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THE 日記(1/18〜1/28)

一月十八日
 なんも覚えてない。

一月十九日
 休み。恋人と何かをするために休みを取ったけど結局何もしなかった気がする。覚えてない。何をしたんだろう。ツイートを遡ったら思い出した。新宿にいた。なんで新宿にいたんだ。紀伊國屋に行ったら坂元さんの新作映画のシナリオが面出しされていて、その近くに「劇中に出てくる本たちです」みたいなポップと共に滝口さんの『茄子の輝き』が置いてあって、マイヒーロー二人が急に繋がったことに驚く。ビックロで外付けのハードディスクを買う。タイムスで煙草吸いながらYouTubeを観ていた。ポメラを開いてはいたけど一行ぐらいしか書けなかった。小説に対する興味が日に日に薄れている気がする。不安。隣に青年が座ってきて、店員さんが水を持ってきながら「学生さんですか?」と聞いた。「いや、ううん」「へー」「なんで(聞いたの)?俺が韓国人だから?」「いや、テキトー(に誰にでも話しかけてる)」という会話。凄い。端的。俺も含めて全員そんな感じだったら生きるのがもっと楽になるなと思う。なんで新宿に一人でいたんだ?
 夜、多分ポテサラとApexをやった。射撃訓練場で基礎的な動きを教える。前に木村くんから教えてもらったことをそのまま伝える。

一月二十日
 TWICEばっかり聴いてる。働いた。夜の十二時から朝の六時までポテサラとApex。画面酔いでゲップが止まらない。そして全く勝てない。世界で一番難しいゲームだと思う。

一月二十一日
 起きて、高円寺に。ぽえむで小説書く。割と書けた。中央線に乗ってポテサラんちの前に外付けハードディスクを置いて、次は西上くんちに行って、一昨日買った新品のハードディスクにこの前撮影したデータを移行してもらう。西上くんに格ゲーとApex一緒にやろうよ、と頼む。帰宅してポテサラとApex。普段の何気ない瞬間、完全に自由な時間があった時に選ぶ行動の多くがゲームとYouTubeになってきた。じゃあそれは小説よりもそれらの方が好きなんじゃないか?と思ってしまう。それをポテサラに相談する。でもそれはゲームが息抜きで、何かを書くことに本腰入れてるからそう感じるだけじゃないか、というようなことを言ってくれた。ゲーム本気でやりだしたらゲームも腰が重くなるのか。わからない。そうやって今まで色んなことから離れざるを得なくなってきた気がする。バンドもそうだし、ラジオもそう。本気になりすぎて結局そのそばにいられないという現象をもう二度と起こしたくない。でも気合いが入ってない奴のこと嫌いだから難しい。なんやかんや、ずーっとApexをやる。全く勝てない。

一月二十二日
 起きてすぐポテサラとApex。やりすぎ。一回射撃訓練場に戻って二人で基本的な撃ち合い。難しい。恋人帰ってくる。二人で風呂に入って、洗濯して、木村くんが少しやってくれることになって、ポテサラとトリオでApex。木村くんがうますぎる。俺とポテサラは雑魚。恋人が寝る。次はストファイ。結構勝つ。ゲーム八時間ぐらいやってる。異常だ。でも心底、このモニターから出たくねえという気持ち。少し『アブサロム、アブサロム!』の続きを読んでみるも頭に全く入ってこず、どうしたんだろうか。「頑張ろう」と思って無理してやってることにはいつか綻びが生じるのを身をもって知ってるから、自然とそれを努力とも思わずにやってる状態がベストで、自分は今、自然と小説から離れて行っている。でもその寄り道もきちんと意味のあるものになってくれないと困る。ヘッドホンのマイク越しに、スッと、「やっても意味ない気がしてきた」と言ってしまった。ポテサラが「まぁでもやってたら強くなるでしょ」というようなことを言って、意味とか、すぐそういうのがどうとか言うのは本当によくないというか、意味とかないから全部。と今思う。自分に。恋人と風呂に入りながらBTSの『Dynamite』を聴いていて、なんか俺最近どうしちゃったんだろうと本当に思う。TWICEとかBTS聴きながらApexやってる奴、俺なんか、いや別にあれなんだけど、俺ってそんな、いくらなんでも普通すぎる奴だったんだ、という思い。ソフトオンデマンドとかS-1しか観ない人みたいだ。逆に怖い、みたいな。そういう感じになってる。

一月二十三日
 帰るのが遅くなって恋人と何か口論になった記憶。

一月二十四日
 何も覚えてない。

一月二十五日
 読書会のために休みをとっていたのに最近全く読めないからパスさせてもらった。高円寺まで歩きながら母ちゃんと電話。銀行で金を下ろして家賃の振り込み。オリンピックに行って湯たんぽとアディダスの靴下を買う。夜になってポテサラとApexをやったはず。割と成長してる。スピットファイアとマスティフが好き。ウィングマンも割と。とりあえずジブラルタルで進めている。Shivというイギリス?のApexプレイヤーの動画がめちゃくちゃおもしろくて、ずっと大声で叫びながらプレイしていて、アンチが「お前はザコ」みたいなコメントをしたら射撃訓練場に呼び出してタイマンでボコボコにしながら「サックマイディック」と大声を張り上げていた。観ながら俺も何回も笑った。
 本が読めなくなってるけどちょっと無理して一回読んでみよう、とマラマッドの『テナント』を読み始めたら凄いおもしろくて少し安心する。そして風呂に入りながら「頑張ること」について考えていた。本を読んだり書いたりすることが頑張ることなんだから、それをたくさんやった方がいい。そんなのずっと昔からわかっている。でもできない。できないことを認めた上でどう動くか。
 湯たんぽを使ってみたら暖かくて寝付きが良くなった。お湯を注ぐ時に塩梅をミスって跳ねた熱湯がプレステ4にかかって焦る。大丈夫だった。

