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「現代俳句」2023年10月号


翌檜篇(54) 関西青年部

自選5句  平原陽子

惑星にプールサイドといふ陸路
 わたしは、子どもの頃からプールの時間が苦手でした。泳げないのもそうだし、プールサイドに上がったときの重量の感じもなんだか怖かった。「プールサイドといふ陸路」というフレーズは、ただの陸地ではなく「路」であることで一歩一歩踏み出していくさまを想像します。夏のきらめきがプールサイドにも及んでいるようで、あの日怖がったのが嘘みたいな気分になりました。

自選5句  永井円

摩天楼誰にも会わぬ夏の鳥
 摩天楼という高層ビルの間を鳥が悠々と飛び去って行く様子を想像しました。夏の暑さをひしひしと感じるビル街。ここはせわしなく人が行きかいしている。「誰にも会わぬ」ことなどかんたんで、誰に会ってもわからないくらい無機質に思えるかもしれません。「摩天楼」の閉塞感に「夏の鳥」の開放感がよくあっていると思いました。


関西俳句を辿って  川田果樹

 関西青年部の勉強会レポートです。わたしも当日参加していましたが、とても勉強になりました。内容は果樹さんが丁寧かつ簡潔にまとめてくださっているので、お手元にある方はぜひ読んでください。
 当日の懇親会で、日向さんは「書くことが好き」とおっしゃっていたので、今後もぜひたくさん書いていただきたいですし、姫子松さんの細見綾子論ももっと伺ってみたいと思いました。作家性の話ってなかなか話すことがないというか、わたしがあまり知らないのもあるんですけど、人から聞いた方がよくわかったり、実際自分で作品を鑑賞する際に「あの話を検証しよう」ということもできるので、外からの刺激って大事だな、と思いました。横井さんは就活うまくいったらいいな、とおせっかいながらも応援しております(ここで言っても詮無いことですが)
 レポートを書いてくださった果樹さんをはじめ、若い方(物理)の活動はエネルギッシュで見ているだけで元気になるので、引き続き青年部でいろいろチャレンジしていただけると助かります(???)
 勉強会でパネリストを務めてくださった日向さん、姫子松さん、横井さん、そして執筆いただいた果樹さんありがとうございました。楽しかったです(作文だなぁ)


関現俳より(勝手に宣伝)

 今月は、急ぎ足で翌檜篇ですが、お手元にある方はぜひぜひ読んでいただければと思います。関西の青年部のみなさん、こんなことやりたい・あんなことやって欲しいなどあれば、部長の久留島さんに気軽にお問合せくださいね!(勝手に言ってるぞこいつ)

 関現俳と言えば、YouTubeもお忘れなく。西谷剛周さんの回です。西谷さんのげんげ小屋がインタビューのロケーションにぴったり。「突撃! 隣の地区会長」というタイトルでもつけたくなるような(センスは問うな!)、アットホームなローカル番組風のインタビュー&編集で、とても見やすいです。

 インタビュアーの稲野一美さんの職業は実況アナウンサー。お仕事ぶりも合わせてお楽しみくださいませ。稲野さんは関現俳のホームページにエッセイを寄せていらっしゃいますので、こちらの紹介しておきます。

 いろんな会員さんがいる現代俳句協会。会誌で他の地区の活動を知るのも楽しみのひとつですし、関現俳にもいろんな会員さんがいらっしゃるので、いつか会えることを楽しみにしつつ、今回はこの辺で。
 最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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