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第948回 食品安全委員会 概要(アレルゲンを含む食品について)

第948回 食品安全委員会 概要(アレルゲンを含む食品について、本文2,609文字)
 
 
内閣府食品安全委員会は令和6年7月23日に第948回食品安全委員会を開催しました。
ここではアレルゲンを含む食品について、その総論、ならびに各論として牛乳と小麦の2品目の各ファクトシートについてご報告します。他の議事については<一次情報>からご確認ください。
 
<議事>
(1)動物用医薬品専門調査会における審議結果について
・「ジブチルサクシネート」に関する審議結果の報告と意見・情報の募集について
・「ノルジェストメット」に関する審議結果の報告と意見・情報の募集について
(2)食品安全基本法第24条の規定に基づく委員会の意見について
・遺伝子組換え食品等「JPBL015 株を利用して生産されたトランスグルタミナーゼ」に係る食品健康影響評価について
(3)ファクトシートの作成について(報告)
・アレルゲンを含む食品(総論、牛乳、小麦)について
(4)その他
 
<ファクトシート:総論>
令和6年7月23日現在、国内において食物アレルギーの表示対象は合計28品目である。
■法令上表示を義務付けるもの(特定原材料)【8品目】・・・えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)
■表示を推奨するもの(特定原材料に準ずるもの)【20品目】・・・アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン
食物アレルギーは、IgE依存性の即時型アレルギーであり、皮膚症状、呼吸器症状、消化器症状などを引き起こす。日本におけるリスク管理や国際機関の検討状況についても解説している。専門用語については「用語の説明」を参照。詳細情報は専門書・専門医に相談のこと。
Ⅰ.食物アレルギーについて
1.食物アレルギーの定義など
2.食物アレルギーの発症機序など
(1)食品中に含まれるアレルゲンによる感作
(2)食物アレルギーの発症機序
(3)食物アレルギーの発症に影響を与える要因
(4)食物アレルギーの発症予防に関する知見
3.食物アレルギーに関する全国実態調査
■調査対象年齢分布(2020年調査)
■即時型食物アレルギーの原因食物(2020年調査)
■全国実態調査で報告された即時型食物アレルギーの原因食物別構成割合(2005~2020年調査)
4.食品中に含まれるアレルゲン
(1)アレルゲンの構造
(2)構造の変化及びアレルゲン性の変化
(3)食品中のアレルゲンの検出法(分析法)
5.臨床症状と診断など
(1)臨床症状
(2)診断・管理(食物経口負荷試験など)
Ⅱ.日本におけるリスク管理などについて
1.食物アレルギー表示制度の概要
2.リスク管理の状況など(監視指導の実施など)
3.リスク評価に関する取組み
Ⅲ.国際機関、海外政府等機関における検討及び取組の状況
1.各国の食物アレルギー表示制度
(1)食物アレルギー表示対象品目
(2)予防的アレルゲン表示・注意表示
(3)外食における食物アレルギー表示制度
日本、米国、カナダ、EU、スイス、オーストラリア・ニュージーランド、および韓国の8カ国・地域について、食物アレルギー表示対象品目、予防的食物アレルゲン表示・注意表示の状況を一覧化、内容を比較。
2.リスク評価に関する状況
(1)アレルゲンを含む食品のリスク評価手法
① NOAEL/LOAELと安全係数を用いる
② BMD法とMOEを用いる
③ 確率モデルを用いる
(2)国際機関、海外政府等機関におけるリスク評価などに係る検討
① コーデックス委員会及び国際連合食料農業機関(FAO)/WHO
② 欧州食品安全機関(Europe Food Safety Authority:EFSA)
③ 米国食品医薬品庁(Food and Drug Administration:FDA)
④ カナダ保健省(Health Canada)
⑤ オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関(Food Standards Australia New Zealand:FSANZ)など
用語の説明
参照
 
<ファクトシート:牛乳>
牛乳アレルギーは、小児期に多く発症し、全年齢における即時型食物アレルギーの原因食物の第2位(2020年時点)とされる。アナフィラキシーなどの重篤な症状がみられることもあり、注意が必要であるが、牛乳は主要なカルシウム源であり、除去によるカルシウム不足を防ぐために、他のカルシウムを含む食品の積極的な摂取が指導されている。
1.原因食物としての割合
2.有病割合及び自然経過
(1)有病割合
(2)自然経過
3.誘発症状
4.食物経口負荷試験データに基づく知見(アレルギー症状誘発量など)
5.アレルゲン性
(1)牛乳に含まれるアレルゲン性を有するタンパク質
① カゼイン
a.αS-カゼイン
b.β-カゼイン
c.κ-カゼイン
② 乳清タンパク質(ホエイ)
(2)加工・調理などによるアレルゲン性への影響
(3)交差反応性
6.含有食品
(1)牛乳を含有する加工食品
(2)加工食品の食品表示
(3)「乳」の表示のない加工食品中の牛乳タンパク質濃度
7.国際機関、海外政府等機関における検討
(1)コーデックス委員会及び国際連合食料農業機関(FAO)/WHO
(2)EFSA
(3)FDA
(4)The Allergen Bureau of Australia and New Zealand
8.その他
別添:個別調査・試験・研究結果一覧表
参照
 
<ファクトシート:小麦>
小麦アレルギーは、乳児期に発症する即時型症状に加え、成人では運動誘発アナフィラキシーのリスクも伴う。本ファクトシートでは、小児の即時型症状を中心に、小麦を含む食品に関するIgE依存性のアレルギー反応について解説する。FDEIAについても言及する。
1.原因食物としての割合
2.有病割合及び自然経過
(1)有病割合
(2)自然経過
3.誘発症状
4.食物経口負荷試験データに基づく知見(アレルギー症状誘発量など)
5.アレルゲン性
(1)小麦に含まれるアレルゲン性を有するタンパク質
① グリアジン
② グルテニン
(2)加工・調理などによるアレルゲン性への影響
(3)交差反応性
6.含有食品
(1)小麦を含有する加工食品
(2)加工食品の食品表示
(3)「小麦」の表示のない加工食品中の小麦タンパク質の濃度
7.国際機関、海外政府等機関における検討
(1)コーデックス委員会及び国際連合食料農業機関(FAO)/WHO
(2)EFSA
(3)FDA
(4)The Allergen Bureau of Australia and New Zealand
8.その他
別添:個別調査・試験・研究結果一覧表
参照
 
<配布資料>
※アレルゲンを含む食品に関する資料のみ。他の議事については<一次情報>からご確認ください。
議事次第
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20240723fsc&fileId=011
資料3-1 ファクトシート「アレルゲンを含む食品(総論)」
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20240723fsc&fileId=310
資料3-2 ファクトシート「アレルゲンを含む食品(牛乳)」
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20240723fsc&fileId=320
資料3-3 ファクトシート「アレルゲンを含む食品(小麦)」
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20240723fsc&fileId=330
資料4_食品安全委員会の運営(令和6年4月ー令和6年6月)
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20240723fsc&fileId=403
 
 
 
<一次情報>
内閣府食品安全委員会第948回食品安全委員会
https://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20240723fsc
食品安全情報マップ「アレルゲン」
https://www.fsc.go.jp/foodsafetyinfo_map/allergen.html 

<動画配信>
第948回食品安全委員会
https://youtube.com/live/wlMYbs9vx6E?feature=share
 

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