こども誰でも通園制度って
来年度から試行されるこども誰でも通園制度をご存知でしょうか?意外と保育士さんの中でも「名前しか聞いたこと無い」という方もいらっしゃったりしますが、正直これを来年度(4月)から試行し始めるには情報が回ってなさすぎな気もしています。ということでこども誰でも通園制度というのはどういうものなのか書いていこうと思います。
1 まずどんな制度なのか?
この制度は簡単に言えば保育園に普段通っていない子でも保育園を利用できるという制度です。ただ、月に使える時間も決まっており、最初に言われたモデルでは月に10時間(本格運用する予定の多摩市は月に160時間、港区は100時間にするという話も出ているので自治体によって違うかもしれないです)利用することができ、だいたい1時間1100円(家庭の負担は300円程度)となるようです。また全ての園でやるわけではなく、自治体の中の数園がやるといった感じが今は主流なようです。
2 なんのためにこの制度はあるのか?
この制度は、保育園に預けるという選択はしなかったものの、子育てで悩みがあったりする際に孤立してしまうことを防いだり、ちょっとした時間(用事がある日等)に子どもを連れていけない理由があり預け先がなくなってしまわないようにするといった理由もあるようです。
3 この制度のメリット
これはもちろん、子育て中の保護者にとって預け先があるという安心感はあると思います。保育園に預けず自分で子育てしたい!という人も何かあったときに使いやすいですし、保育士という子育ての専門家と話をできるようになるのも悩みを抱えたときに相談しやすくなったりなどもメリットになると思います。
実は保育園側にもメリットはありまして、保育園は公定価格というものがありこれは子ども一人が在籍することで入ってくるお金といえばわかりやすいと思いますが、これが少子化により定員割れしてしまうともらえるお金が減り、運営していけなくなる死活問題に発展する可能性があります。それを少しでも改善できるように入れる子どもの門戸を広げたという部分はあると思います。
4 この制度の課題
これはまず何より、保育園には配置基準というものがあり、定員が決まっているので自治体によっては今でも空きが無いのでそもそもこの制度を保育園で展開することができないということです。特に東京はまだまだ空きが無い地域も多く、待機児童も未だにいます。これではお住まいの地域によっては利用できないという地域格差がおきてしまうことになります。
また、保育園だけでなく、保育士も人員不足のところが多いので、保育士が足りなければ同じように制度を保育園で展開することはできません。この為国はこの制度を立ち上げるに当たり、保育士の待遇も改善するという話も出ていますが今のところ詳しい話はあまり出てきていません。
本格運用は2026年度からとされていますが、それまでに試行する中で子育て中の保護者にとっても保育園、保育士にとっても良い制度になってくれるといいなぁと思います。
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