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確定申告は税理士に頼んだ方がよいのか?

2020年も残り僅かですね。

今年は副業に取り組んだ人も多いかと思います。

上手く利益が出てよかったという方も、

そうでない方も、

そろそろ「確定申告」や「税金」をどうするか、

考え始めないといけない時期になってきました。


確定申告のやり方としては、

・本やネットで調べて自分で作る。

・税務署の申告相談会に参加して作る。

・税理士に頼む。

のどれかになるかと思います。


自分でやってみたいけど、どうしよう?

税理士に頼んだ方がよいの?

金額はどれくらい?

という疑問が湧いてくるかと思います。


1.税理士に頼まなくてもできるもの

次の場合の申告書は、それ程難しくないことや、

国税庁のホームページや確定申告の特設コーナーなどで

詳しい解説や手引きがあるので、

税理士に頼まなくても大丈夫だと思います。


〇複数の会社などから給与をもらった場合

それぞれの会社からもらった「源泉徴収票」の金額を記載して合計すればよいので、国税庁の「確定申告作成コーナー」などで手引きに従って金額や必要事項を書いていけば大丈夫です。

※令和2年(2020年)版は、年が明けた令和3年(2021年)1月に公表されるので注意してください。

〇会社員で住宅ローン控除を利用する場合

住宅ローン控除を利用する場合も、

国税庁の手引きが結構充実しています。

手引きに従って、給与の源泉徴収票やマイホームを購入したときの契約書などの資料、住宅ローンの残高証明書などから金額や必要事項を書き出していけば、難しくないです。

またローンを組んだ銀行などで無料のセミナーが開催されていることがあるので、参加してみると良いかと思います。


〇医療費控除やふるさと納税(寄付金控除)を利用する場合

こちらも手引きが充実しているので難しくないです。

同じく国税庁の確定申告コーナーで金額と必要事項を記載していけば大丈夫です。


〇副業を「雑所得」で申告する場合

「雑所得」というのは、「その他所得」のことです。

会社員で、物品販売やブログ、アフィリエイトなどの収入がある場合には、

通常は、雑所得で申告することになります。


雑所得の場合には帳簿をつける必要はないので、

エクセルなどで収入と経費を集計すれば大丈夫です。

(もしかすると税務署から問い合わせが来るかもしれないので、領収書や請求書は、キチンと保管しておきましょう!)


迷うとすれば、どこまでが経費になるか、ということです。

経費になるのは、「その収入を得るために”直接”必要だったもの」だけです。「その副業を辞めたら発生しない費用」と言い換えることもできます。

判断が難しい場合は、税務署の確定申告相談会などで確認してみると良いかと思います。


2.税理士に頼んだ方が良い場合

〇青色申告で帳簿を作成する必要がある場合

最近はFreeeやMoney Forwardといった自動記帳ソフトもあるので、

簿記の知識がなくてもある程度の帳簿は作れるようになっています。

カバーしきれない部分としては、

建物や車、器具備品などの減価償却をどうするかという点や、

そもそも必要経費になるのかどうか判断する点があります。


これらの点は、簿記だけでなく、税法の知識も必要になってきます。

ある程度、自動記帳ソフトで帳簿を作成しておいて、

細かいところは税理士にチェックしてもらう、という方法も考えられます。


〇消費税の申告が必要な場合

消費税は、2年前の年の消費税の課税対象となる売上が1,000万円を超えると申告納税義務が生じます。

令和2年(2020年)分の申告義務の有無は、

平成30年(2018年)の売上いくらだったかにより判定します。

消費税の課税対象になるもの、ならないものの判断や、

軽減税率の適用があるかどうかなど、

税法の知識がないと難しいと思います。


2年前の売り上げが1,000万円を超えている場合には、

税理士に相談してみてください。


〇不動産を売った場合

不動産を売った場合には、まず損益の計算があります。

また不動産を売ると多額の利益がでることもあり、

これに対して様々な控除制度があります。

要件を満たしているか、どのような資料が必要かなど、

税理士に任せた方がよいと思います。

(特に特例を使う予定がなく、

 過去に購入した時の不動産の価格が分かる、と言った場合には、

 税理士に頼まなくて手引きに従って計算すれば大丈夫と思います。)


〇海外取引がある場合

海外取引については、税務署もしっかりチェックしています。

それは、意図的であれ、うっかりであれ、申告漏れが多い取引だからです。


よく聞く話としては、海外の銀行口座の利子の申告漏れです。

日本の銀行の預金利息からは、税金が引かれているので申告はいりません。

ただ、外国の銀行の場合には当然ながら日本の税金が引かれていないので、

自分で申告をする必要があります。


また、今年は海外の株式を購入した人も多かったようです。

海外の株式については配当から、まずその国の税金が差し引かれ、

更に日本の税金が引かれています。

そのままにしておくと、日本と海外とで二重で税金が課せられている状態になってしまいます。

これを解消するためには、「外国税額控除」という制度を利用して、

海外で納めた税金を日本の税金から差し引く必要があります。

「外国税額控除」の適用を受けるためには確定申告が必須です。

少々、税金の知識が必要なものなので、

税理士に任せた方が無難ではないかと思います。


〇時間がなくて忙しい

何だかんだ言っても、年が明けると3月15日まであっという間です。

日数でいえば74日ありますが、年度末はどの業界でも忙しいのでは?

気づいたら3月・・・ということにならないためにも、

「お金で他人の時間を買う」という使いみちもあるかと思います。


〇税務署にあれこれ聞かれたくない

確率として多くはないですが、

申告書を出すと、数日~数か月後に税務署から連絡が来る場合があります。


税理士が作成している場合には、基本的に税理士に最初の連絡が入ります。

質問内容によっては税理士がその場で答えて終わるものもあります。

「税金はちゃんと払うから、あれこれ聞かれたくない、」

という人は、税理士に頼んでしまった方が良いかもしれません。


3.税理士の探し方と報酬

税理士の探し方

税理士の探し方で多いのは下記の2つです。

・知り合いや同業者に紹介してもらう。

・インターネットで検索する。

ほとんどの税理士がホームページやブログなどを公開しているので、

相性がよさそうだなと思ったところに依頼するのが良いかと思います。

初回面談は無料としているところも多いので、

ひとまず会ってみて、合う・合わないを決めるのもありです。


報酬はどれくらいか?

個人ビジネスや不動産の貸し付けなどを行っていて、

青色申告で記帳が必要であれば大よそ5万円からが目安です。

売上500万円 ・・・ 5万円

売上1,000万円 ・・・ 10万円

売上5,000万円 ・・・ 25万円

消費税の申告が必要だと上記にプラス5万円~10万円くらいです。

また不動産の売却を行った場合には、上記とは別に10万円~応相談、というくらいが多いようです。


税理士事務所も人手不足

税理士試験の受験者数は、毎年約1,000人ずつ減少しています。

このため今、税理士業界は空前の人手不足です。

このため既存のお客様への対応で手いっぱい、

それどころか契約解除しているという事務所も少なくありません。


確定申告期限は3月15日ですが、早い事務所だと年内~1月末で新規の依頼を断っています。

3月に入るとほとんどの事務所が新規の依頼を受け付けてくれない可能性が高いです。(逆に、手の空いた事務所が新規で受付を増やすこともあります。)


このため、税理士に依頼しようかなと思っている人は、

できれば年内の内に依頼する税理士の候補を何人か見つけておき、

年内~1月半ばくらいまでには一度コンタクトをとって相談してみることをお勧めします。

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