350万円という金額②

【現在の状況】

43歳会社員子供3人。金融資産が1億円ありますがなんとなく仕事を辞めずに働いています。理由はあと2年半働くことで増加する350万円の退職金がちらついているから。

そこで、それまで働くべきか、そんなこと気にせずさっさと会社を辞めてしまうべきか迷っているわけですが、現状なぜ辞めずに働いているかという理由の2つ目になります。

投資回収としての350万円

日本の会社には大体、退職金というものがあります。退職金という響きから、なんとなくこれはお祝い金のような、労働の対価としての給与とは別に、上乗せしてもらえるもののように感じられることがあるかと思います。

ただしよく言われるように、退職金とは給与の後払い過ぎないというのは単純に事実で、会社側としても当たり前のように退職金支払いを見越して給与体系を設定して財務的な運営を行っています。

つまり毎月の給与は、本来の労働の対価から一定の額を退職金としていわば差し引いて、その後、退職時に後払いされていることになります。

受け取る側は基本的に退職金の受給資格として一定の期間会社に在職していることが求められます。平たく言うと早く辞めてしまうと退職金をもらえないか、一般的に退職金は退職時までの勤務年数、もしくは年齢に応じて逓増していくものと思われますので、退職が早ければ早いほど金額が大きく割り引かれることになります。

つまり辞めてしまうとそれまでの労働(人的資本の投資)の対価の一部もしくは全てを受け取れない、放棄するということになります。

単純なことですが、今私が辞めてしまうと今まで提供してきた労力の対価のうちの退職金として受け取れるはずだったがものが無に帰すことになってしまいますが、それをあと2年半働けばある程度まで取り戻せることがわかっているのでそこまで働くことを選択している、そういことかと思います。

細かいことを言えば退職金には退職所得控除があり、また社会保険等もかかりませんので、給与としてもらうより、税金、保険料を払う必要が無いぶん、受け取る側としては退職金として受け取るほうが得になります。

退職が遠い先の話であれば、「給与の後払いとしての退職金はおかしい!毎月の給与として支払う払うべきだ!」と主張して、給与として課税、保険料が徴収された上でも手取額を自分で運用していけば、将来もらえる退職金と比較して金額が大きくなるということに意味があるかもしれません。

ただ、今の私の場合、すでに退職まではそれほど時間がありません。となるとむしろ給与としてではなく退職金としてもらうほうが得になるという計算が成り立ちます。

つまり今受け取れば税金、保険料で30%控除されるが、2年後であればそれが控除されないとした場合、わずか2年でかなり高利回りの運用が出来ているということになり、そう考えると今はむしろ退職金増額の時点が近いことはいい機会で、ますますそこまで働いて取り返すことの意味合いが高まります。

以上がなぜ今すぐに辞めないでなんとなく働いているかの2つ目の理由になります。

とはいえ別に普段からこういったことをハッキリと意識的に考えたわけではなく、なんとなく働き続けている中で今すぐに辞めない理由を考えてみるとこういうこともあるかなぁという程度のことです。

しかし退職金とか賞与とか、定年退職でない限り後払いになるものはその一部が受け取れないようなことって当然普通にあるわけですけど皆さんどのように考えているんですかね。

私も一度転職経験があるので初めてではないのですが、前職は世に言うブラック企業で早く抜け出したい一心でした。それもあってこういったことはほとんど何も考えずにとにかく転職が決まって辞めてしまいました。

今の職場はそういった意味では前職とは全く違った環境で、仕事が全く面白くないとはいえ、会社としてはまともな部類に入ると思います。だからこそ早く辞めたいと言いつつも働くことを選択してるのかな、と思います。

投資の回収が、ということであいかわらず回りくどく色々書きましたが実は私の場合、働いた以上の賃金を受け取っていると言ってもいいような時期が以前にあったこともあって、すでに投資した以上のリターンを得ている、つまりもっと早く辞めてしまう方が得になるという時期もありました。海外駐在員で過ごした時期があったからです。

そのことについてはまたいずれ書きたいと思います。

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