一月二十六日
 働いた。帰宅して野良でApex。意外とみんな優しい。俺が足を引っ張りまくる。ストファイ。Apexやってんのが冷静さを産んだのか割と勝つ。プロの人たちが「他のゲームやるのも大事」て言ってる意味がよくわかった。今はApexの方が楽しい。寝る前にマラマッド『テナント』を読む。おもろい。今日も湯たんぽ。最高。

一月二十七日
 昼の十二時に起きて野良でApex。釈迦さんがジブでランク行くと被弾多すぎてきついと言っていたのでバンガロールを使うことにする。全く勝てない。足を引っ張りまくる。そしてみんな好戦的すぎる。
 働く。久しぶりにチャリに乗る。あったかい。
 帰宅してすぐに兄が来る。貸していた一眼の一脚と、封筒に入った十万円を「やるわ」とくれた。優しい兄。俺がApexのロビー画面を開いていたから、ゲームについて話す。割とすぐに帰って行った。野良でApex。バンガのスモークの使い方が難しい。やたら強いレイスの人がグイグイ引っ張ってくれて、初めてチャンピオンになる。クソ嬉しい。ポテサラが来て、デュオでやる。それをぺっしと木村くんに限定配信して、ぺっしは家で、木村くんはジムででも観ていた。確実に上手くなっている。九百ダメージ与えられた試合があって、それがかなり楽しかった。ウイングマンとマスティフとスピファイが好き。
 恋人が来て、一緒に風呂入って、恋人が腰が痛いと言うので按摩してあげる。湯たんぽ。今まで小鍋で沸かしたお湯をスタンレーの水筒に移してその注ぎ口から湯たんぽに入れる、という動作を三往復していたけど、月兎のポットと小鍋の両方を沸かして、まずはポットから湯たんぽへ、そのあと小鍋からポット、ポットから湯たんぽ、とやればかなり簡略化できることに気付いてそうした。漏斗がいる。
 タンカレーでジントニックを作って飲む。うまい。

一月二十八日
 なんか知らんけど朝の九時に起きる。早起き。休みだったけど急遽出勤になって、たまたま早起きしてたから良かった。バスが来るのが三十分後だったので軽くApex。着陸した瞬間戦闘が始まって即死、というのを二回やって、つまんね、と思いながら家を出てバスに乗る。聞きたかったことをLINEで木村くんにガンガン聞く。
「ブラウラーて反動凄すぎて難しくない?」
「ケアパケになってから使ってないからわかんない」
「スピファイて強いと思ってたけど武器ランク的にはかなり下なんやね」
「最初強かったけど強すぎて弱体化入った」
「単発と速射で持っときたいんだけど、ボルトのがいいかな?」
「その気付き流石だね。強い人はマスティフとボルトの組み合わせが多い」
「あとウィングマン好き」
「ウィングマン難しくてあんまり人気ない」
「ムズイんだ。なんか謎に使いやすかったけど。バンガで二対一で近距離の時リロードした瞬間死ぬんだけどスモーク焚いちゃったがいいよね?」
「基本的に二対一は避けたいから引いていいと思う」
とか、俺はLINE魔だから毎日ありえない量のLINEを送りまくってるのに木村くんは優しくその全部に答えてくれる。
 バスで出勤。コーヒーを飲む。おいしい。TWICEを爆音で聴く。『Feel Special』地獄の一曲リピート期が過ぎ去り、今は『MORE & MORE』と『YES or YES』ばかり聴いてる。
 千葉さんのツイートがなんだか燃えているようで、岸さんもそれに対して「千葉さん何言うてんの」みたいな反応をしていて、千葉さんのファンというか千葉さん大好きな俺からすると、完全に色んな人が誤読しているようにしか思えない。生理とマスタベが完全に同じものって言ってない。千葉さんが補足的に色々リツイートしていたけど、それすらも言い訳的に見られているかと思うとイライラする。なんか千葉さんの本一冊でも読めば簡単にわかることなのに、もちろんそんな人たちが千葉さんの本を買うわけがない。それも残念。クソおもろいのにな。
 雪が降ってくる。新宿に行こうと思ったけど、欲しいもの全部吉祥寺で買えると思って、井の頭線に。寒い。ヨドバシに入って、Razerのヘッドセットを探したら全くなくて、でもHyper XのはたくさんあったからHyper Xのやつを買った。ウメさんのスポンサー。青葉でラーメン食う。誰もいない。SKITに行って、エアマックス93を買おうと見てみたら(俺が93年生まれだから)、やっぱり微妙で、かっこいいんだけど、やっぱり95とか90とかフォースワンのがかっこよくて、そら人気ないだろうなぁ、また今度来て考えよ、と思って、今電車。高円寺に帰っている。さっきまで雪だった物が今は雨になった。荻窪から阿佐ヶ谷にかけて、住宅たちの屋根は全て白に染まり、俺は暖房が効いた人もまばらな東西線の中で静かに電車が滑る音と時たま聞こえてくる幼稚園児の喋り声に包まれて、その子以外は誰も喋っていなかった。冬だなと思った。

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