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「現代俳句」2022年6月号

 立て続けに遅ればせながらの6月号です。巻末に現代俳句大会の投句用紙がくっついてました。もうそんな時期か……と思いつつ、表紙からめくっていきます。薄墨桜の猫の写真をまじまじと見てしまう……かわいい……ねこちゃん……(俳句わい)

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協会の今を思う  田口武

 いろんな視点から協会への危惧や、提案がなされているのはそれだけ協会に対する愛があるってことだと思います。少子化が叫ばれまくる中、私立大学でも入学者数の減少は取りざたされていることと思いますが、「会費を払って入会する」という場合、大学のようなゴールもないのである意味自由に出入りができます。
 そういう「自由に出入りできる状態」の中で「会員で居続けるメリット」「会員になるメリット」というのは、おのずと付きまとう課題だと思います。
 わたしは、これからの時代は、自分から動かないとなにも手に入らなくなる気がしていて。情報だったり、体験だったり、世の中にあふれているからこそ、自分で取捨選択しなければならない。上げ膳据え膳で生きてもいけるけど(これは経済的な話ではなく、世の中にあふれているあれこれの話)、自分なりに自分好みに、有象無象をカスタムする力が必要だと実感しています。
 まとまりのない感想になってしまいましたが、協会が「どんな会員がいるか」をどれだけ把握しているのか、というのも大事なんじゃないかなぁ、と漠然と感じたりしました。そこには年齢も性別も関係ないので。
 5月号に続き6月号でも協会について書いてしまいました。おまえ誰やねんって感じですよね。ほんとそう思います(自覚)

絵画と俳句

これまで、今、そしてこれから  松下カロ

 この記事、めちゃくちゃ面白かったです。「マネと秋櫻子」「ピカソと兜太」「バンクシーとAI俳句」というテーマで、それぞれについて書かれているんですが。
 特に「バンクシーとAI俳句」の最後が心に残りました。一部、引用します。

(前略)わたしたちは誰が描いたか、また詠んだか(大家か素人か、師か弟子か、男性か女性か、大人か子供か、日本人か外国人か、機械か人間か)に拘らないと思ってはいます。でも、現実は違います。
(中略)
 バンクシーとAI俳句が「誰でもない」創作者として現れたことは、あらゆる表現者を等価で受け入れられるかという問いかけであり、美術や言語、そして世界の無言の意志に促された必然かもしれません。(後略)

『現代俳句』2022年6月号 p.26

 「あらゆる表現者を等価で受け入れられるかどうか」という部分に、ハッとさせられました。実際、誰が作ったかに拘っていない「つもり」だけれど、どこかで「これは違うやろ」という感覚が多かれ少なかれある。逆に言えば「さすが〇〇」というのも同じ感覚ですよね。どこかで作者や作家を意識する。そういうことって、往々にしてある。
 そういうことに気づかせてもらえたのと、単純に「絵画と俳句」という比較が興味深かったです。絵画専門の人にこういう話したらどういうリアクションになるんだろうなぁ。

「翌檜篇」(41)東海第四回ジャズ句会

第四回ジャズ句会

 過去のダイジェストがYouTubeにあると書いてあったので、検索してみました。第三回を貼っておきます。

卒塔婆小町っぽくならずに白秋  佐藤武子
 こちらの句では、サウンド・オブ・ミュージックの「私のお気に入り」が演奏されています。いや~~この曲めちゃくちゃ好きなんですよね(知らんがな)(いやでもほんと好きです最高です)
 こんな感じで句会とジャズライブが合体しているんですね。会場のこじまりした感じがジャズライブっぽくていいですね。ジャズ好きはコアな音楽ファンみたいなイメージがあるかもしれませんが、それがちょっと俳句と似ていておもしろいですよね。全然そんなことないのにな……「なんかかっこいい」で好きでもいいと思うんですけどね。あ、話が逸れた。
 紹介されている句から一句。

黒鍵に躓いている冬の蜂  なつはづき

 作品鑑賞を読むと、なるほど、と勉強になることばかりです。そんなふうに言えばいいのか、とか、そういうことも感じられるな、とか。そういう視点だったり語彙だったりも、読むことで得られることのひとつだなぁ、とひしひしと感じております。

「現代俳句」電子版がはじまります

 はい。このページ、二度見しました。電子版とな! これでいつでもどこでも読めますよ、と。画期的です。しかも会員はわざわざ買う必要がないので、クーポンで無料と……ははぁ……こいつはすげえや……(若者のセリフじゃない)
 わたしのオンボロタブレットでも読めるか試してみました。タブレットの大きさが大体会誌と同じくらいなので、ほぼ同じ大きさで読めました。「どんな感じかな」と気になった方は、会員登録は置いといて、試し読みで目次を確認されるといいかもしれません。タブレットだと拡大しやすいので、二段組もばっちり読めますよ!(会誌って情報量が多いから文字が小さいよね!笑)
 こんなふうに新しいことがあるとわくわくしますね。自分にできることとできないことって確かにあるけど、できないこと(例えばいけない場所の情報)なんかでも「こんなことやってるんだ」って知れるだけでも楽しいです。
 あ、Zoomで画面共有するときも便利だな。著作権に引っかからない使い方(個人利用の範囲で使う、再配布しないなど)でできることもありそう。

 ということで6月号でした。「絵画と俳句」の読みごたえと内容が印象に残りました。月刊の雑誌(総合誌)でもこういう記事はあると思いますが、なかなか総合誌に手が出せないわたしとしては、俳句オンリーの話もおもしろいですが、俳句となにかの取り合わせのような記事があるとうれしいです。久しぶりにゴッホやらピカソやら検索して作品を見ましたが、ただただパッションに殴られて終わりました。絵画は印象派が好きです(知らんがな)

 今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。今回は一句感想がない感想になってしまいました。まあ、こういうのもありということで。それでは、また次回。

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