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正しい街

2019年11月末、ミュージックステーションで演奏された椎名林檎の「正しい街」は、私の年末を狂わせた。

「無罪モラトリアム」は私が学生時代よく聴いた椎名林檎の1stアルバム。当時は「幸福論」が好きで、「歌舞伎町の女王」とともにカラオケでよく歌っていた。といっても椎名林檎にズブズブ、というタイプではなかった。でもヴィヴィアンのアーマーリングはNANAと椎名林檎で覚えたようなものでした。ゴスロリが流行った頃、自分にはできない格好が憧れだった。値段的にも自我的にも。
「正しい街」は11年ライブでもやることはなかったので、ザワつきがすごかった。テレビで流れた街頭インタビューで演奏することを伝えられて泣く人もいたほど。私は正直、歌詞すらもよく覚えていませんでした。

いざテレビを通して聴くと「ああ、こんな歌詞だったなぁ…」と懐かしさを感じつつ、すごいメンバーで演奏してるなぁと違う感慨に耽っていた。
なんとなく「無罪モラトリアム」をもう一度聴きたいな、と思ってプレイリスト。Spotifyは便利だなぁ…

それからしばらくして、仕事やプライベートで色々とあって憔悴してるところに脳内再生された「正しい街」。
なぜ今…と思ったその時、言葉の端々が過去の自分の記憶にフラッシュバックしてしまった。

「さよならを告げたあの日の唇が一年後、どういう気持ちでいまあたしにキスをしてくれたのかな」

「なんて大それたことを夢見てしまったんだろう」

たぶん実際のこの曲のシチュエーションと自分の体験は違うのですが、この歌詞に、腹を殴られているような鈍い痛みを感じてしまった…
脳内でスケバンが「顔はやめといてやるよ」って言いながらボコボコと…

…過去どういう出来事があったのかはご想像にお任せしますが、年末になかなか心を揺さぶられた。泣きこそしなかったが心は泣いていた時もある。

それでも聴いてしまう「正しい街」。

辛いと思っても怖いもの見たさなのか、つい蓋を開けてしまう性分。
正しかったことってなんだろうな…
年が明けても噛みしめて繰り返し聴いています。いい曲。

という文を書いていたら、昔好きだった男から「親友と慕わせて頂いている方に送っています。連絡疎遠で申し訳ありませんが、今年もよろしくお願いいたします。〇〇〇〇 旧姓〇〇」という年賀SMS(!)が来ていることに気づいた…婿入りしてる…バツイチで婿入り…すごいな…モテたもんなお前…何年も連絡よこしてなかったのに…なんで今親友なんだよウケる確かに儲かったら家買ってくれやって話はしてたしマネージャーになってくれよと言われた記憶もあるけど…

私ってドラマ持ってるなぁ……(そっと布団をかぶりながら)

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