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3年間の軌跡

球春到来。2/1は野球ファンの正月。オープン戦に沸く3月。

球場に見に行くし試合経過はラジオ聴くしアプリ入れて他球団の結果も見る。

ただし年間観戦数はかなり少ないと思う。多ジャンルの好きなものが多すぎてスケジュールと財布の管理が野球にまで追いつかない。私はファン属性では良く言っても中の下レベルだと思っている。

なのに毎年2月、気づけばもう3年も行っている「キャンプ」

テント張って寝るあれではない。プロの集中合宿だ。

毎年宮崎の僻地まで、ただ練習を見に行くのだ。私の推し球団、埼玉西武ライオンズは宮崎の中でも僻地だと思う。宮崎空港から電車で1時間以上、その電車も1時間に1本とかザラだ。そんな電車を逆方面に乗り間違えるという致命的ミスを犯したりもしている私だが。そこはあえて話は広げないけれども(電車に乗るの好きなのに電車運が見事にない)それでもただ捕手の特守を見るのが楽しくて、ブルペンの練習を目線の位置で見るのが嬉しくて、選手が横を通り過ぎるときに「お疲れ様です」が言いたくて、光学ズームの精度が低いコンデジでもピッチングやバッティングのフォーム連写が容易で(近いし遮るものがあまりないし昼間屋外なのでブレにくい)満足したくて、東京から飛行機に乗るのだ。後でプロから見たら大したことのない写真を見ては悦に入るのだ。とうとう九州沖縄に強いソラシドエアの会員にまでなってしまった。前述のストレイテナーが長崎出身のバンドで、長崎ライブに行く機会もあることを加味して。

選手との距離が近いので練習場内を移動する際にサインをもらえる機会も多いし、運が良ければ一緒に写真も撮れるかもしれない(実際シャッターを切ってくれと頼まれたことはある)オタクには夢のような現場だ。たまに紅白戦やったりなんかして、タダで試合見れる!やった!なんてお得感も味わえる。総合的判断ではちっとも得でないが、気持ちの中では実質タダ。選手間の仲良しヤジもたくさん聞ける。ミスしたら集中砲火を浴びてもう1回。練習見ている人に対して「拍手がない~!」なんて煽りがあったりする。そして普段見られない選手のわちゃわちゃが見られる。BLではない。正直BLみあるけど断じて違う。チームの雰囲気がいいということだ。全年齢対象、オールキャラだ。

宮崎は食も豊かで、特に果物は本当に安い。みかんの中でも高級の部類に入るであろう「せとか」も6個くらい入って300円。めっちゃうまい。みかん中のみかん。なんだそれ。あと焼酎が安すぎる。港も近いので魚介も美味しい。今年はコンビニが近い宿だったので、困ることはなにもなかった(以前はすごいところに泊まった)

初めて連れて行ってもらった方には今でもお世話になっていて、私はそういう人に恵まれているところが多大にあるので軽率に勧めることはできない。以前推し球団がオフだった日、某人気球団のキャンプを見学に行ったが、テーマパークのようで、ライオンズのような触れ合いはおそらく微塵もできないであろう空気だった。ただイベントとしてしっかり設営されているので楽しいのだろうとは思う。接触が好きなオタクには物足りない現場だと思うが、祭りとしてのクオリティが素晴らしかった。これも各球団の特色の違いで面白い。

ライオンズキャンプ地は南郷、僻地と感じるだけあって地元の人の親しみやすさがすごい。地元の人が運営する小さなテントゾーンで飲食販売をし、ご当地物産品を売り、球団もその一部でキャンプ限定グッズを売る。在庫は少ない(と思う)。子供を背負いながら唐揚げをあげるお姉さんとか普通にいる(唐揚げうまい)。なぜか秋田の男鹿ナマハゲロックフェスを思い出してしまった。三角コーンだけで演者と客を仕切っていたあのフェスを。ぜひこのままの雰囲気を大切にしてほしい。人気球団には絶対にマネできない味だから。

これからも行く気がするし、なんなら来年はキャンプ地とは真逆の位置にある高千穂にまで行こうとしている私がいる。バンドのライブ遠征もそうだけど、どこかに行く口実が欲しいのだと思う。現実から逃げたいとき、オタクの口実はうってつけだ。推しがいるので遠征に行きます、という理由の強さ。ただし、遅かれ早かれ現実はやってくるので、口実を作って出かけた暁には、もうちょっとがんばろう、とかそういう対価は得たいな、とは思う。ここ3年はそういう意味でも満足しているし、毎年フジロックに行く人のような気持で、モチベーションになっているのかもしれない。


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