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「現代俳句」2021年12月号

 今年一年の目標のひとつに“「現代俳句」の会誌を毎月読んで感想を書く”というものがありました。早いものであっという間に12月号。今年の評価面談では上司から「期待しています」というコメントをもらって、一際背筋が伸びる思いでございます。こんなふうにはっきり言われると「よっしゃ、やったるで!」と思うタイプです。気負いはないです。プレッシャーにも、あんまりならない。はっきり言われなきゃ逆に不安になるので。これでいいのかな、って。
 そういうわけで、なんだかんだ職場にも恵まれ、いよいよ来年からは公私ともに「飛躍の年」にしたいな、と思っています。まるでアイドルの挨拶のようですが、まあそういう感じでいきましょう。わたしの人生、笑ってもらってなんぼです。「相田えぬ」というコンテンツの充実を、今後ともどうぞご期待ください!(誰?)

百景共吟

恋つて氷なんだ融けてなくなる  網野月を
 そうなんだ。知らなかった。と、思わずハッとしてから「そうだっけ」と思い直す、不思議な句。そう言われたらそうかもしれないけれど、ほんとうのところは誰にもわからない。ロマンチックなだけじゃないところが「融けてなくなる」に感じ取れるのがすてき。

列島春秋

シュレッダーしたき過去あり雪礫  大瀬響史/青森
煩悩も長寿の秘訣除夜の鐘  渡辺竹女/山形

 どちらの句も感慨があって好きでした。シュレッダーしたい過去がどんなものか、本当に煩悩は長寿の秘訣なのか、というところは野暮なんで置いておくとして。年末になると書類を捨てる機会が増えますよね。シュレッダーできたらいいのになって思いながら書類を捨てるのも、ご老人の小言やわがままを聞きながら「だから長生きなんだろうなぁ」と思うのも、どちらも年の瀬の程よい疲労感があっていいと思います。お疲れさまです。

狐火の動画眠りにつく儀式  久留島元/滋賀
 俳句のおもしろいところは、平然とこの世に存在しないであろうことがらも季語として許容すること。というか、そもそもそういうあるかないかわからないものを取り扱うということ自体が文学(詩歌も含むのでそう言うことにします)なんだろうとも思うんですが。それはさておき、「狐火 動画」で検索したら一番上に郷ひろみのMVが出てきました。ぜったい違う。これじゃない。
 あるかないかわからないものの動画を寝る前に見る。うん、確かに儀式だ。間違いない。なんだろう、この妙な説得力。狐火だから「あったらいいな」って思わせられてしまうのかも。なんだか抓まれた気分。

翌檜篇(36)東海地区

 関西地区の翌檜篇で、恐れ多くもわたしの選というか感想文が載ったのですが、そのときも他のお二方との温度差を感じずにはいられず、結局一度しか読めなかったんですが(恥死ですよ、恥死)
 鑑賞文ってこういうもんだよな、と東海のみなさんの記事を読みながら思いました。いやあ……うん、勉強になります(勉強しろ~~~)
 翌檜篇に限らず、会誌に掲載されている鑑賞文は「感銘の一句」に向けられているので、なるほどなるほど、と頷きながら読んでいます。こういうことが言えるようになれたらちょっと変わるのかな、と未熟さを痛感する年の瀬でございます。わたしが「いいな」と思った句を他の人も選んでいるとちょっとうれしくなりますね。こういう楽しみ方は、毎月読んでいるからできることなのかな、とも思います。

俳句とITの近未来(2) IT部 堀田季何

 参加者が足りないときにAIが参加する句会っておもしろいな、と思いました。確かに物理的に句が揃えばいいわけだから、AIが作ってもいいわけですよね。全自動ってすごく便利だな、と素直に思います。時間や手間を掛けられない人も、気軽に句会に参加できる世界。気負わず自由に俳句が楽しめる世界。近未来の全自動化やAIの実装がなくても、「快適」を考えることで少しずつ実現できるものなのかもしれません。季何さんの記事を読みながら、いろんな可能性をひとつずつ実現していくのは他でもない、今生きている人たちで、そこにわたしもいるんだなぁ、と背筋が伸びました。

第十四回「現代俳句の風」作品募集(掲載料無し)

 わざわざ「掲載料無し」と書くということは問い合わせが多いんでしょうね。葉書を出せばいいだけなので、とてもありがたいです。とは言え、実は今まで一回くらいしか出したことがないと思うんですよ、わたし。大体Twitterに放流するし、まあ賞に出すとしても、そのときぶわーって作っておしまい、みたいな感じなので。普段からコツコツ作るタイプではないので、こういうときに出す句って、実は、ない……(ないんかい)
 そんなわたしなので、締切に間に合うように今からせっせと作りたいと思います。こんなんだから作品群がままならないんですよね。やっぱり教えを乞う必要があるのかなぁ。ううん。これずっと悩んでそうだな、来年も(ここ笑うところです)
 来年の会誌でわたしの名前を見つけたらちょこっとだけ目を止めていただけるとうれしいです。「出してるじゃーん」って笑ってください。

 さて、この12月号で目標だった「毎月感想を書く」を達成しました。来年も続けるかどうか、まだ考え中ではありますが、なんだかんだ楽しくできた実感があります。成長するにはまだまだ経験が足りません。これからもぼちぼちマイペースに詠んだり読んだりしながら俳句と付き合っていきたいと思います。
 ここまでお付き合いいただきありがとうございました!
 
 

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