話 Blue Hawaii

22年前の9月、ナオミの誕生日を祝いに2人でワイキキに繰り出した。モアナ・サーフライダーホテルのバーでマイタイやピニャ・コラーダやら、いかにもハワイ的なカクテルを堪能した後、酔い醒ましに僕たちは夜のワイキキビーチを散歩した。 ホテルの灯火と篝火に照らされたビーチは光と闇が入り混じり、幻想的な空間を作り出していた。打ち寄せる波の音と柔らかい夜風に乗って、どこからかエルビス・プレスリーのBlue Hawaiiが流れてきた。 Night and you and blue Haw

Father 第4話 Bad morning call

その朝、僕は国際電話で父の急逝を知らされた。 電話を切った僕は、壁を思いっきり殴りつけた。 拳の皮膚が裂け血が滲み出た。 「何、勝手にくたばってんねん、クソ親父がぁ!」 僕はそう叫んでいた。 身体の中では怒りの炎が立ち上がっていた。 それは巨大な火柱となり激しくうねっていた。 まるで荒れ狂うの炎をまとった龍のように。 僕は何度も壁を殴った。 痛い・・・。 やがて拳の痛みが僕を冷静にさせた。 さて今、僕は何をすべきか? そうだ、日本に帰らなくては。 母さんは僕を必

Father 最終話 Life goes on

なんば駅から特急に飛び乗って小一時間。 右手に海が見えるころ、僕は電車を降りた。 駅前のコンビニで缶ビールを2本買い、バスに乗った。 バスは国道から山道に入り、10分ほどで広大な霊園の頂上に到着した。 そこからは大阪湾が一望でき、近く海の上に関西空港が見えていた。 遠く神戸の街や、明石海峡大橋までも見える。 大阪にも、こんなに空が広い場所があるのだ。 ここに来るのは一体いつぶりだろう? 幾千の墓石が芝生の上に並んでいる中、微かな記憶をたどり何とか目的地を見つけた。 僕は父

Father あとがき

つながるあなたへ 先日、僕は2日間で10人のプレゼンテーションを受ける機会を得ました。 マザーアース・エデュケーションが主催するプロキョウイクシャ養成講座、通称プロキョウの最終回。課題はプレゼンテーションでした。 このプレゼンでは、わずか10分間に全てをこめます。 ちなみに僕は昨年このプレゼンで大失敗しました。終了後あまりに悔し過ぎて、悔し涙すら出てこないくらい。 プレゼンターは皆、まるで己の人生の全てをぶつけるように魂のこもったプレゼンをしました。 どのプレゼンも胸が震